山のもの ;海のものとも山のものとも
2006/08/18 up    
北アルプス・後立山
八方〜白馬三山〜朝日岳〜栂海新道〜親不知
2006/08/02(wed.)〜06(sun.)
 単独.・4泊5日・テント・縦走 行程;36時間 移動; 27時間55分

白馬に乗って 海へ! 日本有数のロングトレール
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください

遅れた今年の梅雨明け もう8月_.
昨年、天候不良のため途中で断念した後立山縦走路 歩き残した分の山行に出発
JR あずさ3号/F 4時間50分 千葉06:38→11:27白馬〈¥7,980〉
 千葉からは、これがイチバン 列車は、お仕事か登山の方々で、岡谷までは満席だ
アルピコバス/路線 10分 白馬駅11:35→11:41八方BT〈¥180〉
 白馬駅のBT 多くの方が大雪渓を登るため猿鞍行きのバス停に向かう
自分を含め、 わずかな人数がジャンプ台行きのバスに乗り込んだ

1日目 2006/08/02 (wed.)
八方尾根〜唐松岳頂上山荘
行程;3時間  移動;2時間30分
昨年は下山した八方尾根 今年は登る
八方BT 760m 気象;晴/山はガス 気温;31℃
11:50着 バス停からゴンドラ乗り場までは、八方タウンの中を10分ほど歩く
『早く上に行きたいよ〜』 山麓は暑い 平地を歩いているだけで汗をかく
早々ゴンドラに乗り込む 籠の中は、増してサウナ状態 急いで天井のダクトを開く
山上は雲がかかって、よく見えない 
ゴンドラを降りた109で水道水を積む
10分
ゴンドラ&リフト 35分 白馬観光開発 八方アルペンライン 通し券〈\1,400 + ¥400 《10kg超荷物》 /片道〉
八方池山荘 1840m 気象;ガス 無風 気温;23℃
12:35〜12:50入山
FOMA

【ワタスゲ】 の花穂

沢山咲いていた 【シモツケソウ】

握り拳のサイズ 【オニアザミ】

ツルのような
【クチバシシオガマ】
ゴンドラとリフトを2機乗り継げば、既に標高1800m以上の白馬八方ゲレンデのトップ
『涼しい〜 下界とは段違いだ』
稜線が2620mだから、『あと800m登ればいい』
テント泊&5日分の食料 荷が重い時は、楽をさせてもらおう
ガスのせいで展望は無いが、多くの山花が道脇を彩ってくれている

【シモツケソウ】の明るい色が霧の中にポツポツと浮かび上がり幻想的だ

【ナメルギボウシ】
欄干の擬宝珠に似ている
40分
第三ケルン 2080m 気象;ガス 無風 気温;26℃
13:30〜13:40
八方池までは、観光の方と登山の方が入り乱れ状態なので、花を眺めながらゆっくりと登る
平日ですら、こんなに人が多いのだから休日は大変な混雑であろう
池には寄らず、見下ろす稜線のケルンで休憩
ここから先は登山者の割合が多くなる
 下ノ樺の曲がり角 ダケカンバの巨木が立派だ

八方池の周囲は花盛り・人盛り

【クモイナデシコ】

ダケカンバの巨木
1時間05分
丸山ケルン 2420m 気象;ガス 無風 気温;26℃
14:55〜15:10
上ノ樺への南斜面道で、京都から来られたサマースクールの中学生さんが大挙下山してくる
10分ほど停滞 自分は急ぐ旅でもいないのでのんびりと待つ 引率の先生は大変だ
扇雪渓には大量の雪が残っていて、蒸発霧が立ち上っている 見た目にcool
丸山ケルンで行動食を取っていると、青空が見えてきた 『もうすぐだ』

今年はどこも雪が多いそうだ

【ムシトリスミレ】

丸山ケルンから見上げる
40分
唐松岳頂上山荘 2620m 気象;ガス 無風 気温;21℃


15:50着
 ¥500/張〉

090-5204-7876
FOMA
山荘前は大勢の人で、 大変な混みようだ
自分はテント泊の手続きと、麓で提出し忘れた登山届けを済ませ、さっさとテント地の西斜面に降りて行く

テント場下の水場 今年は雪が沢山残っているおかげで、あっという間にタンクも満たされる

左の水場の源
 唐松岳西斜面の残雪

山荘から、テント場までは
結構、降りる

夏の稜線とは思えぬ豊富な
この夏いっぱい持つかも(!?)
早めの夕食を、のんびり食べていると、少し風が出てきた 雲の合間から五竜岳が頭を出す
下界は厚い雲海の下 高い山の上部だけが快晴になる 食事の手を止め、山荘上の展望台に向かう
山荘泊で、早い順番で食事を済まされた方々といっしょに散歩する
不帰ノ嶮は黄金雲を添え、黒部の谷を挟んだ剣岳は アカネを背景にして、 美しさと険しさを競い合っている
周りの誰もが「登ってよかった!」と口にしている すばらしい山のディナーショー
『明日の朝は晴れだ。』 テントに戻り 残りの夕食を済ませ、早めの就寝

