09早春の燕岳 〜雪燕に会いたくて〜;山のもの
2009/04/19 up    
早春の燕岳 〜雪燕に会いたくて〜
宮城ゲート〜中房温泉〜合戦尾根〜燕山荘〜燕岳&蛙岩:往復
2009年04 月02日(木)〜04日(土) 前泊 +2泊3日
 雪山・単独・幕営&冬季小屋
長い林道歩きのアプローチ、合戦尾根を独りラッセルの末、雪燕に会えました
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください
このシーズンは暖冬でした
省略記号
枠 はクリックで拡大します
宮城ゲート〜燕岳 平面略図
宮城ゲート〜燕岳 高低略図

一日目 ;2009.04.02
宮城ゲート→中房温泉〜合戦尾根2130m地点;幕営
行程時間;10時間50分  移動時間;10時間
自家用車 前夜は 梓川SA;長野HWで車泊。 トラックのディーゼル音が響き、ちょっと明る過ぎるSAだったが、よく眠れた。
04:30に起きてSAに併設されているコンビニで朝食を調達する。
  自宅→【豊科/長野HW】→安曇野 有明
駐車場 宮城ゲート 750m 入山05:40 気象;晴 無風 気温;2℃ 携帯(FOMA);良好
高速を降り、中房温泉(なかぶさおんせん)のカンバンに導かれて、宮城ゲート手前の
駐車場に到着。 駐車場に停まっていたのは、朽ちたアルピコバスだけだ。
今日の日ノ出は05:30頃 獣が活動する時期なので、明るくなってから山装備を背負った。
中房線を独り行く
凍っていないので歩き易かった
車両は入れない宮城ゲート
12月〜GWは車両通行止め
林道を歩きはじめるとすぐに
大山神社の祠
宮城ゲートから始まる林道;槍ヶ岳矢村線(通称;中房線)は、燕岳登山口となる中房
温泉までの全長約12kmの林道だが、中央線も備わる立派な舗装路だ。
しかし冬季の今は車両通行止の為、ここから歩くしかアプローチの手立てはナイ。
宮城ゲートと中房温泉の高低差は約700m。 往路はだらだらした登り勾配を行くこと
となる。
前日は降雪があった。 道路面に雪はまったくないが、周囲の森は白く薄化粧している。
観音峠手前のジグザグ坂を登りきると、猪が道傍らを掘り返していた。
どんどん晴れてくる
アプローチ登り 2時間 舗装路 Wストック
観音峠 1046m 07:40〜07:15 気象;晴 無風 気温;2℃
あと6.8kmと告げるカンバンで、宮城ゲートと中房温泉の距離的中間地点; 観音峠だ。
“峠”と付くが登り坂の途中の場所 どちらかと言うと先の信濃坂の方が“峠”らしい。
此処には林道工事で無くなった方を奉る立派な祠が建っている。 有明山の登山口近くにも
慰霊碑がいくつか見られた。 中房川の谷沿いにの険しい林道を造る際、命を落とした方も多かっ
たのだろう。 現在でもスノーシェッド、落石・雪崩防止のネットや養壁がしっかり整備されて
いるので、我はこうやって、さほど緊張する事無く歩くことができるのだ。 『感謝。』
信濃坂の登り
道も白くなってきた
青空と雪いっぱいの稜線が見えてきた。 予報より半日天気の進みが早まったようだ。
頭痛や喉の病を癒してくれるそうです
芳男地蔵菩薩
東沢乗越し辺りでしょうか
雪山〜
アプローチ登り 1時間 舗装路 Wストック
信濃坂 1235m 08:15〜08:25 気象;晴 無風 気温;1℃
水力発電所を過ぎると、登り勾配が少し増す。
ツライところだが、今日の信濃坂は青空背景に雪桜並木。 見惚れているうちに登りきれた。
人口物と自然の、ちょっと素敵な景色
クリックで拡大します     クリックで拡大します
アプローチ登り 1時間10分 舗装路 Wストック
中房温泉登山口 1462m 09:35〜10:00 気象;晴 無風 気温;-2℃ 携帯(FOMA);圏外
温泉
ここに登山届ポストが有ります
湯原の湯の手前から登山口へ
