07北アルプス ジャンダルム ;山のもの
2008/03/19 up    
北アルプス ジャンダルム
旧中ノ湯〜中ノ湯ルート〜焼岳〜西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳
〜北穂高岳〜涸沢〜横尾〜上高地
2007年 8月14日(火) 〜16日(木)
単独 ・ 縦走 ・ テント ・ 前泊 + 二泊三日
行程;24時間10分 移動;19時間
ジャンダルムを越えて
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください
省略記号
は、クリック→ポップアップ画面で拡大します

 自宅→【松本/中央HW】→沢渡駐車場
新島々のコンビニで朝食を仕入れ、いつものように沢渡の駐車場に車を入れようとすると…
 『自動ゲートになっている! おまけに、足湯まで出来ている!』 ちょっと驚きデス。
今夜は、もう遅いので足湯にも浸からず、すぐに車泊体制をとる。

一日目 2007/08/14 (tue)
旧中ノ湯〜中ノ湯ルート〜焼岳〜割谷山〜西穂高山荘
行程;7時間45分 移動;6時間20分
クラシックルートで狼煙立つ焼岳へ
沢渡駐車場 1005m 06:05 出立 気象;晴 無風 気温;16℃
05:00起床
昨夜の時流ショックはまだ続く。 ALPICOバスも自動券売機が備わり、乗り込めばワンマン化されていた。
『ちょっと寂しいが、今の御時勢、致し方ない_か。』 お盆休み期間だが、朝二番のバスのシートの半分は空いていた。
沢渡→中ノ湯 ALPICOバス 10分・\780
旧中ノ湯 1315m 06:15〜06:25 入山 気象;晴 無風 気温;18℃
自分のためだけに、釜トンネルの手前、中ノ湯でバスを停めてもらう。
登山届けをポケットから取り出すより早く、バスは釜トンネルの闇に消えていった。
現在、焼岳を登られる方の多くは、上高地から登られるか、安房峠途中から入れる新中ノ湯ルートを利用される方が多い。
しかし自分は、上高地に下山する事と、穂高が目的のため、ここから前時代の旧ルートで入山することを選んだのだ。
無関心なゲートの守衛さんを横目に国道脇を歩き、安房トンネル方向に向かう。
2分も歩くと水が湧き出ている箇所がある(1325m)。 ここが中ノ湯ルートの登山口。
小さな看板が紐で縛り付けてあるが、車からでは見落としそうなほど目立たない登山口だ
釜トンネルは上高地の玄関
釜トンネル手前でバスを降りる
焼岳登山口
どうやら、ここらしい
旧中ノ湯ルート
ブナ林の中を登り始める
35分
第一ベンチ 1600m 07:00〜07:05 気象;晴 無風 気温;17℃
登山道は最初から細かくジグザグを切りながら、みるみる標高を稼いでゆく。
予想以上に、しっかりとした登山道 エグレた溝など無く登り易い。
国道を走る大型トラックの音もやがて消え、静かな広葉樹の森中を独り行く。
艶やかな新緑
山紫陽花
朝日を喜ぶ【ヤマアジサイ】
第一ベンチの看板
ここから頂上まで約3時間と刻んである
短い水平な道を行けば第一ベンチの看板が在る。 ベンチは無く、丸太が転がっているだけなので、ここで立ち休み。
40分
りんどう平 1900m 07:45 気象;快晴 無風 気温;18℃
梢の焼岳〜 ブナの森をぐいぐい上り続けると、少し開けた平坦地に出た。
この辺りを、りんどう平と呼ぶそうだ。
ここで今日初めて焼岳の頂が拝めるが、すぐに背の高い木々
に隠れてしまう。
Please click
25分
新道出合 2040m 08:10〜08:20 気象;快晴 東微風 気温;21℃
ルンゼの右岸を登ります りんどう平の平坦をそのまま進めば、再び緩い斜度がついてくる。
やがて、木の背が少し低くなる頃に新中ノ湯ルートの道が出会う。
入山後、ここまで誰にも出会わなかったが、出合の先は他の登山者とポツポツと挨拶を
交わすようになった。
日陰が無くなり、気温も上昇するが、風が抜けるようになり、生命力溢れる緑と大きな
青空が組合さり_気持ちいい。
無木立斜面 冬はどうなるのかしら?
トンデモナイ青空日
Please click
【ウラジロタデ】
滑りたい〜
乗鞍と御嶽
登山道は、火口の鞍部を源頭とする緩やかな浅い溝の右岸を沿うようにつけられている。
土留めの段が奢られた登山道を登りながら、気持ちは焼岳南峰から南東に伸びる尾根に
気を取られる。
無木立でササに覆われた斜面に雪を載せ、シュプールを描く事をイメージする…
火口の鞍部
まだ、硫黄の匂いは微か