五竜岳

不帰ノ嶮

剣岳

2日目 2006/08/03 (thu.)
唐松岳頂上山荘〜唐松岳〜不帰ノ嶮
〜白馬鑓ヶ岳〜杓子岳〜白馬頂上宿舎
行程;8時間40分  移動;6時間40分
不帰ノ嶮は、朝イチに通過しちまおう
唐松岳頂上山荘 2620m 気象;晴 無風 気温;04:30=8℃
04:50出立
4:00起床
不帰ノ嶮で渋滞するのもイヤなので、早立ちだ
ストックはザックに固定する
テント場から山荘に上がる間、朝から綺麗なグラデーションの立山連峰を拝める 『ありがたや』
 20分
唐松岳 2696m 気象;晴 東微風 気温;14℃
05:05〜05:15
すでに頂上は、御来光を拝まれた方が大勢いる
昨夜、隣のテントだった単独行の女性の方に立山をバックに写真を撮ってもらう
相変わらず立派な五竜岳を観る 『さぁ 此処からが去年の続きだ』
これから進む白馬方面は 険しい信州側の尾根を、新しい陽で輝かせている
ひとりニコニコしながら、昨年来 怪しく誘惑してきた不帰ノ嶮の岩場に降りて行く



立山をバックに

五竜岳

今日の道程が照らし出される
不帰ノ嶮 ****m 気象;快晴 気温;**℃
『見た目はあんなに魅力的だったのに… チヨット、キタイハズレダヨ』
トラバースばかりの不帰ノ嶮(カエラズノケン) 肩透かしをくらう
以前、逆周りで通過した時は、もっと稜線沿いの険しい道程だった想いがある 路が変わってしまったのだろう
滑落注意

 

T峰

岩壁沿い

トラバースばかり

  1時間35分
不帰キレット 2411m 気象;快晴 南微風 気温;19℃
07:00
『自分にとってはむしろ、こっちが今日の核心部か』
Wストックを出し、不帰キレットから 天狗ノ大下りを登りはじめる
前回の南アルプス・大門沢下降点といい、『降りる人もいれば 登るヤツもいるんだ』と 吐くが、標高差300m 斜度よりもガレて登りづらい
この辺りで 天狗山荘を早立ちした方々と交差する
『不帰ノ嶮を越えていて良かった…』
上部にはクサリ場もある 登るのも大変、降るのも大変な場所のようだ 落石注意

【チシマギキョウ】

左の尾根が天狗ノ大下り

期待はずれだった 不帰ノ嶮
1時間
天狗ノ大下り 27**m 気象;快晴 気温;16℃
08:00〜08:15
天狗ノ鼻と言ったところか 大下りの坂を登りきった広場で休憩
家族で山に登られた方々が、あまりにも団らんなので写真を撮ってあげる
この先の天狗平、先の白馬鑓ヶ岳を観ながらの美しい稜線路が見える

天狗の坂を登りきった広場

【シロウマオウギ】

【コマクサ】と白馬鑓
気持ちよい天狗の稜線は、高山植物に飾られながらのセンター路だ
 40分 
天狗の頭 2812m 気象;快晴 東微風 気温;22℃
08:55〜09:00

【ウルップソウ & クジャクチョウ】
群咲きは終わっていた

立山連峰の展望台

天狗の背中
 10分 
天狗山荘 2720m 気象;快晴 気温;24℃

09:10〜10:00
FOMA
山荘に近づくにつれ、花の量・種類 共に増えてくる
天狗池のほとりに建つ山荘は、立山連峰や白馬の好望と静けさ 好感が持てる
coffee〈\400〉を頂きながら、休憩していると、先ほどの不帰ノ嶮で道を譲っていただいた【やまびこ会】の方々も到着。 一緒に小屋のスイカ〈\400〉を食べる 冷たくって甘くって美味しい
みなさんも、今日の目的地は自分と同じく白馬 再会を約束して、先に立つ
山荘のすぐ先には雪田 紅ガラに沿って登る
朝から溜まっていた信州側の低い雲が、動き出しこちらに這い上がってくるのが見える
『うめゃ〜』  軽アイゼンも不要
20分
白馬鑓温泉分岐 2740m 気象;晴 気温;26℃
10:20


【タカネシオガマ】

この辺りは、かなり温泉の香りがする
今はガスで目視は出来ないが、700mほど下に山の湯【白馬鑓温泉】がある
「大雪渓を登り、白馬三山を巡って温泉へ…」 ここを降りて行く方が多い
山の湯は魅力的だが、ここから往復5時間半の険しいコース 『降りて温泉に浸かったら、登る気は無くなる』
30分
白馬鑓ヶ岳 2903 気象;晴→ガス 東風 気温;25℃
10:50〜11:10
FOMA
白馬三山の一つ目 最南の鑓ヶ岳 独特なライトグレー色のガレを登って行く
『槍と鑓の違いは?』 【鑓】の方が古い字らいし(〜鎌倉時代頃)
 -山内一豊の頃はもう【槍】だったのね- 山的には、はるかに槍の方が鋭い

団体さんが居た頂上も、すぐに誰も居なくなり、独り静かな頂上
しかし残念ながら、信州側からの雲が次々と稜線を越して行くので、
白馬や五竜の遠望は獲られなかった 
次の杓子岳もかき消されぎみだ

小鑓の先は、次の杓子岳

頂上に近づくほどルートが増す

山らしい ダイナミックな雲の動き
 30分 
杓子沢のコル 2685m 気象;晴/ガス 東風 気温;24℃
11:40

【カンチコウゾリナ】
狭いコルに沢山の花が咲く
稜線の花とは、種類が異なるようだ
この先、路は杓子岳頂上と、その西を捲く道とに分かれる 当然、頂上への道を進む

【クサフジ】
25分
杓子岳 2812m 気象;ガス/晴 気温;24℃
12:05〜12:25
FOMA
ますますガスが強まり、展望は失われれてしまった
スパッと切れ落ちている東面を覗き込む 足下には、巨大な雪渓が口を開けていている 『吸い込まれそうだ』
しばらく霧晴れ待ちするも、状態はあまり変わらない
諦めて、ジグザグのザレた急坂を合流する地点(2715m)まで15分ほど下る 
スリップ、浮石注意