宮城ゲートからトボトボ歩きで4時間 中房温泉に到着。 秘湯の宿はGWまで無人だ。
この辺りは雪がまったく無い 地熱の影響だそうだ。 ドライの登山口で、しばし休憩する。
合戦尾根を登りはじめる トレースなし。。
『ここからやっと“登山”が始まるのだ。』言い聞かせて合戦尾根にとりつく
出だしの積雪で50cmほど トレースは無い。
最初から独りラッセルだが、足首深さの軽雪で、その下はよく踏み固められているおかげで
ツボ足でも歩きやすい。 登山道は窪状でマーキングも出ているので見失う事は無い。
登り/急登 1時間10分 ツボ足&Wストック 足首→スネラッセル
第一ベンチ 1670m 11:10〜11:20 気象;晴 東微風 気温;0℃
しかし、すぐに雪深くなってきた。 スネラッセルが中心となり、踏み抜くと膝までズッポリはまる。
第一ベンチまで登山道はジグザグ気味につけられているが、勾配よりも距離で楽をしようと雪道ショートカットする。
合戦尾根は北アルプス三大急登として知られている。 雪壁にへばりつくような個所もあるが、まだツボ足キックステップで足場を
確保できる。 『はぁはぁ』 喘ぎながら水平気味の道になると、標識だけが顔を出している第一ベンチに着いた。
ラッセル、ラッセル〜♪ 先は長い 降雪後間もないので、森中でも綺麗な雪
登り/急登  1時間45分 ツボ足&Wストック スネラッセル
第二ベンチ 1840m 12:55〜13:10 気象;晴 無風 気温;1℃
第一ベンチから進むと、またグイっと斜度が増す。 まだまだしっかりした樹林帯内なので雪は深い。
マイペースでラッセルしながら登るのはいいのだが、踏みぬいたり、長くキックステップを続けると、『ぜぇーぜぇー』
途端に息乱れ、足が止りがちになってしまう。
“架線が架かる尾根“が転じて合戦尾根
合戦小屋に到る荷あげの架線
雪の下で分からない
おそらく第二ベンチ
こういった個所はラッセル不要で楽です
ベンチと呼ばれる場所は水平道になる
架線の下をくぐると、すぐに第二ベンチの広場に出た。 休憩しながらアイゼンを装着する。
登り/急登  50分 アイゼン&Wストック スネ / ヒザラッセル
第三ベンチ 1950m 14:00〜14:10 気象;晴 無風 気温;-2℃
展望の少ない森林帯だが、時々山が観得たり、
樹オブジェがあったりと楽しませてくれる。

裏は空でした
Tornado tree
吹き溜まりで喘ぐ
 
しかし雪は増々深くなり、吹き溜りの場所はヒザラッセル、勾配がある場所ではニープレスしないと足が出なくなってきた。
登り/急登  1時間20分 アイゼン&Wストック スネ / ヒザラッセル
幕営 合戦尾根2130m 2130m 15:30 着 気象;晴 無風 気温;-3℃ 携帯(FOMA);圏外
『  。』もう、喘ぎ声も出ない。 1時間半かけても高低差80mも稼げない状態だ。
登山口にトレースが無かった時点で、今夜のビバークは決まっていたが、今日は合戦小屋付近までと考えていた。
しかし、このままでは時間的にギリギリになってしまいそうだ。
 『おっ!』丁度、登山道脇に古樹の洞(ほこら)がある。
作戦変更 早めに寝床を確保し、残りの森林帯をスノーシューで踏んでおくことにした。
古樹の洞を整地しツエルトを張る。 coffeeで一服してからスノーシューに履き替え、空荷で再び合戦尾根を登って行く。
『もうちょっと早く履けばよかったかな〜』 スノーシューは合戦尾根の急登斜面でも
充分威力を発揮し、あっという間に合戦小屋の水平尾根下の短い雪原(2300m地点)まで
しっかりとトレースをつけてくれた。
今夜の寝床に戻りましょう
スノーシューの威力は絶大だ
スノーシュー出動 2300m地点で日没迫る
今夜の寝床 大樹の懐
ビバーク地点に戻る
茄子のお味噌汁です
 熱いお味噌汁が旨い
シアワセ〜
もちろん山のcoffeeも!
