07山の科学画を鑑賞;山のもの特別編 ;海のものとも山のものとも
2007/05/06 up 
 特別編 ;山の科学画
五百沢智也 -ステレオ写真を使って山を描く- を鑑賞する
千葉県立中央博物館
2007年 5月4日(金)
山好きなら一度は観た事があるであろう、五百澤智也(いおざわともや)氏の山岳画
時には登山者に地図以上の情報を与えてくれ、時にはその精密さに山ロマンをかきたてられる
『行こう、行こう』と想いながら地元での開催なので、つい足を運びそれていた。 が、やっと鑑賞することができました

6×7版ステレオカメラ

6×9版アダプタ
一般平面地図は2次元の世界であり、方向や(水平)距離は正確だが、
実際に人が視る山の姿は、なかなかイメージがしにくい
五百沢氏の画は2.5次元 人が視る以上に山を正確に表してくれる
それなら、『写真で良いのでは?』と思うかもしれないが、通常の写真は
影で潰れたり白飛びなどが発生し、入組んだ尾根や谷などを含めた
山全体を一枚の写真で表すのは難しい
そこで五百澤氏は、まず鳥瞰からステレオで写真を写し、それを細かく解析する
そこから見出された尾根や谷、山肌を精密にトレースして描く手法を用いる
五百澤氏の画は、登山する者には山のイメージを抱きやすいし、
岩系の者 にとっては、ルンゼやクラックの貴重な登攀資料となる。
その解かりやすく正確な図は、氷河や地形・地質など世界中の学術研究の資料としても、たびたび用いられている

【槍・穂高連峰 】

【春の鹿島槍ヶ岳・荒沢奥壁 】

【ヤマタリ氷河上空からみたジャヌーとカンチェンジュンガ 】
五百澤沢氏のご好意により展示場内撮影Freeです
科学的画以外にも、五百澤氏のスケッチが数多く展示されていた
ちょうど先週、山スキーで滑った鳥海山のスケッチがあった
五百澤氏がいらっしゃったので、お話を聞くと 山形のご出身だそうだ
あの環境で育ち、画が好きで国土地理院で働かれていた経歴
『なるほど 納得』

【鳥海山 仁賀保高原から】
現在は同じ目的で、カシミール等のCG画が存在する
それらは今後ますます発達・普及して行くのであろうが、
ヒトの視覚的観点では 到底、五百澤氏式地形鳥瞰図にはかなわないであろう
会期は2007年3月3日(土)〜5月27日(日)まで
千葉県立中央博物館 (千葉市青葉の森公園内)
『山好き、絵画好きの方はお急ぎを』
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