山のもの ;海のものとも山のものとも
2006/04/21 up    
草津白根
草津白根スキー場〜逢ノ峰〜湯釜〜芳ノ平;往復
2006/04/18(tue.)
 単独.・(車中泊)+日帰り・山スキー 行程5時間20分 [行動時間 3時間]
雪中のJAZZ喫茶と外湯を満喫ツアー
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください

好天にさそわれて山に行きたいのだが、急峻な山は雪崩が心配... も浸かりたい... 『そうだ草津がいい!』 思いつきで出立する
 自宅→【碓井軽井沢IC/上信越HW】→R146→草津 4時間/約260km〈¥4,450;ETC〉
草津の街に入る手前に【道の駅】がある ここで車泊だ さすが湯の町草津 温泉の香りにつつまれてながら眠りにつく
06:30起床 まずは!西の河原大露天で朝風呂    詳しくはこのページ下の【楽しきもの ;草津温泉】から
笑っちゃうほど広大な露天風呂に独り浸かりながら今日のプランニング
すでに下部のスキー場は今シーズンの営業を終了しているし、志賀草津道路の道開けまであと2日ある
微妙な時期だ 下部の天狗山ゲレンデには、もうほとんど雪が無かった
『ツアーコースはあまり滑れない』 と判断する 湯から上がり車を殺生のロープウェイ乗り場に向ける
早すぎた 下のゲートはまだ閉まっている 除雪作業のための車が入るのを待つ
殺生駐車場 1550m 気象;晴+カスミ 西の風 気温;2℃
09:00出
DoCoMo
草津白根ロープウェイは9:00から運行〈片道;¥900〉 -ちなみにリフト1日券は春料金で¥2,000-
待ち時間に車のヒーターで髪を乾かしながら朝食を済ませる
僅かな乗り待ち客に仲間入り 半分がスキー・スノボーを持ち、残り半分は手ぶらな山見の観光の方々だ
ロープウェイ 20分 
白根山頂駅 2015m 気象;晴+カスミ 気温;6℃ 雪;ザラメ
09:20〜09:30入山
DoCoMo
ロープウェイを降りたらパトロールに登山届を提出
もう逢ノ峰のリフト&ゲレンデはクローズしているのでシールを貼りゲレンデを登る
今日はアイゼンピッケルを装備しないので荷が軽い
雪はザラメ状 表面は再結晶化し安定している 少しジグザグを斬りながら進む
向かいの本白根ゲレンデのリフトは稼動している あちらはコブコブのモーグルバーンになっているが土ハゲ個所が目立つ その向こうには本白根山も顔を出す

本白根ゲレンデ
シール
 15分 
逢ノ峰 2110m 気象;晴+カスミ 西の風 気温;5℃ 雪;ザラメ
09:50〜10:00
DoCoMo
最後は針葉樹の森を分け逢ノ峰へ
頂にはアズマヤがある 風をよけてくれるしテーブルが作業台のようでシールを剥がすのにうってつけ
今日は晴れているのだが春霞で遠方の視界は無い
気温が高い 短い登りですでに汗をかいた 中間着を脱ぎザックにつっこむ
ここから自分は湯釜に行きたいので白根レストハウスをめざす
上から覗くと北の夏道側は土がかなり出ているのがわかる
北西の斜面は美味しそうだ この斜面 まるでゲレンデのようなフラットなバーン
当然こちらを選択 雪はザラメ 気楽に気持ちよく滑れる
下部で左方向に斜滑する ちょっとかっこ悪いシュプールになってしまった

イタダキマス!

逢ノ峰の北西バーン 距離は短いがいい感じ
スキー→ツボ足
 15分
白根レストハウス 2010m 気象;晴+カスミ 気温;8℃ 雪;**
10:15
DoCoMo
志賀草津道路はすでに除雪を終え、明後日の春開きを待つばかりの状態
そのため道路の両サイドは雪の壁になっている 人の背丈以上あるので降りる(登る)のが大変だ
楽に降りれそうな場所を探す 舗装路に降りたら板を背負って乾いたアスファルトの上を歩く

