山のもの ;海のものとも山のものとも
2007/01/06  up 
四阿山
あずまや高原ホテル〜四阿山 ;往復
2006年12月31日(日)〜2007年1月 1日(月)
 単独.・(車中泊+)テント泊2day・山スキー 行程6時間40分 [行動時間 5時間45分]

四阿山(アズマヤサン)で年越し
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです
 あくまでも参考としてください
省略記号図
の写真はクリックで拡大します
文字が安定しない場合は、お手数ですがフォントサイズを【中】としてください
 自宅→【東部湯の丸SA/上信越HW】 4時間30分/約240km
菅平高原は、長野でも冷えこみがキツイ地域 今夜は山には上がらず 高速のSAで車泊する
2006/12/31(sun.)
あずまや高原ホテル〜四阿山 ;登り
行程4時間45分 [行動時間 4時間05分]
四阿山 平面略図 四阿山 標高略図
06:30起床 SAで朝食とシール貼りを済ませ、車を山に向け走らせる
道に雪は無い あずまや高原ホテルに登って行く林道になって、はじめて圧雪道となる
【東部湯の丸IC】→【上田菅平IC】→あずまや高原ホテル  40分/約20km〈計¥5,250:ETC〉
登山者駐車場 1435m 気象;晴/曇り 無風 気温;-5℃ 雪;ナシ→Light
08:30出立
FOMA
あずまや高原ホテルが管理している登山者用無料駐車場に車を入れる
ホテルのフロントに駐車場を利用させてもらう旨を伝えると、マネージャーの方が「お気をつけて、いってらっしゃいませ」と丁寧に声をかけてくれる 『恐縮デス。』
『さてっと…』 今回は“雪山での年越し”なのでテントやら、食料やらの大荷物を背負う
ホテルの先の道にも、雪が乗っていない 登山届をポストに入れ、板を担ぎながら林道を歩く
登山届は提出しましょう
登山届ポストは、ホテルの横
雪無いし〜
ご覧の通り 雪は少ない
ツボ足→シール
15分
登山道入り口 1485m 気象;晴/曇り 無風 気温;-5℃ 雪;Light +Bush
08:45入山
“キツネコース”と表示の有るY字路を右に入る頃、道に雪が乗ってきた 板を履く
四阿山のカンバンがある牧柵を、右から抜け樹林の中を進む
トレースは沢山あるが、スキーのモノは少なく、ほとんどスノーシューのようだ
場所によっては雪床から笹が出ている 『帰りは滑れないかな〜』
水色の四阿山のカンバンがあります
シール
15分
牧場口 1565m 気象;晴/曇り 北西風 気温;-8℃ 雪;powder on ice
09:00
樹林帯を抜け、広大な雪原 -夏は放牧地- に出る
もっと雪が乗れば牧場内を斜めに抜けられのかもしれないが、あいにく今は少雪、土やブッシュが出ている
鉄条網を左側にして、分岐のT字路を目指して丘を登って行く
広々している分、風が強い 後方には浅間山
シール
15分
T字路 1605m 気象;晴/曇り 北西風 気温;-9℃ 雪;powder on ice
09:15〜09:20
分岐の牧柵は閉じていた めんどくさく板を外して乗り越える
T字路を右に折れれば、白い雪原の真中を緩やかに登って行く一本道
あいにく路の先に有るはずの四阿山は、雲の中で姿を見ることは出来ない
しかし天候は回復傾向だし、なにより今日は風が弱いコトに感謝せねばならない
エビの尻尾気味です
樹霜(ジュソウ)
牧場の中の一本道
あの雲の中に四阿山
風が強い場所であることを物語る
ウインドシュカブラ
シール
35分
牧場端 1655m 気象;晴 無風 気温;-5℃ 雪;Trace
09:55〜10:05
牧場端から樹林帯に入ると 風音が消え静か そして暖かい
拝見させていただいた各webには、ここまでの雪原を地吹雪状態で進行した記事が多かった