夜は星空が見える分、昼間の気温から比べると冷え込む。
19:00時点で外気温は-7℃ 少し風も出てきた。
『明朝も晴れるための〜』 言い聞かせながらシュラフにカイロを入れて眠りにつく。

二日目 ;2009.04.03 
合戦尾根2130m地点〜合戦小屋〜燕山荘〜燕岳・〜蛙岩;冬季小屋
行程時間;7時間20分  移動時間;6時間30分
幕営 合戦尾根2130m 2130m 06:20 出立 気象;晴 無風 気温;-8℃ 携帯(FOMA);圏外
起床04:30 ちょっと寒い。 この時間でツエルト内で -6℃、外は風は治まったが -14℃だった。
朝食を済ませ、行動分の水を得るため雪を溶かす。まだ樹林帯の為、ダストが入らないようハイドロレーションのタンクに詰めた。
撤収作業をしていると、林間の有明山からオレンジビームを受ける。 願い通りに風弱く好天だ。
昨夜は熟睡ではなかったが、歩きだしても身体に疲労や痛みは無い。
今朝、稜線に居たかったナ〜 風による整形された針葉樹
登り/急登/稜線
 1時間30分
アイゼン&Wストック Myトレース → スネラッセル
合戦小屋 2375m 07:50〜08:10 気象;晴 西微風 気温;1℃ 携帯(FOMA);圏外
昨日トレースをつけた2300m地点、その先の雪原まではスムーズに登れたが、
合戦小屋手前の水平尾根の部分は、度々樹が濃くなってヒザラッセルを強いられたり、
荷物が枝に干渉したりと以外と手こずる。
合戦ノ頭へ真っ直ぐ
雪に埋没した合戦小屋
雪に埋没した合戦小屋に到着。
この先は森林限界を越える 休憩しておきましょう
森林限界の広葉樹
合戦小屋の先、夏道は蛇行しながら合戦ノ頭に登って行くが、今日は直登する。
森林限界を超えてもラッセルは続いた。 表面はクラスト気味だが中は軽雪なのだ。
登り 50分 アイゼン&Wストック スネラッセル
合戦ノ頭 2489m 09:00 気象;晴 南西風微風 気温;3℃
『やったね!』 青と白の開放的な世界が広がり、昨日からの独りラッセルが報われる。
自分の足元から続く雪の廊下が、Tボーンで大天井岳〜燕岳の稜線に交わっている。
その白い稜線は、まるで両手を広げて雪の北アルプスに招いてくれているようだ。
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雪燕の姿も見えてきた。Tの交点には燕山荘の赤い屋根も見てとれる。
  『あそこまで行くノダ。』
森林のガードが消えても風は弱い 太陽サンサンで暑いくらいだ。
そして槍ヶ岳の頭が稜線の裏から登場すれば、気持ちも更に熱くなる。
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おてんしょうだけ(2922m)
大天井岳(おてんしょだけ)
槍ヶ岳 登場〜
-マウスをのせてみて-
合戦ノ頭から燕山荘が見えているが、見える場所は遠い。
もっとガチガチな状態を予想していた合戦尾根の雪廊下だが、
気温が高いのか、地形的な影響か、相変わらずスネラッセルでの進行だ。
北側にはセッピがある 所々に観得る赤旗を目安に進む。
 もうちょっと!
燕山荘直下は急登だ
合戦ノ頭は2489m 有明山は2268m
有明山を見下ろすようになった。 彼方の山影は八ヶ岳
登り/急登 2時間 アイゼン&Wストック スネラッセル
無人小屋 燕山荘 2705m 11:00 到着 気象;晴 北微風 気温;0℃ 携帯(FOMA);微妙
燕山荘(えんざんそう)直下の急な坂をキックステップで直登し、燕山荘の裏側(大天井岳側)に到着。
素晴らしい北アルプスの展望を横目に、まずは冬期小屋を確認する。
 〜今回はツエルトしか持ってきていないので、もし小屋が使えない場合は雪洞を掘るか、今日中に森林帯まで下山せねばならない〜
ギロチン扉は素手で上げられた。 三重の扉を開けると…
燕山荘 冬季小屋入口 床はコンパネ張りです 無雪期は大人気の燕山小屋
こちらが燕山荘、夏の顔
今回、小屋の東側は通れなかった
燕山荘冬季小屋の図
『スバラシイ!!』
余裕で80名ほどが泊れそうな室内は、雪が入り込んでおらずドライ状態だ。