前方に焼岳の南峰と北峰の稜線の間にある火口の鞍が見えてきた。 狼煙が上がっている
焼岳は活動中の火山 -大正4年の噴火の際、流出物が梓川を堰き止め大正池を形成したり、
近年でも水蒸気爆発や火山性群発地震を、たびたび観測されている-
1990年までは、登山規制で頂に立てない山だった。
気象庁は平成19年より、火山活動の危険性を促すうながすアナウンスとして“噴火警戒レベル”
なるものを導入しました。
焼岳は未導入の火山ですが、噴火警戒レベルは里の居住者のための警戒であり、登山者を
対象とはしていません。
 『今、噴火してもおかしくないノダ』
〔ドンドコ,ドンドコ,ドンドコ…〕 近づくにつれ、身体の中でナニカが響きだす。
山を登ってきたので脈が速いのは当然だが、それ以上に呼吸が深くなる。
45分
火口の鞍部 2330m 09:05 気象;快晴 東微風 気温;21℃
ちょっとパノラマ失敗
焼岳南峰(2455m)
Dangerous is beautiful.
噴気孔
火口の鞍部に到着。 旧火口のカルデラ湖を従える主頂の南峰(2455m)は立ち入り禁止となっている。
現在登頂可能な北峰に向かうルートに目を向ければ、先ほどから狼煙を上げ続ける噴気孔が登山道のすぐ脇にあって、周囲の大岩は
硫黄色に変色している。 他にも登山道の周囲には小さな噴気孔が点在している
『南峰より、こっちのほうが危険なんじゃない?』と思いながら、噴気孔の間を進む。
各噴気孔からは〔ゴウゴウ〕と結構な噴出音がし、硫黄のニオイが強くなるが、今日のニオイは突くほどの刺激は無かった。
15分
焼岳 北峰 2444m 09:20〜09:45 気象;快晴 東微風 気温;19℃
北峰を東側からトラバースし、北側に回り込む。 ここから頂上へは、短いピストンだが、めんどくさいので荷は背負ったまま登る。
こちら側には、さきほどの噴気孔より活動が盛んな大きな孔が在る。 近づくと台地の鳴動が登山靴越しに伝わってきた。
大地のビートに、身体の中のナニカ_が揺さぶられ共鳴し、覚醒する。
噴気孔にはロープ等は張られていませんが、噴出しているのは有毒性な硫化水素が含まれています
先行の登山者が判るカナ?
北側から登ります
手を伸ばせば火傷しそう
大地の息吹
今日は真ん中の緑の尾根を行く
笠ヶ岳〜穂高〜梓川〜霞沢岳
最高デス! 『わぁ〜お!』
野生の血が騒ぎだした所で、このパノラマ!
『今回の山行、もう充分!』と思える北アルプスの
大展望でした。
お天道様 アリガト!
左;奥穂 右;前穂
吊尾根〜岳沢
Please click 望遠で
まだ遥かな高み 槍ヶ岳
30分
中尾峠 2090m 10:15〜10:20 気象;快晴 東微風 気温;21℃
まだ頂に達した登山者は少なく、静か雰囲気なので Coffeeでも点てたい気分だったが、今日は先が長いので中尾峠に向かって下り始める。
丁度、下からは沢山の人が登ってくる。 ここの下りはザレとても滑りやすい 慎重に降りて行く。
こちら側にも、透明な狼煙を上げる噴気孔がある。 噴気孔上空は大気が揺らいでいた。
登って来る時間帯のようだ
見下ろす中尾峠
中尾峠にて
ササ原の先に笠ヶ岳
樹木枯死
枯木が野外彫刻のようでした
長そうだな〜
今日はこの緑の尾根を歩き続ける
展望台から望む焼岳北斜面
1962年、中尾峠側の山腹に新火口が生じ、多量の噴石で、負傷者が出たそうです
10分
焼岳小屋 2080m 10:30〜10:40 気象;快晴 無風 気温;23℃ Foma不通
焼岳小屋 上高地側から登ってくる方々で、小さな小屋は結構な賑わいだ。
『さすがお盆休みの好天日』
自分もジュースを買って水分補給する。
ダレモイナイ…
さて、出発だ。 しかし自分が向かう穂高方向には誰も来ない。。
50分
割谷山 1410m 11:30〜11:40 気象;快晴 無風 気温;22℃
荒れた箇所も多い 上高地帝国ホテル辺り 道は何処?
最初の2159mピークは、飛騨側を捲きながら登って行く。 ある意味,スペシャルな登山道だ。
斜度はきつくは無いのだが、ササが登山道を覆い隠していたり、倒木が道を塞いでいたりと、多く人が歩く道ではないようでした。
先路は飛騨側、上高地側を交互に行く。 上高地側では、新緑の底を蛇行する梓川の白が美しい。
しかし、焼岳小屋周辺の賑いは何処へやら、やはり誰も居ない路_ おっと、今日の連れ合いは蝶や蜻蛉のようだ。
【ベニヒカゲ】 【シモツケソウ】 お前なら、この尾根ひとっ飛びか?
2194mピークの下りで、やっと対行のお兄さん二人とすれ違う。 お互い、『やっと半分…』 の苦笑いだ。

