山のもの ;海のものとも山のものとも
2006/06/25 up    
会津駒ヶ岳
檜枝岐・滝沢〜木階段〜肩ノ小屋〜会津駒ヶ岳 ;往復

2006/05/12(fri.)
 単独.・(車中泊+)1day・山スキー 行程6時間50分 [行動時間 5時間30分]

今シーズン 最後の山スキーは会津駒 夜は檜枝岐歌舞伎を観る
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください

 自宅→【那須塩原/東北HW】→檜枝岐 5時間/約270km〈¥4,850〉ETC
五月十二日 会津地方の天気予報は晴れ 『やった!!』 この夜は檜枝岐(ヒノエマタ)で奉納歌舞伎が公演される
今シーズンのラスト山スキーを会津駒ヶ岳で楽しみ、夜は歌舞伎見物と洒落こもう
車を【アルザの里】に停め車泊する ここは平地でスキー場側のトイレも使える
 ちなみに七入〜御池間は夜間通行禁止(18:00〜07:00)昼間も冬タイヤ装着車のみ通行可だった
04:30起床
寝袋に足を突っ込んだまま朝食を食べる
明るくなってから 『キリンテ沢に降りられるかしら?』 と様子を見に行く
キリンテキャンプ場横の沢は雪融け水でかなり増水していて溢れそうだ
『こりゃ、あかん』 キリンテに降りるコトは無理と判断し、滝沢に戻る
滝沢もトイレのすぐ先で雪が林道を塞いでいる
まだ橋上に駐車している車は無いが、除雪作業があるかもしれないので200mほど下流のテニスコート前に車を止めて山支度する

滝沢 車は入れない 
檜枝岐・滝沢 930m 気象;快晴 無風 気温;3℃
05:45入山
DoCoMo
シールを貼った板を担いで雪と舗装路が交互する林道を歩く
滝沢も雪融け水が〔ゴウゴウ〕と恐ろしいほどの勢いで流れている
沿う林道 路肩の雪は沢に向かって落ち込んでいる
雪壁は崩れそうな箇所もある 慎重に進む
登りは手前の近道ではなく、沢奥の段々砂防堰のルートを行く
ここは滑るのに良い斜面と聞いていたのだが、期待した雪はもう融けていた
堰のガケを登り、林道終点地点から木階段のある会津駒登山口に向かう
期待した斜面には雪がなかったのに林道には雪が斜めに残る 雪・岩・木が崩れ落ちている 注意しながら林道を下る

荒れ狂う清流

澄んだ水だけに恐ろしい
舗装林道+残雪
 45分
会津駒登山口 1110m 気象;快晴 無風 気温;6℃
06:30
木階段から、しばし無雪の細くやや急な夏の登山道を登る
兼用…靴とはいえ、これは結構シンドイ
『このまま雪が現れなかったら、とんだアルバイトだ』
もっともこの木階段上部は、幅が狭いので雪があっても大変な場所なのだろうけれど
夏道
 25分
鉄カンバン 1245m 気象;快晴 無風 気温;6℃ 雪;硬ザラメ
06:55〜07:00
【尾瀬岳国有林】の鉄カンバン立つ場所から雪が出てきた
カンバンの裏側で板を履く
『あぁ 楽ちん』 雪面は落枝などで異物が多いがシール歩きがありがたい
シール→ツボ足
 20分 
アンテナ広場 1315m 気象;快晴 無風 気温;7℃ 雪;硬ザラメ
07:20〜07:25
DoCoMo
広場に出る手前の短い急登部は既に足場が彫れているので板を手に登る
尾根と森に囲まれているので会津駒の全容は見えない
垣間見える大戸沢岳の斜面は全層雪崩がおきそうな状態に見える
『一昨日の大雨の影響かしら』
好天無風なのだが沢の水量といい、潜む危険性は大だ
背中側の谷を挟んだ帝釈山が「帰路は我姿を目指せ」と後押しする
広場から再び板を履き右手方向の尾根筋を登る

時々現れる急斜面 朝の冷え込みでまだ雪が硬くでこぼこしている
板裏の接地が全体で無くなりシールが利かない  『結構・・・きつい』
クライミングサポートクトーキックタンーン、時には板を横にした階段登りを要して森の尾根を上がる
1650m辺りからは落葉した広葉樹に変わり、濃緑の針葉樹が増えてくる 落枝も減り雪表面も白くなる
 