杓子岳頂上

『そーっと』 東壁を覗き込む
35分 
最低鞍部 2590m 気象;ガス/晴 気温;22℃
13:00〜13:15
大雪渓の混雑を避けて 大池側から上がられた方々と一緒に休憩
 多くの方が大雪渓を登ってくるのがここからでもよく見える
今日、自分の残り工程は ここから僅かに登るだけ
花畑の岩場を越せば丸山、そして白馬岳の幕営地だ

白馬岳 主頂部

Fish Eye Lensではありません

【イブキジャコウ】 タイムの香り

山の【クルマユリ】は小振り

丸山(2768m)に登ると、すぐ下に白馬岳頂上宿舎が見えてくる もう15分もかからない

35分 
白馬岳頂上宿舎 2730m 気象;ガス/晴→晴れ 無風 気温;20℃

13:50着
 ¥500/張〉
FOMA
0261-72-2279
梅雨明けと共に夏の間だけ、北ルプス稜線上に街が出来上がる
大雪渓からは、どんどん人が登ってくる 『なんとも、もはや』 自分のコトをタナにあげながら、テントを設営し、小屋でビールを飲む〈生セット\850〉
水場はテント場にあるタンクも使えるし、冷たく新鮮な水を望むなら、小屋のすぐ下で雪解けにありつける
【やまびこ会】の方々も到着 ビールを奢っていただき、一緒に乾杯だ
皆さんは関西方面からの来山 関西在住なのに日本各地の山や沢をこなしているという 皆さんは小屋泊。 しかし明日も、朝日岳の小屋を目指すので同じルートだ
ガスが晴れだした 小屋前から 杓子、鑓方面をスケッチしよう
描き終わる頃に日没が近づく 今度は丸山に登り、素晴らしい杓子・鑓の夕焼けを観る 今日歩いた山々が、次々とお色直しを繰り返すのに見惚れる
丸山から見下ろすテント場も結構な混み具合になってきた
早めに着いて、良い場所を確保できてよかった

稜線上の街
シロウマのお色直し 青空と雪渓に似合うモノ

杓子岳、白馬鑓ヶ岳そして立山連峰がアーベントロートで染まってゆく
夜中にテントから首だけ出して、横になったまま星空を見上げる まるでプラネタリウム -逆か- 星座もよく解らないほどの星の数だ

3日目 2006/08/04 (fri.)
白馬頂上宿舎〜白馬岳〜雪倉岳〜朝日岳〜朝日小屋
行程;9時間  移動;6時間20分
白馬岳頂上宿舎 2730m 気象; 気温;04:00=8℃
04:00出立 3:00起床 今日は早出だ
天候は午前中は快晴、午後はガス そして夕方にまた晴れるという典型的な夏山状態が続くであろう
広くゆるい白馬岳山頂への道をヘッデン歩き、白馬山荘(2785m)の前を抜け松沢貞逸・顕彰の記念碑
 -100年前に日本初の山小屋を創設した方々- の脇を上って行く
30分
白馬岳 2932m 気象;快晴 北西微風 気温;10℃
04:30〜05:00
FOMA
今回山行中、最高地点の白馬岳
まだ4:30なのに、すでに山頂は御来光目当ての大勢の方々が陣取っている 下からは次々と登ってくる
『人間嫌い』と言う訳では無いが、群がる人には興ざめしてしまう
『ヒトガ、オオスギマス』 逃げるように日ノ出前に山頂を後にする
シロウマの背を少し下った場所でcoffeeを点て独りで日が昇るのを観る これで白馬三山は終了
防寒のレインスーツを脱ぐ
25分 
三国境 2740m 気象;快晴 西微風 気温;14℃
05:25
越中・越後・信州 三国の境 ここで白馬大池に下る路を右に分ける
右上には小蓮華山(2769m)がキリッとしたシルエット
左の白いガレ斜面に高山植物の女王コマクサが群生している
が、まだ陽も当たらず、ダイイチ ややお年をめされた女王様が多い
左方向のガレを下りながら、途中で二重山稜の中道に入る

 30分
鉱山道分岐 2504m 気象;快晴 気温;14℃
05:45〜06:00
誰もいない鉱山道分岐前の広場(2520m)で休憩
南ア・白峰三山では、八本歯でしか見られなかった【ミヤマムラサキ】が、「当然」のような顔をして咲き誇る姿に驚く

分岐は、ここから小山を超えて5分もかからない

【ミヤマムラサキ】

ちょっと好みの旭岳〜清水岳方面
鉢ヶ岳 捲き ****m 気象;快晴 気温;**℃

【ハクサンコザクラ】

本当に今年は雪が多い

【タカネマツムシソウ】

雪倉岳に向かい緩やかに
鉱山道分岐を右に分け鉢ヶ岳(2563m)の東斜面を緩やかにトラバース
数箇所の雪田を横断する路だが、雪が消えた場所は一面お花畑だ
【ハクサンイチゲ】や【ハクサンコザクラ】が斜面を埋め尽くすほどに咲いている
すでに後立山の非対称地形ではなくなった、東斜面を緩やかに進む
路が広々とした稜線に達すると、〔がっちり〕とした雪倉非難小屋が見えてくる
45分
雪倉岳非難小屋 2430m 気象;快晴 気温;18℃
06:45〜06:55
この辺りから観る雪倉岳はとてもスレンダー
皆さん出立されたのであろう 小屋にはもう誰も居ない
小屋前からグイッと登って行く
もう、萎れてしまった【タカネバラ】は残念だが、他にもハイマツの合間に沢山の花が顔を出す
ついでに山頂手前で雷鳥の親子も顔を出す 『こんな好天でも姿を現すんだ』