『今日の微風でも、こんなに此処が静寂に思える 強風時であれば、なおさらであろう』 荷を降ろし小休止する
ほんとうに、境界線
牧場と樹林帯の境界線
ここを境に、音も気温も道も大きな違いがある
これはマスカット味
ハイドロレーションシステム
氷結して役立たない際には
ゼリー飲料がgood
シール
35分
1800m広場 1800m 気象;晴 無風 気温;-3℃ 雪;Trace +Bush
10:20
1800m広場で、中四阿周りで四阿山頂に到るルートと、直接 頂を目指すルートに分かれる
丁度雲が飛び、その中四阿に向かう尾根が見えてきた
此処にテントが一張 3〜4名は入れるサイズだ 人は居ない 山頂アタックに向かわれているのであろう
自分も頂上を目指そう 
里宮の先1900m辺りから斜度が増す
先行者はスノーシューのようだ 笹が顔出すトレースは深く刻まれている
かといって、周囲は木の密度が高い 『ここも滑って降りられないカモ』
どんどん晴れてきます
小四阿が見えてきた
里宮
里宮
膝深サぐらいある
深く刻まれたトレース
シール
40分
2030m地点 2030m 気象;快晴 無風 気温;-4℃ 雪;Trace +Bush
11:00〜11:05
『直登りのはずなのだが…』 トレースが左に捲き始めた どうやら尾根沿いルートはアイスが多いようだ
自分も先行者に習う 樹林の切れ間で、雲上の北アルプスを観る
路は樹林帯の軟らかく深い雪と、無木立帯の風で氷板化した道が交互に現れる
向かいの中四阿の尾根 あちらは無木立のオープンフェイス。登るのも滑るのも楽そうに見えるが、険しい稜線もあるし、こちらの状況からしても、風とアイスバーンのWパンチであろう
on click! 霧氷 on click!
シール+クトー
25分
2100m地点 2100m 気象;快晴 気温;-6℃ 雪;Ice
11:30〜11:40
広い無木立帯の斜面に出る 中四阿からの尾根が合わさる場所に近い
大回りだが、トレースがあったほうが登りは楽だ
ここは風が抜ける さほど強風ではないが、汗をかいた身体が一気に冷えてしまう
でも、尾根越しの北アルプスがすばらしい しばし動けない
斜度が増し、アイス気味 on click! on click!
再び樹林帯に入ると、斜度が増し、またも樹木の密度が濃い 頭上の枝にザックが当り、進行を妨げる回数が増す 山スキーを履き、大荷物を担いだ状態での中腰姿勢 『なんと辛いことか!』
一度、どうしても越えられない段差で板を外す とたんに腰まで沈んだ
シール+クトー
25分
高層雪原 2200m 気象;快晴 気温;-6℃ 雪;Trace
12:05〜12:15
ここを登れば、後は楽でした
もう少しで〜
2170m辺りで樹林帯を抜け、凍った丘を登ると、広い雪原-標高2200m-の高層雪原帯に出る
ここで、やっと四阿山の頂部を拝むことができた
すぐに、根子岳からのルートも合わさる
今日は本当に風が弱い 展望を楽しみながら進める
最初の雪原が終わる頃、対向からスノーシューの登山者が降りてきた
3名の方々は、やはり1800m広場でテントを張られていた方達だ
みなさん今日の穏やかな頂上を満喫した笑顔を魅せてくれる
昨夜はテントで忘年会だったそうだ 今日はこのまま下山すると言う
トレースのお礼を言って分かれた 『これで、独りで年越しだ』
on click!
『頂だ!』
雲も綺麗
四阿山
幕営地探し
シール+クトー
45分
2330m地点 2330m 気象;快晴 無風 気温;-7℃ 雪;Trace
13:00着
FOMA
小さい窓状の箇所を越えれば、あとは真直ぐ頂上への稜線が延びている
『さて、今夜は何処に泊まろうか!?』
雪が多ければ『雪洞で年越しヲ』と思っていたが、ちゃんとした雪洞を掘るには雪不足のようだ