広葉樹から針葉樹へ 標高と共に移り換る森の主役達
シール+クトー
 1時間25分 
1820m地点 1820m 気象;快晴 無風 気温;9℃ 雪;硬ザラメ
08:50〜09:00
やや緩やかな場所で荷を降ろす
左手に現れた立派な燧ヶ岳を観ながら休憩する
『会津駒 山頂部のナダラカさとはウラハラに、そこにたどり着く道のりは大変だ』
【急】 という斜度の尾根道ではないが、少しキツ目の斜度が長く続く登山道

ジャケットを脱ぎアンダ一枚で袖まくり 好天の日差しは雪の照り返しを加え暑い
でも、『今日は、登った分を滑れるのさ』 そう思いながら再び荷を背負う
シール
 25分 
1990mピーク巻き **** 気象;快晴 無風 気温;10℃ 雪;硬ザラメ→ザラメ
09:25
無木立の雪原部に出る やっと会津駒の頂部の容姿が見えてきた
深田久弥が「今までに得た多くの頂上の中でも、最もすばらしい一つ」と称す場所
伸びやかな頂部に集まるなだらかな線 そこに針葉樹がいい具合に顔を出す谷が寄り添う...
『悪くはナイが、好みではないかな』 -自分はトンガリ山が好みです-

きっと雪が無ければ、雰囲気が異なり趣も変わるのであろう
   -この道は十数年前の夏に恩師と共にを歩いた
       その時も遅い梅雨明けのため、山頂湿原を観ることはできなかったな-
行きは肩ノ小屋には寄らず稜線東側をトラバース
右は源六郎沢に向かってアリ地獄のように落ち込んでいるが、
風も無く 表面の雪も緩んできたので心配はない
あまり休まず 真直ぐ会津駒取り付きに向かい、そのまま頂上へと直登する
← もう少しで頂上だ 踏跡に雨水が流れ氷結道になってていた
シール+クトー
 40分
会津駒ヶ岳 2132m 気象;快晴 東風 気温;11℃ 雪;ザラメ
10:05〜10:30
DoCoMo
『絶景だ』
すぐに[地元・福島のおじさん]も到着
燧、至仏、平、越後三山のすばらしい展望を、二人でしばし山観三昧
おじさんが言う 「今年は雪が多いな 去年は結構、藪が出ていたのになぁ」
頂上の碑も足部はまだ雪に埋まっている
山に登ると地元の方によく出会う 地元の同じ山 『何度目の頂なのだろう?』
山にすぐ行ける環境だけではあるまい
私のような観光登山者には解らない 【何か…ふるさとのようなモノ】 があるのだろうか。
おじさんも中門岳方面に行きたかったようだが、崩れそうな雪で あまりいい状態ではない
『ここは高層湿原を楽しむ場所』 と二人で言い訳して諦める
180度以上のパノラマな風景 接いないだ・つたない写真ではこのスケール感は伝わりませんね
スキー
 5分

燧ヶ岳と至仏山 

越後三山

中門岳
休憩しておじさんは先に降りていかれた
自分は山頂でシールOFF 源六郎沢は雪崩が怖いので滑らない 直下から肩ノ小屋への尾根に移る
肩ノ小屋 2065m 気象;快晴 東微風 気温;12℃ 雪;ザラメとシャーベットのMIX
10:35〜11:00
DoCoMo
ここから富士見林道を観る
1996mピ−クまでの稜線には雪は沢山付いているが、とても板を履いて進める状態ではナイように見える
自分の技量ではキリンテに降りるのをやめて正解のようだ
代わりに小屋裏の丘でcoffeeを点て並び立つ燧ヶ岳と至仏山を眺める
 『ほんとに素敵な眺め』
燧の上部は残雪が多く、岳名由来の鍛冶鋏(=ひうち)の雪形は現れていない
GW.に滑った至仏 ムジナ沢の雪はだいぶ痩せた
両山共に 一週間ですっかり残雪の山になった

既に営業している肩ノ小屋

会津駒ヶ岳 頂部

富士見林道縦走路

至仏山
この先は登った分の森中を長く滑れる
森の尾根斜面は、針葉樹〜広葉樹・日陰の硬ザラメ〜シャーベットの重雪・樹の密度など、めまぐるしく状態が変化する 身体がその変化に対応できるように、あまりスピードは出さない