【タカネコウリンカ】

ぽやぽや産毛の今年子
40分
雪倉岳 2611m 気象;快晴 西微風 気温;16℃
07:35〜08:10
FOMA
坂を登りきり、もう一段登り、その奥がピークだ
頂上の黒い石碑が立派だ しかし、それより立派なのがこの展望だ
『すごいや』 白馬岳の北側斜面、残雪模様が美しい
ここから見ると、白馬〜旭岳はカールに思える
立山連邦すら背景に、夏山らしさを大きく広げている
 -写真はピークより一段手前での方が下部がスッキリ捉えられます-
先の朝日岳も丸みを持った刃物のような姿を見せてくれる
青空の下 独り頂上 至福のcoffee-time

Photo;センターのアップ
充分に山観を味わった頃、独りお兄さんが登ってこられた
お互い『今日はあそこまで』と、すでに朝日岳の左に見える小屋を確認する
同じく白馬からこられた女性2人組の方々も到着 皆に至福な場所を譲る
雪倉岳〜燕岩 ****m 気象;快晴 気温;**℃
 35分
雪倉岳を降りだすと、そこに一株だけ若い女王様
【コマクサ】の写真は難しい
単体であれば何とか写せるが、群生は白ガレ地帯にポツポツと咲く事が多いので、自分の腕ではさまにならない
下りながら右手の支稜に入り、大きく東に捲きながら主稜の北ノ崖をやり過ごす
ガレてはいるが、歩きやすい花畑路だ

【ウサギギク】
高山〜亜高山の花が咲き乱れる

【カライトソウ】
【ミヤマリンドウ】→
8:45〜8:50
雪倉池が見え、路が左に折れる地点 豊富な水の流れがある
朝日小屋からこられたお兄さんが休憩中
話を聞くと、一昨日から朝日岳を捲く水平道も通れるらしい

40分

【ミヤマアケボノソウ】

【オタカラコウ】
この辺は、水の気配がある

【スジグロチョウ】

【シロウマアサツキ】

【タカネイブキボウフウ】
広々とした花畑の路を どんどん下る
と、イメージ的には赤男山基部に突き当たる(2040m)
ここで少し休憩する 気温がかなり上がってきた(26℃)
この先は山を左に捲くように進む いきなり樹林帯に突入し面食らう

雪倉岳 北ノ崖

いきなりの樹林帯
燕岩 2060m 気象;快晴 気温;28℃
09:40
燕岩の下のガレ場をやり過ごす 険しい路ではないが、日差しが高くなり、暑い
ココには水の気配は無かった

燕の頭部? ということカナ

木々の合間の展望
10分
小桜ヶ原の常水 2035m 気象;快晴 気温;28℃
9:50〜10:00
ツバメ平を見下ろす場所 豊富な水が流れる沢に出た 『ありがたい』
喉を潤し、身体を拭くと言うか冷す 水タンクも満たす

豊富な小桜ヶ原の常水

園地 小桜ヶ原

【ツボスミレ (ニョイスミレ)】
ここから、木道がひかれた湿原帯-小桜ヶ原を進む 先には朝日岳の頂部が伏せた椀状に丸く見える
『まるで尾瀬のよう』と思っていたら水芭蕉も咲いている 『モウ8月ダヨ』
どうやら、今年の北アルプスは遅い雪解け後に真夏の状態らしい 小さな沢を右・左とシケイン状に抜ける
20分
水平道分岐 2070m 気象;快晴 気温;28℃
10:20
先ほどお兄さんが言われいたように水平道通行可のカンバンが掲げられている
『さて、どうしよう』
『まだ、天気は持ちそうだから、登るか』 朝日岳頂上を目指すコトにする
が、ここの登りが結構キツイ 斜度の割りに斜めに切らない直登だ
傾斜が遠目以上にあり、幅狭い道にササがかぶさり歩きずらいうえに、日差しが直射で当たる 大汗しながら登って行く 『ちょっと後悔』

最初はキッツイ登り

だそうです

東面に出ると展望は好いのだが...
『暑い!』
2180m地点で東側に乗り越す さすがに休憩する
この先は、斜度も少し緩み 木々も低くなるが、今度は直火焼き状態だ

1時間10分
朝日岳 2418m 気象;晴/ガス 気温;26℃
11:35〜12:25
FOMA
頂上が近づくと、先ほどまでの急登がウソのよう 木道がひかれた、ナダラカな頂上庭園の風景に変わった
頂でcoffeeを点て休憩していると、自分と同じ苦労を味わったおじさんが登ってこられた
「きつい登りだった」 お互い苦笑いだ 白馬方面はすでに雲の中だった

頂上は庭園の風景

朝日岳頂上
やがて、白馬大池から登られたおじさん達も到着 写真を写してあげて、少しおしゃべりする
ここからは40分ほど下って行けば、今日の幕営地である朝日小屋だ しばらく、のんびりする
35分
朝日小屋 2140m 気象;晴/ガス 気温;26℃