二段に区切られたひとつのブロックが8畳ほどの広さで、出窓のように物を置くスペースが
付く窓からは光が差し込んでいて明るい。 トイレへも室内から通じている。
      (大の方は掘り出さないと使えない状況だったが)
『これで今夜は安心だわ。』 余裕ができた。
今回は利用せず
残念ながら発掘しないと使えません
冬期小屋は利用料¥1,000を備え付けのポストに入れるシステムだ。
台帳をみると、前回利用された方は正月明けの8日と記してある。
燕山荘は年末年始には小屋番が入っての冬季営業するので、大変賑うそうだが、
しかし、それ以外の冬期は利用する人は少ないようだ。
ピーク 燕岳 へ 2763m 気象;晴 北微風 気温;2℃ 携帯(FOMA);微妙
今日の宿が確保できたトコロで山見に興じる。
西側には、迫力ある北アルプス裏銀座の山並だ。
頂達は白く連なり、そして幾重にも重なっている。
小屋正面に面に備わる方位盤を視なければ区別がつかないほどだ。
槍ヶ岳の頂には、ギザギザな北鎌尾根とは対照的に
かわいい大・小・孫槍が並んでいる。
クリックで拡大します
燕山荘は(えんざんそう)だが、燕岳は(つばくろだけ)だ
そして 燕山荘の北 青空の元の雪燕をユックリと観る。
広い頂角に稜線のいたる場所から生まれ出た奇岩達が
趣を添える優雅な頂だ。 『やっと会えた雪燕。』
雪燕の頂に向う。
稜線の雪は薄く、かなり砂礫が出ている。
登山道だけは、なんとか雪がこびり付いている状態だ。
あまりにも広く、そして奥深い
表銀座から観る裏銀座
お約束のイルカ岩 青龍の神器? ヤスリ肌
奇岩は皆、花崗岩だ。
このもろい岩が風化し、砂礫となって
コマクサの畑になる
名物の岩オブジェ達を見物しながらの稜線散歩 クリックで拡大します
クリックで拡大します
頂直下のメガネ岩
最後は岩迷路を抜けて燕岳の頂に。
前回の八ヶ岳は途中撤退だったので、『頂上は久し振り〜』
雪燕の頂上 クリックで拡大します 御満悦
目の前の大山脈、雲海を貫く遠い山脈_
飽きる事の無い景色を満喫する。
燕山荘に戻り中間のフリースを脱ぐ。 風弱く、運動量が少なくても暑い陽気だ。
稜線 ピストン
行き:35分 戻り:25分
アイゼン&ピッケル 薄雪

蛙岩 へ 2660m 気象;晴 北微風 気温;3℃ 携帯(FOMA);微妙
燕山荘の南 表銀座の稜線上には蛙岩(ゲロイワ)と呼ばれる奇岩がある。カエル好きの自分、行かない訳にはイカナイ。
蛙岩までは全体的には緩やかな下りなのだが、UP&Downが続き、燕岳までより岩が出ている個所も多かった。
クリックで拡大します
振り返ると今回の散歩エリアが一望だ
蛙岩へ
ちょっと益田の岩船に似ている
冬ルートは中心の穴だそうだ
烏帽子な岩の後ろに岩の塊 『カエルには観えないけどな〜』
周囲は巨大岩の迷路のようだ。 蛙岩の中心にある狭き門に潜り込んだ。
気分はインディ〜♪
蛙の股を抜けると_
表銀座縦走路
表銀座は、大天井岳に続きます
大きく槍ヶ岳が見えました

この先は危険だから、帰る_
危険なエリアから還ってきた_
それぞれのカエルなのかもしれません。
稜線 ピストン
行き:30分 戻り:40分
アイゼン&ピッケル 薄雪・岩

冬と違い太陽の恩恵が長い春だ 散歩を楽しんだ後も充分に時間がある。
燕山荘でcoffeeを点て、スケッチしながら日没を待つ。
残念ながら西ノ空に雲があって、山に強い光線は届かなかったが、彩な空や雲のマジックアワーだ。
夕闇迫る槍ヶ岳 クリックで拡大します 夕彩空に雪燕
あと入れの麻油がおいしい 結局今日は貸切の小屋だ。
広い・水平・濡れない・安心_ そして暖かい。
夜も朝も素手でいられ、寝袋だけでもポカポカ
夜に作った水も、朝まで凍ることは無かった。
今夜はマルタイラーメン熊本バージョン
ランチョミートをトッピングして二人前を食べきる。
『燃料と食料があれば、家賃3万/月か〜』などと考えながら眠りについた。

三日目 ;2009.04.04 
燕山荘〜合戦尾根〜中房温泉→宮城ゲート
行程時間;6時間10分  移動時間;5時間40分
05:00に鳴るアラーム 朝まで熟睡だ。 この時間で小屋内は -1℃ 窓を開けると -12℃で北風が吹いている。