2194mピークの下り
どんどん濃くなりました
夏の午後のガスがかかりだす
もうすぐだ
きぬがさの池
2181mピーク辺りでは、周囲はすっかり霧に包まれる。
しかし一本道だし、2194mピークを過ぎてからは、道幅も広くなったので先ほどまでより歩き易し。
焼岳小屋と西穂山荘の標高差が約300m。 森林限界下なので展望は期待できない稜線だが、意外と変化が有り、適度なup&downも
加わり飽きなかった。
2時間
分岐 2240m 13:40〜13:50 気象;キリ 無風 気温;20℃
蛍光色の標識が木の高い箇所で目立ってくると、上高地からの登山道との出会が近い。
ここから今日の宿泊地 西穂山荘はわずかな距離だ。
合流後は、今まで誰も会わなかったのが嘘のように登山者が列を成す。
分岐の看板
小花が集まって筒状を成す
【モミジコウモリ】
薬なら“ぶし” 毒なら“ぶす”
【トリカブト】
Please click
【シシウド】
西穂山荘までの道は亜高帯の花畑でした
Please click
【オタカラコウ】
郡内は山梨県桂川流域の古名
【グンナイフクロウ】
Please click
【キンレイカ】
10分
\500/幕 西穂山荘 2370m 14:00 着 気象;キリ 無風 気温;22℃  丸山で○

大賑いの西穂山荘 今日の幕営地=西穂山荘に予定よりだいぶ早く到着した。
自分のテントを張った後は、明日の下見と携帯の電波を探して、先の丸山を登る。
西穂山荘が丁度森林限界点のようだ。 急に足元が岩となる。
しかしガスで真っ白け 明日の朝に期待しよう。

小屋に戻ると宿泊者が益々到着していて、テント場は溢れ、小屋前の広場も幕営地に開放している。
ここは、新穂高からロープウェー利用で割と気軽に至れる場所なのだ。
日没後はガスも去り、宝石箱の夜空となる。
そして今夜は新月+ペルセウス座流星群 こういったサプライズには、皆さん詳しいようで、
夜遅くまで小屋前で「流れた!」 「こっち!」と声が響く。
自分はテント泊の特権で、シュラフに包まったままテントから首を出し願掛けする。
流れ星では無く、ブレです。。