13:00着
 ¥500/張〉
0765-22-1972
FOMA

朝日平と呼ばれる広々した場所に建つ小屋

小屋前の【ゼンテイカ=ニッコウキスゲ】
小さな雪田を渡り、彫って滑り止め加工された木道を降り、軽く登り返せば朝日小屋に到着
雪倉岳で出会った、お兄さんや女性の方々は、水平道で先に到着していた
皆さんは小屋泊まり テントは、まだ一張もない
水は、蛇口を捻れば出てくる 降りてきた朝日岳中腹の
テントを張り、シュラフを干す 小屋前でスケッチしていると【やまびこ会】の方々も到着
自分より、ご高齢な方々なのに、ほんとうにお達者だ また一杯ご馳走になってしまった。
リーダーのおじさんは山のベテランであると同時に、会の皆さんから大変信頼されている様子が感じられる
皆さんは明日はイブリ尾根に下山するので、今日ここでお別れだ。
テントサイトで、スケッチの続きをしていると 先ほど頂上で会ったおじさんが缶ビールをおごってくださる
おじさんは、いつもは秋田の山に足を運ばれるそうだ
しばらくすると、今度は隣のテントの方々に宴会に誘われる 地元も隣同士、【茨城の山岳会】の方々だ
明日からは、自分と同じルート 栂海新道に向かうと言うことで、大いに盛り上がる
話を聞くと、方々も山の大ベテラン 何度も北鎌尾根を登っていると言う
山での食事とは思えない 超豪華なメニューを沢山ゴチになる 『満腹です〜』


イブリ尾根の夕日

4日目 2006/08/05 (sat.)
朝日小屋〜朝日岳〜あやめ平
〜さわがに山〜犬ヶ岳〜下駒岳〜白鳥小屋
行程;11時間10分  移動;8時間50分
栂海新道の真髄 ロングトレール
朝日小屋 2140m 気象;星 西微風 気温;〔03:00;10℃〕
03:30出立 2:30起床 今日はどう考えても工程が長い
【茨城の山岳会】の方々もすでに起床済み 『夕べは あんなに飲んでいたのに タフな方々だ』 感心する
自分は独りなので、簡単に朝食&撤収を済ませる 挨拶して先に出立する
ヘッドライトで道を照らしながら、独り 朝日岳登って行く どうやら今日も先頭のようだ

登り始めると、薄っすらだが富山の街や能登半島の灯も見えた
50分
朝日岳 2418m 気象;晴 西微風 気温;10℃
04:20〜04:50
FOMA

朝日岳頂上 夜明前

神々しい日ノ出

イヨイヨ その路へ
頂上にて〔独り夜明のcoffee〕を飲み終えて日ノ出を待っていると、すぐに【茨城の山岳会】の方々も上がってこられた 地元のグループの方々も登って来た
その、何回も登られた地元のおじさんが 「こんなのは初めてだ。」という美しい朝日を皆で拝む

オキニ入りの白馬の北側が、朝焼けに染まるのは、もう少しアトだ
20分
吹上のコル 2255m 気象;晴 気温;12℃
05:10
すばらしい日ノ出を観れて上々気分 足取り軽く、五輪尾根と分岐する吹上げのコルに下りて行く
『今日は長丁場だった』思い出し、少し気持ちを引き締める

吹上げのコル へ

照葉ノ池
栂海新道を開き、整備されている【さわがに山岳会】の設置してくれるカンバンは、鉄板に切り抜きの文字 劣化することなく、大変見やすい
吹上げのコルから大岩の間を越え、いよいよ栂海新道に入る
樹林帯を抜けると照葉ノ池が広がる 木道が整備された高地の池 日本離れした風景に感動
30分
長栂山 2267m 気象;快晴 東風 気温;14℃
05:40〜5:45
    
長栂山は広い石原に〔ポチッ〕と、おまけのような頂部
20分
アヤメ平 2045m 気象;快晴 無風 気温;14℃
06:05〜06:10
少し急に下り雪渓を越して行く
雪渓部にはマークが無いので、上から降りる場所・道を見極める必要がある

素晴らしい景観が広がる

【ヒオウギアヤメ】

深山独歩
降りた所はアヤメ平 ほんとうにアヤメが咲いている とても色が鮮やだ 野生種【ヒオウギアヤメ】だそうだ
標高が低くなった以上に、さながら別世界に入る
尾瀬の湿原に似ているが大きな違いは木道が無いコトだ
『昔の尾瀬もこんな感じだったのかしら』 のどかで、標高2000m以上広々した高地の湿原帯
稜線や頂とは一味違う山の魅力だ 「北アルプス最後の楽園」と呼ばれるのもうなずける

【ハクサンシャジン】

快晴のアヤメ平を行く

所々、道は深くえぐれている

無数の池塘が点在

【キヌガサソウ】
花の種類も高地とは異なってきたのがよく解る
35分
黒岩平 1725m 気象;快晴 無風 気温;21℃
06:45〜06:55
黒岩平の上部(1900m)から雪渓がある スキー板を持っていればひと滑りできる規模だ
実際、斜度のある場所は、靴裏とWストックでセードで滑り降りる スプーン状の凹みが丁度よいブレーキだ
おかげでこの辺りでは水には困らない 雪渓を下りきると豊富な水量の沢がある
7:00前にすでに20℃を越えた 標高も昨日までとは異なる 『今日は暑くなりそうだ』

水芭蕉の咲くゲレンデだ

なだらかに下って行く湿原の路が続く 湿原を行く路が続く 地形は複雑だが、路はしっかり付いている
冷たい水のおかげで足取りも軽い

30分
黒岩山 1624m 気象;快晴 無風 気温;24℃
07:25〜07:35
小さな沢沿いに進み黒岩山に向かう 笑っちゃうほどに、水芭蕉が満開だ
黒岩山の頂上手前で、栂海新道 唯一のエスケープ路 -中俣新道- が分岐する
エスケープと言っても、里まで7時間かかるらしい -どちらがエスケープだか?-
頂上に立つと、先の栂海新道の路がよく見える
独特の台形をした犬ヶ岳の基部には、すでに栂海小屋も確認できる
地図を思い出さずとも、自分が『かなり人里離れた場所に居る』と実感する
道のササは、きれいに打ち落とされ、昨日の朝日岳の登りより、よっぽど整備が行き届いている
ここからは 高山とは一味違う、緑が眩しい 稜線センターを進むスカイロードが続く
起伏が多く、日差しも強いが気分は好い