テントを張る場所を探しながら稜線を登る
今日・明日は移動性高気圧内の安定した天候 風雪の心配よりも、平らでロケーションの良い場所を探す
頂上まであと25mの地点で丁度良い場所を見つけた
正面に浅間のロケーション on click!
床固め、防風壁、グローブ着用、水作りの用意… 雪中でのテント設営には時間がかかる
無雪期の倍ほど時間がかかってテントを張った
coffeeを点て、今日の行動食の残りを食べる

頂上は目と鼻の先、『もう少し日が傾いてから登りましょう』
時間がある スケッチするも、水はすぐに凍りつく とりあえず着色はせず、下描きまで
ツボ足
往復15分
四阿山 2354m 気象;快晴 無風 気温;-8℃ 雪;Light
15:00〜15:30
FOMA
テントを張った場所から、10分もかからず頂を踏める
四阿山は“吾妻や”であり、“あずま屋”である その頂上には信州側と上州側の2つの祠が建つ
神聖な頂上に遠慮し、三角点は頂上から少し離れた2333mの地点にあるそうだが、そこは雪リッジの先なので、踏み込まなかった
四阿山 山頂
2つ祠が建つ頂上
上州側を向いています
手前が上州祠
信州側を向いて
奥が信州祠
その日の最後の青の時間帯
光線の波長の関係か、雪は輝きと深みのある白となり、空の青も、山の青も濃淡が出る素敵なColorsとなる
そのColorsは、カメラを通すと一段と強調される
現在の火山活動レベル1 前掛山まで行ける
浅間山(2568m)北側
冬とは思えぬ穏やかな頂
頂上の雪は柔らかい
左奥には岩管山(2295m)
草津・万座のゲレンデがよく見える
on click!
Deepな蒼
麓から見ると同じぐらいの高サに観えるのだが…
根子岳(2207m)
昨シーズン、あそこから自分の雪山が始まった
テントに戻る 暗くなるまで時間がある 『雪洞は無理でも、かまくらシェルターなら.…』
雪山では、雪洞作りは【必修科目】だそうだ 独りで作ると、どの位いかかるのか見当もつかない
昨シーズン、御嶽で雪洞体験をしたが、あの際は既にあった雪洞を利用させてもらった
『やってみましょう』 道具はシャベル一本
雪はサラサラで軽いが、その分結合力が弱い 積んでも積んでも叩くと小さくなってしまう
こりゃ重労働だ 1時間以上熱中してやっと、独り用かまくらシェルターが完成した
もし残っていたら使ってください
Abendorot色 出来上がったかまくらが夕陽に染まっている
すでに青の時間が終わり、赤の時間だ
そして、変わりの色 紫の時間へと進む
四阿山の頂も、月の輝きはじめた空を背景にアーベントロート色に染まる
時は、ゆっくりであり、あっという間でもあった
on click! after sanset
鰊(ニシン)蕎麦です ラジオで天気予報を聞きながら、年越しソバ
『ほ〜っ 温かい食べ物は美味しいな〜 幸せ!』

22:00 [ドーん]  足の下に花火の球が開く
菅平スキー場の年末行事だそうだ
-10℃以下の空気で開く花火は[きりっ]としている

外は寒いが、風は無い
コンロを使う際には、テントの出入り口を開けられるほどだ
雪山で独り 静かなる大晦日の夜を過ごす
雪行灯も作りました 結構、明るいです

2007/01/01(mon.)
四阿山〜あずまや高原ホテル ;下り
行程1時間55分 [行動時間 1時間40分]
6:00起床 『あけましておめでとうございます』 自分自身にか、この四阿山にか、はたまた携帯の目覚ましにか、、、
テントの出入り口を開け放つ
『うひょ〜 寒み〜』 -17℃の外気に顔を洗われ、一気に目が覚める
しかし、今日も風弱く -ナント南よりの風-、雲も少ない これなら初日ノ出も楽しめそうだ
年明けのcoffeeを飲みながら、明るくなるのを待つ
ツボ足
往復15分
四阿山 2354m 気象;快晴 南東風 気温;-14℃ (07:00) 雪;Light
06:40〜07:20
あけましておめでとうございます 『そろそろ』と言う時間に頂上へ
06:50日ノ出 初日の出と言うよりも、雪山での日ノ出を観られることにありがたみを想う
そして初詣 信州、上州 どちらの山も登るから両方の祠を詣でる
しかし、信州祠の日本武尊&弟橘姫 上州祠の大己貴命&須勢理姫命 『どちらもラブラブな神様だな』  -祭神については諸説アリ-
『すごいゾ すごいゾ』
陽が昇るにつれ北アルプスがモルゲンロートを受ける
下地が白の頂は燃えるように輝iいた
槍穂 後立山 妙高 みんなだ
元旦の朝に、この展望 『なんて幸せ者なんだ』
しかし 『今日、北アルプスに入山されている方はもっと幸せ者だ!』
本物は、もっと綺麗です
on click!
後立山連峰
大切なモノを大事に仕舞ってテントに戻る
今日はホテルの温泉が開く11:00以降に下山すれば良いのでノンビリ過ごす
赤いのはサクラダイコン やはり、舌が赤くなる
お雑煮とおせち&お酒で正月気分に浸る
重たい荷を担いできた甲斐があります
これはこれで、旨いのですが…
テント内でも日本酒がシャーベット状
『氷点貯蔵だ〜』と喜んでもいられない
日本酒の氷点は約-15℃_.
昨夜は風が無かったのにダ!
2330m地点 2330m 気象;快晴 南東風 気温;-8℃ 雪;ice or Light
09:30出立
水分はすべて氷結し、サラサラパウダーなのでテントの撤収はスムーズに完了
『この荷物で転倒したら、立ち上がるのは大変だナァ』 無理をしない心構えで滑りだす