二日目 08/15 (wed.)
西穂高山荘〜西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜穂高岳山荘
行程;8時間25分 移動;6時間35分
今日は一日中,岩稜線の上デス
西穂山荘 2370m 03:30 出立 気象;晴 南東微風 気温;9℃
02:30起床。 まだ真っ暗なテント場で、静かに朝食・撤収を済ませる。
そして、ほとんどのテントに明かりが点る前にヘッデンで出立。  満天の星空より暗い山のシルエット 『山も寝るんだな。』
山は寝ている 眠気眼の山 夜明け色
独標直下2620m、少し険しくなる場所で丁度夜明けだ。 ヘッデンを仕舞い、今日はもう使わないストックもザックに縛り付けた。
まだステップ状の岩場で登り易い。
1時間05分
西穂独標 2701m 04:35〜04:45 気象;晴 南微風 気温;11℃
今日はスタートから半袖デス 痩せ尾根になってきた
独標を振り返る
ピラミッドピークへ
この先はかなり痩せた尾根になるが、
今日は風が無いのが幸いだ
25分
ピラミッドピーク 2755m 05:10〜05:20 気象;快晴 南微風 気温;12℃
今日の路 まだ谷底に陽は届いていない 彼方の富士と南アルプス
山も、すっかり目覚め、険しさと美しさを魅せてくれる
奥は乗鞍岳 木曽は雲海の下に
昨日昇った焼岳の頭が、朝の光線で焼ける
ステキな時間帯だ
徐々に姿を現す今日の路
35分
西穂高岳 2909m 05:55〜06:15 気象;快晴 南微風 気温;12℃
西穂高の頂 Please click この先は、一段と険しくなりそうだ
小さいup&downを繰返し、西穂高の頂に到った。 荷を降ろし一息入れる。
独り展望を楽しみ、『よし、行こう』とザックを背負う。
そこに丁度、後続のおじさんがやってきた。 「一杯どうだい?」と早々にビールを取り出すおじさん。
せっかくなので、背負ったザックを降ろし、カップを取り出し、乾杯だ。
始まるぞ〜 おじさんに御礼を言って、先に出立する。
西穂の先、この岩の切れ目から、上高地側の長いクサリで垂直的に下降、
直ぐに高度感あるトラバース… と明らかに一般的でない路が始まる。
しかし、急峻な岩の合間には可憐な花が、ここぞとばかりに咲き誇っている。
『お前らの花心、イカシテルゼ!』
花弁が散っても、良く目立つ
【キンバイ】の穂
嘴塩竈の竈はカマドとも読みますね
鶴のような【クチバシシオガマ】
花弁が透き通っています
咲きたて♪【ハクサンイチゲ】
25分
赤石岳 2875m 06:40 気象;快晴 無風 気温;16℃
対向で単独のお兄さんがやってくる。 今朝、穂高を出立したとしたら、とんでもない健脚だ。
お話を聞くと、天狗のコルでビバーグしたそうだ。 『ステキ!』
かなり急でした
岩なのに崩れやすい急な降り
崩れそうな岩峰
手を伸ばせば届きそうな隣の峰に辿り着くために、
急角度で大きく降って、また昇り返せねばならない。
『焦らずにまいりましょう。』 自分に言い聞かせた。
ここを登ると間ノ岳
次はガレた急登りだ
25分
間ノ岳 2907m 07:05〜07:10 気象;快晴 無風 気温;18℃
赤いガレ場を注意しながら登りきると、間ノ岳の赤茶色の岩が積み重なった頂だ。
目指すジャンダルムも、ずいぶんはっきりと観えるようになってきた。 が、まだ遥かな高峰だ。
今いる間ノ岳の標高が2907m,ジャンダルムが3163m その差約250mだが、数値上の
標高差を感じる。 ましてや、この稜線はup&downの連続なのだ…
数値以上に標高差を感じる
あそこがジャンダルム!
間ノ岳頂部
間ノ岳の頂部
Please click
歩いてきた稜線路
間天は間ノ岳と天狗岳のコト?
間天のコルへも、かなりの降りを強いられる
天狗ノ頭は、逆層スラブの塊でスベリ台のようだ
濡れたら滑りやすそう ここが楽そうですね
直登のマーキングもありましたが、飛騨側に長いクサリがあります
30分
天狗ノ頭 2909m 07:40〜08:00 気象;快晴 無風 気温;20℃
天狗岳山頂 Please click
間ノ岳の頂
Please click
花岩雲山空_自分
疲労感は無いが、天狗ノ頭で長めの休憩をする。 まだ先は長いのだ。
次第に飛騨側で雲が沸き立ち、ちぎれ雲が流れてくる。 やはり今日も夏晴日の天候のようだ。
天狗のコル(2820m)
早朝に、穂高を出立された方々
西穂高岳も遠くなりけり なんとか路があるようでした
上高地側の天狗沢
1時間40分
岩畳尾根の頭 3110m 09:40〜09:45 気象;快晴 無風 気温;20℃
天狗のコルからの登りは長い。 ザックが重く感じだす。
ここまで今日の先頭だったが、岩畳尾根の頭の登りで大きく飛騨側に捲きすぎてしまったようだ。
元気なペアお二人が先頭に立つ。
そして、この稜線にしては幅のある広い頭に立つと目前にジャンダルムが現れる。
奥穂から観る、バッキガム親衛隊のノッポな帽子姿ではなく、ずんとした姿で稜線を通せんぼしている。
Please click ジャンダルム〈gendarme〉とはフランス語で憲兵のコト。
憲兵〈MP〉は戦火では交通整理や軍の秩序維持を
目的とする兵隊のことだそうです。
沢山マーキングがあって、よけい解りにくい
ジャンダルム直下
飛騨側に捲いた方が登り易い
15分
ジャンダルム 3163m 10:00〜10:30 気象;快晴 無風 気温;19℃
今回の目的、ジャンダルムの頂に到着。
先に到着していたペアの二人と笑顔で挨拶を交わす。
お二人は今日中に白出に降り、名古屋まで車で帰るそうなので、先を急ぐ。
天候は、もう少しは大丈夫そうだ。 一人残ったジャンダルムの頂 coffeeを点てましょう。
奥穂にも雲がまとわりだす。
アベックのお二人 気をつけて! まだ、青空が広がっている
しばらくすると、大柄な単独のドイツの方が上がってこられた。
やはりテント山行なので大荷物 流暢な日本語を話されるので、会話が成立する。
霧で谷が見えなくて良かった!?
ロバの耳を越える