振り返る だいぶ下った

あの山 この山 越えてゆくのさ〜♪

稜線のスカイロード
登山道の脇には蛇が多い また明らかに熊の縄張りを示すモノもあった
1時間05分
さわがに山 1612m 気象;快晴 無風 気温;26℃
08:40〜08:55
FOMA
登り下りで、淀んだ文字ノ池を越える 1540m地点からの急直昇りで、さわがに山の頂だ
『かわいい名の山だ』 -まだ余裕がある-
栂海新道を切り開いた【さわがに山岳会】にちなんだ名前なのか、稜線横移動のことなのか、元々の山の名前なのか、、、 はたまた、東斜面の緑の低木がサワガニに見えなくもない

『かにっ!』

【ミヤマママコナ】

最奥 台形の犬ヶ岳
しばらく進むとヤセ尾根に出る 道幅もあり、両脇は潅木に覆われているの解りづらいが、
道幅の両側は垂直に切れ落ちている 立てた板の縁を歩いているようなもんらしい
25分
北俣ノ水場 1945m 気象;快晴 無風 気温;30℃
09:20〜09:40
水場 往復10分
← 山では珍しいホウロウ製のカンバン 『す・て・き』 思わず撫でる
ヤセた尾根を下り、登りが始まる左に曲がる箇所
その内側 苔石の涸れ沢を5分ほど降りて行くと
がある

今日の宿泊は白鳥小屋を予定している
まだ先に水場はあるが、一応ここで給水する
水は冷たく美味しい 『生き返る』
ここから犬ヶ岳の頂上までは、まず急登し、キツくヤセた小ピークを2つ越す
稜線上の尖り岩を捲いて、更にひと登り
まだまだ、高度感があって、白馬や剣岳の展望も十分楽しめる
さわがに山や犬ヶ岳から観る初雪山(1596m)は低山とは思えぬ
堂々とした山容  中央の雪渓が力強い       →

40分
犬ヶ岳 1593m 気象;ガス/晴 無風 気温;28℃
10:20〜10:25
『!?』 犬ヶ岳 最後の登りにかかるコル部に犬が居る
正確に言うと、おねえさん(Foreigner)がシェパードと雑種のワンコ2匹を連れ、
稜線をお散歩中。 おねえさんは、栂海山荘に泊まっているそうだ
流暢な日本語で 「犬ヶ岳で犬って面白いでしょ」 と微笑む
10分
栂海山荘 1555m 気象;快晴 無風 気温;25℃
10:35〜10:50
FOMA
犬ヶ岳を越せば、下り10分ほどで無人小屋-栂海山荘が建つ
ここから左手に折れて行くのだが、例によってお昼のガスが出始める
山荘の日陰で休憩する 今日の泊地、白鳥山に続く地形は、まだ目視確認できる
『まだまだ先は長い』 ここからは、背の高くなった樹林帯の急下りが始まる

山小屋らしからぬポップなカラー 『おしゃれです』

ひとつ、ふたつ、みっつ… up & down
急下りがいったん終わって、一気に標高が下がった頃、女性の方が独り反対側jから登ってこられた
重い荷は白鳥にデポして犬ヶ岳までピストンするらしい
先ほどのワンコ散歩のお姉さんと言い 『女性は強し』

1時間10分
黄蓮の水場 1190m 気象;ガス/晴 無風 気温;24℃
12:00〜12:20
水場 往復10分
1384mのピークを登り、そして下って行く
黄蓮山を登り返した後に、また長い下りが待っている
もう下りでは、〔ひとり膝カックン〕に気をつけねばならぬ状態だ

コル部の少し手前に黄蓮ノ水場が在る
は泳げるほどに沢を流れている 『よかった、よかった』
今回の山行 稜線部には残雪が豊富で、水に困らないが、深山を降りるほどに、計算が必要になった
お兄さんが下から上がってこられた
お兄さんは、友人と両端まで車で来る【クロス山行】だ お互い先の水場情報を交換をする
水場の先も、登り下りを繰り返す 高低差は何百mもある訳ではないのだが、長丁場の終盤 『キツイ』
朝日岳からの栂海新道 日本海に向かって一気に下れる訳では無い

1時間15分
菊石山 1210m 気象;ガス 無風 気温;26℃
12:35
太く大きな木々が目立ち始める 稜線なのだが風が抜けない
標高のためか、植物の呼吸のためか湿度が高い
『ヤマネかしら?』 露根の隙間から白茶の小動物がこちらを見つめている

Mt.ammonite fossil

【ギンリョウソウ】
菌類では無く植物
菊石山を少し下った岩場で石を観ている ヒゲのお兄さんがいる
「菊石とは、アンモナイトの化石の事… 昔はここで沢山採れたらしいよ」
興味津々 お話を聞きながら、アンモナイトの化石が持つ、あの美しい【螺旋】を想像する

35分
下駒岳 1241m 気象;ガス 無風 気温;27℃
13:10〜13:25 再びというか、「これでもか!」と登りが待っている
普段なら、そうでも無いのかもしれないが、山に入って4日目 長丁場の後半でこの暑さ
ボディーブローのように効いてきた
特に、オレンジ色の崩落帯を左に据えた箇所からは、露根・岩を交えながらの急登
ソコを登りきる。 『しんど〜』 頂上で座り込む 先ほどのヒゲのお兄さんがやってきた
お兄さんは車を坂田に停めての日帰りのため軽荷だ 足取り軽く先にいかれた
『よっこいしょ』 まだへたっているカラダにムチを打つ