レストハウス〜湯釜間の遊歩道
まさに発掘中 ユンボが雪をすくっている
ツボ足
 15分
湯釜 2065m 気象;晴+カスミ 気温;7℃ 雪;ザラメ
10:30〜10:50 山のホントの頂上は本白根だが、百名山ピークハンターではない私にとっては湯釜の方がはるかに興味アリ
板を担いで丘に登る 直径300mという湯釜の湖水が現れた
 それにしてもこの色は一体なんだ! 『西の河原露天風呂は、たしかにエメラルドグリーンの〜』と呼べた しかしこの色は...
周囲が荒々しい火口輪の姿をしているのとは対照的に『優しさを感じる色だな』と思う そして同時に、これが硫化水素による彩色ならば
 -詳しい成分は良く知らないが pH1.0というdangerousな値らしい- 『やはり危険なモノは美しい』とも思う
あえて例えるならば...いや、もうコトバはイイヤ。 私にはコトバはもちろん写真や絵でもこのスケールと色を表現することは出来まい
どんどん頭が空になってゆく ただただ眺める 光線の具合で少しずつ微妙に彩が変化していく もうもう見るだけで精一杯だ
スキー
 25分
湯釜の丘からスキーを履き芳ヶ平ヒュッテ目指し滑り出す
この辺の地形はちょっと地図を見ただけでは解かりづらい
緩やかな丘と水の道が重なり合っている 途中からスノーモービルの走跡に合流
風も無くお散歩気分 だだっ広い雪原を行く
滑ると言うより『とりあえず何もしないでも身体を運んでくれる』程度の斜度だ
この季節 白雪の原とはいかないらしい 表面には薄く砂や汚れが乗っている
周囲の稜線部は既に土を露出している が、思うにそれだけの影響ではあるまい
黄砂が影響しているのであろう 4000km離れたタクラマカン砂漠の砂がこの草津の雪原に舞い降りている
そう思うと、このやや黄ばんだ雪原にロマンを感じたり、中国の砂漠化を心配したり...

水釜方向の丘をスケーティングで登る
このあたりは特に硫黄臭 -温泉のそれではなく、もっと刺激性がある- を強く感じる
水釜の上方には熱によるものか、ガスなのか 空気の揺らぎが見える チョット怖い
ここから少し斜度が増す 芳ヶ平ヒュッテの三角姿が小さく見えてきた 逃げるように緩斜面を滑る
芳ヶ平ヒュッテ 1832m 気象;晴+カスミ 気温;7℃ 雪;ザラメ
11:15〜12:00
090-406-06855
DoCoMo
玄関で、でっかいワンコが出迎えてくれた この芳ヶ平ヒュッテは通常の山小屋とは少し趣が異なる
もちろん接続する車道など無く、自分の足を使わなければこられない場所なのだが、簡単にいうと個人の家・宿
だから一年中人が居て、真冬でも旅人に宿泊や食事の世話をしてくれる
業務的な山小屋の感はなく、すぐに知人のロッジを訪ねたような気分になれる
自分ひとりの客のためにオーナーがJAZZをかけてくれる
ガラス球のスピーカは大音量でなくても響きは -そう、音よりまず振動を感じる- けして機械や電子的ではなく、澄んだ温かみある音だ ライトアップすればオブジェとしても素敵だろう 『欲しい-』
ヒュッテ内装は木調のログハウス風 薪ストーブが〔チロチロ〕と暖を与えてくれ、壁には鑑賞に値する素晴らしい絵画が沢山架けてある ここを愛する芸術家さんの作品だそうだ
それらに包まれcoffeeを頂く 居心地のいい場所と時間
『この雪中のJAZZ喫茶にcoffeeを飲みにきたんだ』 充ちたりた気分

芳ヶ平ヒュッテ

ガラス球のスピーカ -興味深々-
オーナーの話では、まだ天狗山へのツアーコースもスキーで滑れるそうだ しかし車を殺生に停めた自分は来た道を戻らねばならない スキーシールを貼り芳ヶ平ヒュッテを後にする
来たときより少し霞が薄らいだ 渋峠や横手山が見えてきた
ヒュッテをだいぶ離れてもワンコの声が良く聞こえる きっと、視界不良の雪原で、あの声を目指したスキーヤーも多いのであろう

『よし 帰ろう』
 

渋峠
あの向こうは志賀のゲレンデ

湯釜の東斜面
誰もいない雪原の芳ヶ平自然遊歩道 -だと思う ほとんどはまだ雪の下-
お散歩気分とはいえ危険な個所が無いワケではない
今日は大丈夫だったが季節がもう少し進めばスノーブリッジになりそうな個所もあった 朝もパトロールの方に「遊歩道に沿って行ってください」と言われたっけ。