まるでゲレンデのような場所

『うぉ〜 ラインが無い!』
スキー
 35分
アンテナ広場 1315m 気象;快晴 無風 気温;14℃ 雪;シャーベット
11:35〜11:40 時折これから頂を目指す方々に挨拶をして、そして自分の立ち休みを交えながら滑り降りる
前回のムジナ沢下部と今回とで、林間オフピステを滑るのは二度目
木々の無い大斜面は 『挑む』 楽しさがあるが、林間は 『山に包まれている』 楽しさがあるもんだ
アンテナ広場下の短い急斜面もジャンプターンで板を横にしながら降りた
スキー
 5分 
鉄カンバン 1245m 気象;快晴 無風 気温;13℃ 夏道
11:45〜11:50
『ふぅ〜』 ここからは板担ぎだ
長い重雪での林間スラローム後に、夏道の下りは兼用靴ではこたえる
通常の雪登山に比べ、下山はスキーの方がはるかに早く楽しいが、今日のコンディションでの登りや無雪歩きを考えると、どちらでも時間的には大差ないようだ
頂上で出会った[地元のおじさん]もとっくに下山したようだ
『運動靴を持ってくればよかったかな』
〔ジャリッ〕 時々ザックに縛ったスキー板のテールが登山道にひっかっかる
少々前かがみで歩くため余計に負担がかかる

芽吹く森
夏道
 15分 
会津駒登山口 1110m 気象;快晴 無風 気温;15℃
12:05
下山路 木階段を降り、残雪のヘアピンを曲がったら旧登山道の近道を使う
こちらの方が雪が無く時間・距離的に近いようだ 石垣部で林道に合さり、朝と同じように下ノ沢沿いを歩く
途中で【フキノトウ】の群生を見つけた ひとつ摘まんで食す 『美味しい!』
まだ包まれた状態の若いフキノトウはエグミが無い 特有の苦味はあるがわずかな甘味さえある
 -3ヶ摘んでポッケに仕舞う 家で天婦羅にして塩で頂く ホクホクで甘さも増す-

フキノトウを見つけ…

湧水ですすいで…

『ぱくっ』
夏道→舗装林道+残雪
 30分
檜枝岐・滝沢 920m 気象;快晴 無風 気温;17℃
12:35下山 滝沢の橋上、テニスコート前にも停まっている車が増えた
皆さん 今日の山頂景色を満喫し、無事に下山したことであろう

村歌舞伎の開演は17:30 時間は十二分にある
温泉で汗を流し、大好きな蕎麦を味わってから 檜枝岐を散策することにしよう

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水タンク:1.5L 1食+行動食1日分 (食は未使用)
  コンロ(中カートリッジ*1)、ツエルトシート、スコップ
  30Lザック(5.5kg)
  足元 ;山スキーセット+兼用靴
  手元 ;Wストック
反 省 無雪の登山道 今日はさほど長い距離&時間ではなかったが、それでも無雪の登山道での兼用靴歩きの苦労を身を持って感じた ある程度の斜度までは問題ないのだが…
自分は無雪期に重登山靴を使用していないので、硬く重い靴はとても不自由に感じる
アプローチシューズを用いるのもひとつの選択肢だ
縦走コースの場合は荷物が増す不便もあるが、ピストンコースの場合はデポすることもできる
good 林間滑走 長い林間コースを余裕をもって楽しく滑れた
もっとも、自分にとっては滑りやすいザラメ雪が中心だったおかげなのだが
感 想 燧ヶ岳や至仏山から会津駒ヶ岳を望むと、そのなだらかな頂部ばかりに気をとられがちだが、
そこまでの道のりは長く、予想より険しかった その分頂上にたどり着いた喜びや滑る楽しさは増す
今シーズンから始めた冬山&山スキー
今回はここまで自分が山スキーで学んだことの中間試験のような山行でした
登りも下りも次々と現れる自然の変化に自分を、登り方や滑りを対応させてゆく
行動前に検討し、ある程度のマージンを残した行動をとる 『一応 合格点!?』
来シーズンは雪中泊も挑戦してみよう
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