1時間15分
白鳥小屋 1287m 気象;ガス/晴 無風 気温;29℃
14:40着
FOMA
1120mのコルから、最後の登りをこなす 目の前に小屋が見えた時は思わず 『着いた〜』と言葉が出る
小屋は北アルプス最北の山らしい山-白鳥山の、ほぼ頂上に建つ無人小屋 今日はテントを張らなくてよい
手前に赤テープが貼られた水場があったが、水の気配は無かった 夏は涸れるそうだ
水は黄蓮ノ水場で十分に補給したので問題は無い
小屋前の説明文を読む
ヒゲのお兄さんさんが説明してくれたように、白鳥山は金、翡翠、化石の山らしい
この辺りは、ジュラ紀〜白亜紀の地層が表面に出ているそうだ
恐竜の化石の可能性も… 『シラトリサウルス、ツガミノドンか』
自分も栂海新道のロマンに誘われてやってきたようなモノだ この山にはロマンが詰まっている

展望台付き 翡翠色の白鳥小屋

とても綺麗な小屋

味噌味のすいとん 『初めてです』
行動食の残りを食べていると、下から若いカップルが登ってこられた お二人は親不知から入られ、今夜は黄蓮ノ水場にテントを張る予定だそうだ
3人で屋上の展望台に上がり、お二人が入山、そして自分が降りる親不知を確認する
モヤのため はっきりとは見えないが、日本海とそこに落ち込む山並が解る
二人が出立され、すぐに【茨城の山岳会】の方々も到着
やはり、みなさん大汗だったようだ 『ごくろうさまでした』 早速、宴会の準備だ
今夜は、初めて食べる芋がらや味噌味のすいとんをこさえ、珍味フナみそも振舞ってくれる
どれも 自分にとっては珍しく、そして美味しい
乾燥モノを水で戻す 現在のフリーズドライのさきがけだ その知恵に感心する
本当に陽気で、楽しい方々だ きっと山に入ると、毎晩宴会三昧なのであろう
「水よりも、酒を多く背負っている」と大笑い
先ほどすれ違った、犬ヶ岳にピストンされた女性の方も戻ってこられた この方は金沢から来れれたそうだ
交え、今夜も馳走になる
単独テント山行が多い自分 ほんとうに陽気な時間を楽しませていただきました 『感謝です』
皆で屋上展望台から、今日歩いてきた山々を見る
「あの台形が犬ヶ岳」 『その奥が、朝日岳』 「その向こうの朝日小屋から歩きはじめたんだよ」
あらためて、今日の工程の長さを実感する

長かった今日の道程

明日は日本海だ
暗くなると、親不知ICの明りだろうか
麓の明かりがよく見える


明かりを消すとが襲来

5日目 2006/08/06 (sun.)
白鳥小屋〜坂田峠〜入道山〜親不知
行程;4時間10分  移動;3時間35分
『いざ、日本海へ!』
白鳥小屋 1287m 気象;ガス/晴 無風 気温;05:30=24℃
06:00出立
今朝はラーメンを作ってくれる また、馳走になる
朝食後は皆で小屋を掃除だ
「日本海でまた会おう」と【茨城の山岳会】の方々は、先に出立された
金沢の女性の方も 「坂田峠に車を停めてある」と皆さんと一緒に出立
自分は山からの日本海を観たかったので、しばらく小屋の展望台にて霧晴れ待ちするが、あいにく望はかなわなかった 1時間ほど遅れて出立する

『朝から、ぬかるんだ道を歩かさせられる』 と文句を言っても、山に入ってすでに5日目 もう、汚れがどうのこうの言える状態ではナイ
展望の無い道をどんどん下ってゆく
40分
シキ割 920m 気象;晴 気温;22℃
06:40〜06:50
急下りで、ストントとV字の狭い谷形状の場所に立つ
日陰でとても涼しい その底を少し歩くとシキ割だ
金沢の女性の方は 「シキ割の水は濁っている」と言っていた
今日は半日の工程 急な登りも無い 手持ちの水は必要分ある…
見ると、水量は言われているより多い
すくってみると、特に -見た目だけれど- 問題は無い
飲んでみる 『確かに岩場の水よりは、土の感はするが…』
一応、うがいや身体冷却用に別タンクに汲んでおく
結局、後の工程中にソレを飲んだ -自分は特に問題ありませんでした-

シキ割からは、左手に沢を抜け出る
35分
坂田峠 645m 気象;晴 無風 気温;28℃
07:25〜07:35
FOMA
金時坂は露根・岩がある長い坂
展望も無く、『坂』ではなく『ガケ』に近い急な箇所もある
が、そういった場所には鉄階段やお助けロープが設置されているので、
問題なく 順調に降りて行ける
金時坂を降りると舗装路と交差する坂田峠にでる
舗装路を横断すると、すぐに旧坂田峠だ
お地蔵さまと、登山道と交差する薄いふみ跡が、峠越えの街道を想わせる
お地蔵さまに手を合わせてから、森中を登り返す
35分
尾高山 6774m 気象;晴 無風 気温;28℃
08:10〜08:15
里山の森のような、なだらかな路を進む
この辺りになると、気持ちは『まだかな、まだかな』 と日本海を思い浮かべる
尾高山頂上手前、森の合間に海&親不知の港がはっきりと見えた
『もう少しかな』 木々で展望が閉ざされた状態なので、イマイチ距離、場所の感覚が乏しい

