2007/02/27 up |
大菩薩嶺(大菩薩岳)
裂石〜丸川峠〜大菩薩嶺〜大菩薩峠〜日上川峠〜裂石
2007年 2月21日(水)
単独・1Day・スノーシュー |
春不遠 ボヤボヤしてたら雪が無くなっちゃう! 行程;6時間45分 移動;5時間35分 |
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください
この冬は例年に無い暖冬でした
はクリックで拡大します |
|
自宅→【勝沼/中央HW】→裂石登山口 3時間/約160km〈¥1,800・ETC〉 |
|
一昨日、太平洋沿岸を低気圧が進み、関東は雨 標高の高い山は雪になった
明日は晴れそうだ 今年は暖冬なので『ボヤボヤしてたら雪がなくなっちゃう!』 夜中に荷造りして出立する |
|
裂石駐車場 |
|
1030m |
|
07:15 入山 |
気象;晴 無風 |
気温;2℃ |
|
|
塩山の町を過ぎて山に向かう路 夜明前&かかった雲で、山の状況は目視できなかった
冬季、林道裂石嵯峨塩線は車両通行規制のため裂石(サケイシ)ゲートが入山口となる |
|
整地された駐車場には、車が1台停まっていた 同じ“千葉ナンバー”だ
既に人は居らず、山に入られているようだ。
駐車場の周辺には、雪なぞ皆無で春山の様相
一応、スノーシューを持って駐車場の奥から続く林道に踏み出す
最初は名の通り、裂けた石がゴロゴロしている“みそぎ沢”沿いの道を行く
・トイレは霊峰寺前に有りました |
|
15分 |
ツボ足 |
|
丸川峠登山口 |
|
1140m |
|
07:30 |
気象;晴 |
気温;2℃ |
|
|
登山道に入り、道に斜度が付く
昇った陽は、まだ山の裏側&樹林も濃いため、稜線の状態はハッキリとは見えないが、どうやら雪はかなり少ないように診える
ザックに縛ったスノーシュー 『ただの重しになるのかなぁ』 |
|
45分 |
ツボ足 |
|
1500mノ頭 |
|
1500m |
|
08:15 |
気象;晴 |
気温;4℃ |
|
|
1350m辺りで一旦平らになり、その先しばらくは両脇を木々に覆われた、やや痩せた尾根の上を行く
朝の光線が稜線を回り込みだした この辺はまだ広葉樹林帯なので、裸樹の高い箇所が輝く
1500mノ頭を過ぎると、足元には時折白いモノが混じってくるが、雪というより氷だ |
|
|
|
|
|
30分 |
ツボ足 |
|
丸川峠 |
|
1680m |
|
08:45〜09:00 |
気象;晴 |
気温;5℃ |
|
|
そうこうしているうちに丸川峠が近づいたようだ 道は平らになり、両脇には高山植物保護のロープが張られている
雪深サは15cmぐらいになった しかしトレースがしっかりとあるので、足が沈むことは無い |
木々もススキも凍結していた |
丸川荘 |
木地蔵と大師像 |
今日は平日なので、峠にある山小屋:丸川荘には誰もおらず、ひっそりとしている 峠ノ茶屋のような小屋 いい場所だ
休憩しながら、『この先は雪が多く残る路だそうだ せっかくだからスノーシューイング!』 ザックからスノーシューを解き装着する |
|
|
|
小屋の前を抜け、夏なら高山植物園になるような開けた斜面を登りだす
結構雪が乗ってきた しかし、水分がめちゃくちゃ多い重雪だ しっかりトレースはあるので、軽アイゼンでも充分歩けるのだが、
スノーシューを履いてしまったテマエ、なるべく踏まれていない雪を選ぶ 〔ジュボ〕といった踏み応え 『重い…』 |
『ウッ冷〜』 襟足に木から落ちた雪が入った
今年の異常暖冬のため、本来まだ針葉樹に乗っているはずの雪が、陽が当たって融けだし〔ボタボタ〕と雫を落としている
道には、その凹跡が沢山出来ている そして夜間、日中に路に零れた水分は氷結してしまう
登山者にとっては悪循環なコトに、土の近い場所の雪や氷は解けるのが遅い
登山道は頂に続く尾根の北側にが附けられているので、トレースの無い場所の雪はスネ深さになる |
やっと、スノーシューイング |
巣箱が架けられていました |
針葉樹の合間に鍋形の頂 |
|
1時間30分 |
スノーシュー アイス / 重雪 トレース / スネラッセル |
|
大菩薩嶺 |
|
2057m |
|