ルンゼ内を先行されるドイツの方
Please click
ジャンダルム
ジャンダルムを越えて
あそこを越えてきたんだ
馬の背のナイフリッジ
馬の背は三角木馬でした
50分
奥穂高岳 3190m 11:20〜11:30 気象;晴/キリ 無風 気温;20℃
ナイフリッジの馬の背を登り、奥穂高岳の頂が近づくと、稜線は安心幅になる。
大勢の方々で賑う祠の下で、ジャンダルムの頂で出会ったペアと再会。
『お二人なら、山は大丈夫。 下界で車の運転気をつけて〜』
ドイツの方も到着
金属性の賽銭箱 雷は?
奥穂の祠
雲沸くジャンダルム
何度見ても見飽きない
ガスが濃くなってきました 休憩しているうちに、北穂にも随分とガスがかかりだす。
ドイツの方は最終ゴールは槍なので、今日は北穂まで行くそうだ。
自分はとりあえずジャンダルムを越えたし、霧の中を歩くの好きではないので、
今日は穂高山荘までとする。
25分
\500/幕 穂高岳山荘 2983m 11:55 着 気象;晴/キリ 無風 気温;19℃  笠ヶ岳方向で○

岩伽藍
涸沢岳からの観る 今日の工程
テントを張り終え、涸沢岳にお散歩。
奥穂やジャンダルム側のガスは弱いが、北穂や涸沢側は、
真っ白で何も見えない。 小屋に戻りココアを戴きましょう。
小屋前では、西穂でビールをごちそうしてくれたおじさんや、
今日同じルートを歩いた方々が寛いでいたので、お話に加えてもう。
う〜ん クリーミー♪
時間は早いのでテントでウトウト
夕方外が騒がしいので顔を出すと、雲は低くなり、涸沢の上に
神秘的な ブロッケン現象が現れた。
自分の影に後光が射す
ブロッケン現象
外人さんはシルエットでもカッコイイ みんな夕焼け色
自分のテントの周りには、常念小屋で働いていた事あると言う白人の方と、今夜はシュラフだけで野宿するというアメリカ人など、
なぜかインターナショナルだ。 英語と身振り手振りを交え、一緒に夕焼けに興じる。
飛騨の雲に沈む太陽 感動的なディナーショー
山も雲も空も、小屋もテントも人々も
みんな仲良くアーベントロート色に染まった。
明日、早起きできて、天気が良ければ北穂まで行く
天気が悪かったり、早起きできなかったら、すぐに涸沢に降りる。
そんなこと思いながら、いつのまにかオヤスミナサイ…