白根レストハウスを目指しシール歩きで進む
シ−ル
1時間
白根レストハウス 2010m 気象;晴+カスミ 気温;9℃ 雪;土アリ→ザラメ
13:00〜13:10
← レストハウス傍の雪の回廊
本当の雪壁回廊は渋峠の方にあり、そちらは掘って開いているのでここより高く、そして雪も綺麗であろう
今日は舗装路の横断に結構苦労した

逢ノ峰の登りは北斜面を登る事にした
下部は土が出ているため板を両手に持ち歩く
弓池はまだ雪の下だった

逢ノ峰 北斜面はもう雪が無い
ツボ足→シール
 20分
逢ノ峰 2110m 気象;晴+カスミ 気温;6℃ 雪;シャーベット
13:30〜13:55
『どうせシールを剥がすのだから』とまた山頂のアズマヤまで登る
頂下の林間部はうねりが多く直登りしずらい ジグザグに進みアズマヤに到着
今度は自分でcoffee
を点てよう 山で喰う【ビッグカツ】はウマイ

駄菓子ばっかりの行動食

 

四阿山は春霞につつまれて
湯釜方面の景色 逢ノ峰山頂から
山頂からの景色 朝より霞は薄くなったが、残念ながら北アルプスはおろか志賀の山々もはっきりとは見えなかった
だいぶ水分を吸ったシール、水をきってから剥がす

スキー場まではクローズしたゲレンデではなく左側の林間オフピステを滑る
こちらのザラメは今日の気温で解けてしまったようだ やや重いシャーベットクリームになっている
パトロール室に寄り下山報告する
ゲレンデの振り子沢コースは雪崩の危険があるためクローズされている
最初の壁のコブを楽しみすぎた ハノ字登りで清水沢コースに入る
スキー
 5分
白根山頂駅 2015m 気象;晴+カスミ 気温;10℃ 雪;シャーベット
14:00〜14:05
だれもいない長い清水沢コースをクルージング
上部のゲレンデにもほとんど人は居なかった
滑り降りるほどに気温が高くなるのを身体に感じる
ゲレンデの雪はもうだいぶ水っぽい
今日の気温の高さは特別なのでしょう
ターンすると水上スキーのようにしぶきがあがる

眼下に草津の町が見えてくる
道路を渡る場所ではいったん板を脱がなければならない
スキー
15分
殺生駐車場 1550m 気象;晴+カスミ 気温;15℃
14:20下山 初夏の熱さのを感じる駐車場で後かたずけ
自分の車の横に渋い単車(Kawasaki W650)が停まっている 『ツーリングかしら?』と思っていたら、おじさんスキーヤーが戻ってきた 聞くと埼玉からいらっしゃったと言う
スキー板を単車に固定して! 『ス・テ・キ』 春スキーならではですね

さあ、次は草津の外湯巡りだ!

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水タンク:1L 1食+行動食1日分
  コンロ(中カートリッジ*1)、ツエルトシート
  30Lザック(5.5kg)
  足元 ;山スキーセット+兼用靴
  手元 ;Wストック
good やはり 天候ですね。 自分の能力、モチベーションではこれにつきます
ザラメ雪 春になり雪が緩みザラメ雪になると、初心者の私は安心して楽に滑れる
まして今回はあまり登らずにすぐ滑ることが出来たし、軽荷なので体力的にも楽だった
感 想  思いつきで気楽に行った割には満足できる雪山行でした
まずは湯釜 自然はこのちっちゃな島国にとんでもないものを造った 自分の考えをはるかに越えている
 芳ヶ平ヒュッテもすばらしかった 居心地のよい山のオアシス&秘密基地
ただそう思えるのは訪れる我々客であって、運営している家族の方々は -うらやましい反面- 大変な苦労があるのは容易に想像がつく 『本当にありがとうございます』 今度はもっと雪の多い時期に宿泊したい そうすればディープパウダーの白根山や渋峠そして芳ヶ平のツアーコースも滑れる -かもしれない- ワンコと雪原で遊ぶのもいいな
 そして下山後の草津温泉 観光スレしていると言えばそれまでだが、草津の湯はそのぐらいでは涸れない力強さと魅力を感じた やはり何度でも訪れたい温泉町だ
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