10:20〜10:25 |
気象;晴 無風 |
気温;4℃ |
|
|
大菩薩嶺とも、大菩薩岳ともいう頂
展望が無く、うっかりすると通りすぎてしまう人もいるらしい
たしかに木々が多く展望は望めないが、針葉樹中心の原生林に覆われていて、そんなに悪い頂でもナイ |
|
|
5分 |
スノーシュー 重雪 トレース |
|
雷岩 |
|
2040m |
|
10:30〜10:55 |
気象;晴 無風 |
気温;5℃ |
|
|
大菩薩嶺から少し下ると、すぐに雷岩だ
此処からは明るい稜線歩き 西側はササ床の斜面 展望が広がり、富士山も…
『あれ〜』 富士山の方面だけ厚い雲が出ている 丸川峠ではあんなにクッキリハッキリ見得たのに、今は山裾さえ見えない
『ちぇ。 ならば南アルプスの展望が有るさ… あれまぁ〜』
南アルプスにも春のような霞が かかり出している 残された時間で好く観ておこうと雷岩に座りこむ |
|
|
|
此処はこんなに青空 |
しばらくすると、自分が登ってきたのとは反対:大菩薩峠の方から、お兄さんが上がってきた
話をすると、やはり駐車場に車を停めていた“同郷:千葉ナンバー”の方だった
お兄さんは大菩薩峠から丸川峠へと、自分とまったくの逆周り
いくら百名山とはいえ冬の平日 『奇遇ですな!』
お兄さんは大菩薩には何度も訪れているそうだ 「今年は雪が少ない」という
自分も真っ白な稜線を期待してきたのだが、、、それは次回の愉しみとしておきましょう |
|
15分 |
スノーシュー アイス / 重雪 / 岩 トレース |
|
賽ノ河原 |
|
1935m |
|
11:10〜11:15 |
気象;晴 無風 |
気温;5℃ |
|
|
登山道外には雪はほとんど無く、登山道にも岩場が混じる
岩は濃い色の肌に陽を浴びて、融解装置の機能を果している
『外そうかな』 小回りが利くスノーシューだが、さすがに辛い箇所もある
|
|
現在、賽の河原と言われるこの場所が旧大菩薩峠
正規の甲州街道を行けない者の裏街道だった
片岡千恵蔵や市川雷蔵が剣を振るった舞台も此処だったのかもしれない_
綺麗な無人小屋が建つコル部から親不知ノ頭への登りは、吹き溜まりのようで
雪が深くなりスノーシューが活躍する -なんて短い距離だ-
丘のような親不知ノ頭 この先も また岩場が在るが、先の大菩薩峠、さらに先:右下の登山道には
結構雪が視える 『無理して』スノーシューイング |
|
|
20分 |
スノーシュー アイス / 重雪 / 岩 スネラッセル / トレース |
|
大菩薩峠 |
|
1897m |
|
11:35 |
気象;晴 |
気温;4℃ |
|
|
|
現在の大菩薩峠が近づくと、小説大菩薩峠の作者;中里介山の石碑が建っている
ちょっと先に同じ趣旨の新しい石碑が建ち、峠の介山小屋は開いていないが、
新しいトイレ兼屋根付きの休憩小屋も建っていた…
先ほどのお兄さんがおっしゃっていたように、休日はこの美しい稜線が長蛇の列となってしまうのかしら? |
旧 新 |
泊はNG |
|
25分 |
スノーシュー アイス トレース |
|
勝縁荘 |
|
1700m |
|
12:00〜12:10 |
気象;晴 |
気温;6℃ |
|
|
峠から先は数センチの雪氷 浮くためよりも、滑らない目的でスノーシューを履き続ける
硬くなったトレースを踏みながら、登った路よりはるかに緩い坂を下って行くと勝縁荘(ショウエンソウ)に到る
現在この山小屋は、夏期を含め通常営業はしていないそうだが、山小屋というよりも“寺房”のようなたたずまいだ
奥には中里介山が大菩薩峠を執筆したと言う三界庵が残っている 簡素な建物が、いかにも文豪が篭ったという雰囲気。
でも、約30年間:全41巻の長編 こんな山の奥地では、当時の編集者は苦労したのでは!? |
この山;大菩薩嶺は、前記の小説:大菩薩峠や樋口一葉の養家に近いなど、何かと文学的要素がある山だそうだが、
どちらも自分には古すぎる。 大菩薩峠は・・・さすがに読む気になれない
ここからしばらくは、コンクリート敷きの道になる 酷使したスノーシューを脱ぎ、姫湯沢の橋を渡る |
|
|
|
福ちゃん荘からは車道と登山者用歩道に別れるハンノキ坂だ