二日目 08/16 (thu)
穂高岳山荘〜涸沢岳〜北穂高岳〜涸沢〜横尾〜上高地
行程;8時間 移動;6時間05分
すぐ下山するには勿体無い好天 穂高ブレンドを飲みに行く
穂高岳山荘 2983m 04:50 出立 気象;晴 西微風 気温;9℃
はたして、四時前に起きるわ、満点の星空だわで、『北穂にモーニングコーヒーを飲みに行こう!』となりました 
15分
涸沢岳 3103m 05:05〜05:15 気象;快晴 西微風 気温;10℃
『やっぱり山の朝は好いな〜』 涸沢岳のてっぺんで、スペシャルな光線を受けた涸沢〜穂高をひとりじめ
涸沢の雪形と岩伽藍の奥穂高 Please click
【イワツメグサ】 槍〜大キレット〜北穂
15分
D沢のコル 3020m 05:30 気象;快晴 西微風 気温;14℃
涸沢からの降りは、オーバーハング気味の凹溝を長く降りる。
その先も最低コルまで、脆くいやらしいガレ場だが、ここでも、
ついつい余所見しがちになる。
一輪だけ咲いていました
凛と咲く【ウサギギク】
涸沢岳からの下降絽
涸沢岳〜最低コルはグズグズ
Please click
天然のロックガーデン
10分
最低コル 2960m 05:40〜05:50 気象;快晴 西微風 気温;14℃
涸沢が青い光線に変わる頃、涸沢岳〜北穂間の底立つ。
あとは北穂に登り返すだけなのだが、今回 この辺りはどこも高山植物が花畑状態で、カメラ片手で歩みが遅くなる。 
北穂を見上げる 岩色に映える高山植物達 涸沢を見下ろす【クチバシシオガマ
飛騨側の片斜面、この辺りで、今朝北穂の小屋を出立された方とすれ違う事が多くなる。
日陰で暗いトラバースだが、ここを抜ければ北穂高岳の頂も近い。
日陰のトラバース やっぱり神の手形だ
大岩のテラスと呼ばれる平板岩から眺める涸沢
北穂高岳の頂は、南峰・北峰と分かれている。
今回は【穂高ブレンド】が目的なので、南峰は素通りで北穂高小屋の建つ北峰に直行だ。
50分
北穂高岳 3106m 06:40〜07:30 気象;快晴 西微風 気温;16℃
標高3100m 日本一高い場所にある“喫茶店”北穂高小屋
注文を受けてから豆を挽く【穂高ブレンド】は、おそらく下界で頂戴しても
美味しいcoffeeであろう。
しかも今日のように天気がよければ、大キレット越しのカッコイイ槍ヶ岳の
展望も一緒に味わえるのだ。
北ホマークが、かわいいでしょ
もう、小屋のお客さんは、ほとんど出立され、まだ小屋に至る登山者も他に
居ないので、静かに&のんびりと Mt. Morning Coffeeを味わえました。
北穂高小屋からのパノラマ展望
常念岳 2857m
まだ逆光の常念岳
笠ヶ岳 2898m
雲影落ちる笠ヶ岳