この辺りは 緩やかなup & downが続く

『海 Lock-on!』
35分
二本松峠 415m 気象;晴 無風 気温;26℃
08:40〜08:45
赤い鉄階段を下り、再び舗装路を横断する(515m)
ここから入道山に向かって 『また登る』
アルプスで100m登るのも、里山で100m登るの体力的には差ない むしろ暑かったり、道が悪かったり、展望を得られないと、里山の方が大変だ
スギの赤い幹が目立つようになる 枝は落とされてはいるが、植林されたものではない
20分
416mピーク 416m 気象;晴 無風 気温;28℃
09:10
入道山を越え、416mピークからは、やっと下るだけとなる
木々の間に海が見える 『いよいよだね -うん!』自問自答
ここで【茨城の山岳会】の方々に追いつき、先に行かせもらうが、
鉄塔の先でコースを誤り、鉄塔管理用路に踏み込んでしまう
すぐに気がつき戻るが、無駄なアルバイトだ
40分
栂海新道登山口 80m 気象;晴/曇り 無風 気温;30℃
09:50 下山〜10:00
FOMA
高度計の数字を読む回数が増す 下る斜度は登山口まで緩む事は無い むしろ増すぐらいだ
国道8号線を挟んだ、親不知観光ホテルの真正面に出た
ひさびさに聞いた車の音がとても大きく感じられる

『此処は、まだ海抜80m』 とりあえず、ホテルの自販機で喉を潤す
遊歩道で海岸に降りて行く 階段の先には待ち焦がれた『日本海!』
10分
日本海 0m 気象;晴/曇り 無風 気温;30℃
10:15 着水
サンドビーチに慣れている関東の人間には、石の浜は新鮮だ
さっそく水着に着替え泳ぐ
  -このために、山では不要な海パンをザックに忍ばせてきたのさ-
水温も火照った身体を冷すにはもってこいの温度だ      アブ注意

透明度は高い

日本海を全身で満喫
【茨城の山岳会】の方々も降りてこられた 一緒に泳ぎ、そして遊ぶ
親不知で、山の苦労を楽しかった思い出に代える海水浴 栂海新道を歩いた者だけが味わえる最高のデザート

みなさんは、ホテル前の駐車場に車を停めてある 『お疲れ様でした!』 
しかし、自分はまだ帰らない 『grappa  今日はヒスイ海岸に泊まろう』
に続く
翌日、富山から帰路につく
JR 急行能登/F 7時間 富山23:00→06:05上野〈¥8,930〉

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水タンク:2L+1L 9食+行動食5日分 (3食は馳走になる 下山後に食)
  コンロ(中カートリッジ*1)
  60Lザック(18kg)
  足元 ;軽アイゼン(未使用)
  手元 ;Wストック
反 省 体力  日頃、少しは身体を動かしているので、タカを括っていたが、この長丁場に暑さも加わって
予想以上に体力を消耗した
 今回は稜線部には残雪が豊富で、水に困る事はなかったが、降りるほどに水の計算が必要になった
高温時の山歩きは、想定以上に飲料の水が必要になる
また、フリーズドライ食品は戻すのに大量の水が必要となる
 -今回は、後半【茨城の山岳会】の方々に、ご馳走になりっぱなしだったが-
【やまびこ会】のリーダーの方は、その昔はパンを踏み潰し圧縮して山食にしたという 色々な工夫があるものだ
good 早出  連日、午前中は快晴-午後にガス-そして夕方にまた晴れるという典型的な夏山の天気
雨や雷には、会わなかったのは幸いでした。
 急げば、全工程の日数を短縮するコトも可能だろうが、それでは風景や旅を楽しめない
険しい箇所、景色の期待できる箇所は早朝 or 宿泊地で!
感 想 【海のものとも山のものとも】 当webタイトルにぴったりの山行でした
3000m級の北アルプスから、海抜0mの日本海へ続く栂海新道
吹き上げのコルを起点とするならば、大雑把に4段階に変化してゆく
吹き上げのコル
     〜黒岩山
 水に恵まれた、北アルプス最後の楽園
     〜犬ヶ岳  深山の稜線 スカイロード
     〜白鳥山  栂海新道の長さを身を持って味わうup & downの厳しい箇所
     〜日本海  日本海を夢見るばかりの里山
ヒトは水の流れのように,、海に向かって一気に下れる訳では無かったが、その分 さまざまな変化が楽しめる、すばらしいルートでした。 海に向かう分には、登山と言うよりも ロングトレール 『日本もまだまだ捨てたもんじゃない』
昨年、五竜の小屋でお話した地元のおじさん&おばさん 『後立山縦走・後半も楽しかったです。』
その、すばらしい栂海新道を切り開き、整備・管理されている【さわがに山岳会】の方々に感謝と、ロマンに拍手です。

 『山に来られる方はみんな良い人』は幻想であるが、今回 知り合った皆さんは 、ほんとうに好い人ばかりでした。
お世話になった 【やまびこ会】・【茨城の山岳会】の方々をはじめ、色々なお話をした皆さん 『ありがとうございました』
独り山行が多い自分に、多くの楽しみや、共感 そしてご馳走を与えてくださいました
とても素敵で豊かな時間をすごせました また、どこかの山でお会いいたしましょうね

【白馬の杓子と鑓】

【夏・朝日小屋】
クリックでこのページのトップへ戻ります
2006山のもの へ
山のものトップ
海のものとも山のものともトップ


Copyright(C)2007 Taro.S All Right Reserved.