雪が無ければ当然歩道を行くのだが、今日は平日だし、車道は“黒い”アスファルト敷なので、ワダチの部分の雪はすっかり融けている
しかし、ヤッパリ森中の歩道を行くことにした 標高が下がった為、再び広葉樹が多くなる
時々 大きく見上げる木がある 青空の下で枝が複雑な曲線を描き、春を喜ぶかのように踊っている |
|
25分 |
ツボ足 アイス トレース |
|
上日川峠 |
|
1600m |
|
12:35〜12:55 |
気象;晴 |
気温;7℃ |
|
|
夏ならココまで車で来られる上日川峠(カミニッカワ)
山小屋:ロッジ長兵衛が開いていたので、Coffeeを頂きながら小屋番のおじさんに山の状況報告をする
「日曜に降った雪が水ぽかったんだよ 今年は平年並みに降ったけれど、すぐに融けちゃうノサ」 |
|
大菩薩嶺でヒマラヤの紅塩をお土産にする
まろやかで美味しいsolt |
シジミのような |
|
やはり出ますか |
ロッジの薪ストーブが素敵だ ストーブとCoffeeで温まりながら燃料となる薪について訊ねてみる
「雑木が主 スギやマツの針葉樹はヤニの油分があるから、着火性が良く火力も強い が、すぐに燃え尽きてしまう。
反面、ブナなどの広葉樹は火力では針葉樹に劣るけど、長時間燃え続けるので火持ちがいい 両方を使い分けるんだ。
クリは燃えにくいし、硬くて割るのも大変なんだ。」 |
|
50分 |
ツボ足 アイス→無雪 |
|
大菩薩峠登山口 |
|
1090m |
|
13:45 |
気象;晴 |
気温;8℃ |
|
|
|
上日川峠の先 すぐに雪は消えた
足元に使っていた気を周囲の木に向ける
ブナの木も多いが、ほとんどは雑木の原生の森だ
ロッジで薪の話を聞いたので、雑木とはいえ一際美しく思える
捩れて絡まっていたり、斜面から斜めに生えていたりと千差万別の
形容で見飽きない
|
|
ケルトの民をはじめ、かつて世界中に【樹への信仰】があった
樹の一本ゝにそれぞれの精霊が宿り、人々の傍で一緒に暮らしていた
日本の【樹への信仰】は、木霊(コダマ)。
その盛期は、森での狩猟が生活の中心であった縄文時代であろう
こうやって、独りで異型生物のようにも見える樹に囲まれていると、その気持ちが少しは解る
|
登山道に転がり出た岩が目立ちはじめば大菩薩峠登山道口まで一息だ
登山道口からは千石橋を渡り、再び車道の横につけられた歩道を行く
再び車道と合わされば駐車場も近い |
|
15分 |
ツボ足 |
|
裂石駐車場 |
|
1030m |
|
14:00 |
気象; |
気温;14℃ |
|
|
|
駐車場で山行の片付けをしていると、頂上でお会いした“千葉のお兄さん”が下りてこられた
『お疲れ様でした』 凍った雪の下山路を語りあう |
|
10分 |
|
|
大菩薩の湯 |
|
|
雲峰寺を拝観し、大菩薩の湯に浸かる
無臭・無色の湯に浸かっているだけで角質がポロポロ 高アルカリ性の湯ためか、山行直後のせいなのか...
|
|
|
湯から上がっても、まだ陽は高い 『風林火山ついで』 と、信玄の菩提寺;恵林寺に寄る
→ |
|
|
【大月/中央HW】→自宅 3時間30分/約140km〈¥2,800〉 |
|
|
天気図 |
この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております |
装 備 |
水:1.5Lハイドロレーションシステム 1食+行動食1日分 食は未使用
ツエルト、コンロ(中カートリッジ*1)
30Lザック(6.5kg)
手元 ;Wストック
足元 ;スノーシュ or 雪靴 軽アイゼンは未使用 |
反 省 |
スノーシュー |
ツボ足で充分、軽アイゼンで安心&最適の状態だった 凍ったトレースは凸凹で、スノーシューでは歩きにくい
無理やりスノーシューを履いたまま歩いた岩の箇所もあった
耐久テストじゃあるまいし |
good |
原生の森 |
原生の森はとても静かでした
雪も葉も無い枝や太い幹が描く螺旋や曲線に魅了されました |
感 想 |
標高2000m もう少し雪が残っていると思われたが、やはり今年は異常的暖冬
春不遠 -ハルトオカラジ- 残念ながら山はすっかり春への衣替が終わっていた
いつかは、真っ白な“あの稜線”を観てみたい |
【 春ダ! 春ダ!
|