窓部は板を横にして越える
氷の細かい凹凸にひっかけて滑ってます on click! on click!
肩ノ広場の緩斜面 北アルプスを横目に滑るが、エッジの跡が残らないほど硬いアイスの箇所が多く、あまりヨソ見は出来ない
スキー
20分
2200m〜 ****m 気象;晴/曇り 無風 気温;**℃ 雪;ice or Light +Bush
9:50
登ったルートとは異なり、牧場に続く真直ぐな尾根沿いを滑るが、やはりアイス
そのうえ、上からでは解らない“雪では無いモノ”を幾度も踏む 何かに引っかかり転びそうになる
『あぶね〜』 逃げ込んだ樹林帯 今度は雪が深すぎて、木が濃い
荷物のせいで、連続して滑るのがつらい ゆっくり立ち休み&先を見ながら降りる
上からでは解らない
こういった、スキーで登ってよかったと思える斜面は少なかった
good slope こうなると、スキーは小回りが利かない
木に囲まれ階段降り
板を外した箇所もあった
落ち着く為に一服
『ぶぅ〜』
登るより大変だ
スキー
30分
1800m広場 1800m 気象;曇り/晴 無風 気温;-4℃ 雪;Light +Bush
10:20〜10:35 アイスバーンと木々の密集、そしてブッシュに苦しみながらなんとか滑り降りてきた
広場で荷を降ろし大休憩する
リペアしなくっちゃ』 脱いだ板の裏を見ると傷が付いている
気持ちよく滑るには、もっと雪が積もらないとダメなのね…

牧場に出る間にも[ガリッ]っと、また異物を踏んだ
スキー
15分
T字路 1525m 気象;曇り/晴 無風 気温;-4℃ 雪;powder on ice → Light +Bush→ナシ
10:50
吹き溜まりはpowde 帰りは放牧地内 登山道沿いの吹き溜まりを滑らさせてもらう
ここは緩斜面だが、パウダーで気持ちいい
昨日、板を外して越えた牧柵もスルー出来る

ここはキレイな箇所
しかし、帰りの樹林帯 やはり笹が滑りの邪魔をする
笹がうるさい箇所やホテルの手前はツボ足で下山
スキー&ツボ足
20分
登山者駐車場 1435m 気象;曇り/晴 無風 気温;0℃
四阿温泉
道具を整理し、あずまや高原ホテルの温泉へ
深い山の中に1軒だけ建つ、落ち着いたリゾートの風格がある素敵なホテル
ここに宿泊して、のんびりと浅間山でも描きたいものだ。
登山や外来入浴の者も快く迎えてくれる
とても素敵なホテルです
あずまや高原ホテルとブルーアイスのオブジェ
極楽温泉
お昼なので、貸切状態でした
『はぁ〜 極楽、極楽』
好天の雪山で年を越し、元日から露天風呂に浸かりながら、雪衣の浅間山を愛でる
弱アルカリの温泉は、 刺激性の無い軽い肌触りの湯でした

湯上りに真田十勇士の切り絵を観て“辻村ジュサブロー・ワールド”を懐かしんだ
11:10戻り
 今日は元旦 道もガラガラだ
 四阿温泉→【上田菅平/上信越HW】→自宅 4時間/約260km〈¥5,800〉

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水 - 1.0L
   3食+行動食2日分
  テント、シュラフ、コンロ(中カートリッジ*1)、シャベル
  60Lザック(17kg)
  足元 ;山スキーセット+兼用靴
  手元 ;Wストック
反省点 滑る  滑りだけで視ると、今回の四阿山はスキー向きではなかった。
スケートリンクのような上部、樹林や異物が多かった中間部、斜度の足りない下部
自然相手のバックカントリーなので、誰にも文句は言えないが、あまり気持ちよく滑れる場所は少なかった。 もっと雪が付かなければ、四阿山での山スキーは楽しめないようだ
 心配した大荷物での滑り。
危うい場面でも、なんとかリカバリー出来たが、連続して長時間滑るのは、やはりキツイ…
good 雪中泊  なんと穏やかな大晦日&元旦だったのでしょう。 天候にも恵まれて、雪山で無事テント泊できました。
“沈む夕陽でシルエットになる槍穂” “モルゲロートに染まる後立山連峰” 美しかったです。
今回を経験として、次へのステップにつなげましょう。
感 想  自分の雪山行はスキーで滑る事が第一ではナイ。
今回スキー板は、多くの時間が雪上で浮くための道具だった。
単独&自分の技量で安心・安全に滑れるのは、やはり春になってからだと言う事を実感しました。
『でも、雪山に入りたい…』 わかんやスノーシューでの山行も楽しそうデスネ!
sunset
【 The last colors of 2006 】
sunrise
【 The fast colors of 2007 】
クリックでこのページのトップへ戻ります

2007山のもの へ
山のものトップ
海のものとも山のものともトップ

Copyright(C)2007 Taro.S All Right Reserved.