このまま大キレットに降りて行きたい気持ちを封印し、南稜ルートで涸沢へ下山開始。
登る人・降りる人で所々渋滞するが、そんなときは焦らずに雪形の美しい涸沢を眺めればイイ。
登る人・降りる人 前穂の頂のが方が高くなった ゆっくりと行きましょう
55分
涸沢 2300m 08:25〜08:50 気象;快晴 無風 気温;24℃
涸沢テント村
涸沢は、一時ほどではないがテント村になっていた
涸沢側からの吊尾根 冷たい雪解け水
涸梅雨だった今年は残雪が多いのであろう 水は流しっぱなし。
残雪は涼しげなのだが、気温は高い。 風も無くなった。
水タンクに補充し、ここからはストックを出して上高地を目指す。
日焼けした〜
真夏の雪かき
涸沢のすぐ下では、小屋のお兄さん達が除雪作業で大汗をかいている
 『ごくろうさまです』
涸沢を後にする
50分
本谷橋 1790m 09:40〜09:45 気象;晴 無風 気温;23℃
少し護岸したようです 本谷橋の周囲は、これから山を目指す方々が、涼んでいる。
自分も首筋を冷却する。
ほんとは、川に飛び込みたいぐらいでした。
結び葉の森を行く
55分
横尾 1620m 10:40〜10:55 気象;快晴 北微風 気温;25℃
屏風岩 ギィギィ〜
久しぶりに見た【ゴマダラカミキリ】
梓川 ここが境界ですね。
お盆休み期間なので、梓川を渡った途端に人が増える 蒸し暑さも強烈だ。 下界に戻ったコトを実感する。
40分
徳沢 1562m 11:35 気象;晴 無風 気温;24℃
梓川沿いの路は車がすれ違えるほど広いのだが、対向から大声で話しながらやってくる団体登山者がいる。
こちらが端に寄っても、道幅いっぱいに広がったまま進んで来る…
こんな事が、二度三度あった。 言葉を聴くと、どうやら大陸の方々らしい。 さすがに『#むっ』とするが、どうやら彼らに悪気はないようだ。
文化や考えの違いだろうが、この人達と痩せ稜線で出遭ってしまったら。。。ぞっとします。 観光関係の方々なんとかしてください。
40分
明神 1530m 12:15 気象;晴 無風 気温;24℃
上高地が近づくにつれ、どんどん人が増えてくる。
『もう、沢渡行きのバスは整理券が出ちゃってるかしら?』
35分
上高地BT 1504m 12:50 着 気象;晴 無風 気温;26℃
上高地は観光地 TDLのような込み具合だ。 路も舗装路となり、照り返しがキツク感じる。 人々がランダムに動き、人酔いしそうだ。
稜線で感じた大切なモノが俗化しない様、BTに急ぐ。 心配されたバスは、一本待つだけで乗り込めました。
上高地→沢渡 ALPICOバス 20分・\1,000
沢渡  駐車場代 \500/日
第二駐車場の足湯 あはは・・ まずは登山靴脱ぎついでに、駐車場に完成した足湯に
浸かってみる。
掛け流しの長い湯船なので、上流は熱く、下流はぬるいシステム 無料で24H開いているそうだ。
足湯に浸かりながら、自分の首筋をなぞると、人間塩田状態_
『はいはい,ちゃんと綺麗にしましょうね』
食事も可能 循環温泉かな? 今回は車で国道を少し安房に向かった場所に在る、
木漏れ日の湯・\500】に浸かる
タイル張りの内湯だが、貸切状態でゆっくり浸かれました。
 沢渡→【塩尻/中央HW】→自宅
国道は松本に入る前に渋滞となる。 波田で右に折れ、広域農道で塩尻ICから高速に乗る。

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水:1.5Lハイドロレーションシステム + 1.0L   6食+行動食4日分
  テント、夏シュラフ、コンロ(中カートリッジ*1)   60Lザック(16.5kg)
  手元:Wストック
反 省 パノラマ写真 今回から28mm広角のコンパクトカメラを使い出した。
通常の写真は、広角レンズの広がりが有って、とても良いのだが、合成パノラマにすると、
中央が膨らんで上手くいかない。
途中で気がついたのだが、合成パノラマにする写真は、少しズームして撮れば良いようだ。
good 岩稜線 “The dangerous thing is beautiful…”
朝日を受け、エッジを輝かせる岩稜線 そこに咲く高山植物
幾つものピークを越えても、快晴の空の下に続く縦走路_  みんなみんな美しかったです。
天候 この縦走路、最大のポイントは天候です。
今回は三日間とも夏の晴れ日(午後は必ずガスが出る)だったので、日ノ出前から行動し、午後早く
には幕営地に到るようにした。 風が弱かったのも幸いでした。
感 想 山のガイド本曰く, 「日本の一般縦走路では、もっとも難易度が高く…」と書いてある今回のルート。
たしかに長く険しい岩稜線では、最低限の体力は必要であろう。 しかし、やることは他の山と大して変わりは無かった。
好天日を選び、山に入ったら、良く見て・イロイロ考えて・ちゃんと行動するコトでした。

by Taro.S
キレット越しの槍ヶ岳 】
クリックでこのページのトップへ戻ります

2007山のもの へ
山のものトップ へ
海のものとも山のものとも へ

Copyright(C)2007 Taro.S All Right Reserved.