しかし日ノ出を待っている間も、小屋内から窓越しでぬくぬくだ。
ぬくぬくでこの景色が楽しめる
『窓を開ければ〜』
クリックで拡大
『槍穂が見える♪』
外は、さすがにまだ寒い。
朝日を浴びる
小屋近くの小山に登り、朝焼けを観る。 残念ながら東の空には雲が多く
モルゲンロート色とはいかなかったが、輝きだす山々に心踊る。
北アルプスの朝だ
クリックで拡大します クリックで拡大します 朝の雪燕
無人小屋 燕山荘 2705m 出立 06:50 気象;晴 北西風 気温;-6℃ 携帯(FOMA);微妙
今は東から眩しい朝日が注いでいるが、西ノ空には藍色の雲が溜まっている。 風も西寄りになった。
 『天候悪化の兆し』 早めに下山しましょう。
広い小屋内での撤収は短時間で“きちんと”済む。 小屋内を掃除して下山開始する。
下り/急下り 25分 アイゼン&Wストック Myトレース
合戦ノ頭 2489m 07:15 気象;晴 無風 気温;0℃
下山開始 クリックで拡大します クリックで拡大します
登りより下りの方が歩幅が広いもんだが、自分がつけたトレースを忠実にたどる。
朝でも雪は柔らかく、下り荷重分沈む。『慎重に、慎重に。』
稜線の東側に降りると、途端に風が無くなった。
下り 20分
合戦小屋 2375m 07:35〜07:50 気象;晴 無風 気温;4℃
クリックで拡大します 『暑いよ〜』
手前からファスナー全開にしたジャケットを
脱ぎすてる。 オーバーパンツも脱ぐ。
今日は長い下りの工程だ 靴紐を増締めし、
森林帯に入って行く。
合戦小屋まで戻ってきました
下り 25分  アイゼン&ストック Myトレース
2130m地点 2130m 08:15 気象;晴 無風 気温;*℃
生きている樹の周りは雪解けも早い 一昨日お世話になった古樹にお礼し、合戦尾根をどんどん下る。
大雪が降る心配は無いので、小々天候が悪化しても自分のトレースを辿れば
道に迷う心配は無いのだが、やはり単独での悪天候は嫌なもんだし、
なによりこの気温、林道歩きが雨にならない事を祈るばかりだ。
下り/急下り 45分 アイゼン&ストック Myトレース
第二ベンチ 1840m 09:00 気象;晴 / 曇り 気温;4℃
第二ベンチ辺りに達する頃には雲が多くなってきた。
下り/急下り  20分  アイゼン&ストック Myトレース
第一ベンチ 1670m 09:20 気象;晴 / 曇り 気温;9℃
気温上昇。
陽があたる場所では雪ダンゴが絡みだし、登り時は支えれた踏み跡が下り荷重に耐えられず、踏みぬいてしまう個所も出てくる。
次々と木々の枝から雪が塊で落ちる また、一昨日は無かったデブリが所々で見られるようになる。
第一ベンチ 重〜い
雪ダンゴ
自分の踏跡も消えてしまう
デブリ
もうすぐ中房温泉という所で単独行のお兄さんが登ってきた 大天井まで行くそうだ。 燕山荘:冬季小屋の快適さを宣伝しておく。
下り/急下り  35分 アイゼン&ストック Myトレース
中房温泉登山口 1462m 09:55〜10:10 気象;曇り / 微雪 南唐風 気温;9℃ 携帯(FOMA);圏外
温泉
天気が良ければ浸かっていたナ
湯原の湯
土道が現れたところでアイゼンを外し、手に
ぶらさげたまま登山口に到着。
登りは10時間かかった合戦尾根も、下りは
3時間だった。
一昨日とすっかり情景が変わってしまった
立派な国民宿舎 有明荘
-マウスをのせてみて-
空はすっかり薄グレー色 時々強めに谷を吹き
抜ける風には雪が交る。
『こりゃ、だめかな』休憩しながら雨を覚悟する
登山道口の横には日帰り温泉の“湯原の湯”がある。 もちろん今は、誰も居らず冬季閉鎖中なのだが、湯はかけ流しで湛えられ
ているので、その気になれば浸かる事も出来そうだ_ そう、12kmの林道歩きが無ければだ。
また空が少し明るくなってきた ストックにゴムキャップをはめて舗装路を歩きだす。
有明荘の手前で、別の単独行のお兄さんが登ってきた。 北アルプスにも春山の季節がやってきたようだ。
アプローチ下り 50分 舗装路 Wストック
信濃坂 1235m 11:00 気象;曇り 無風 気温;9℃
今日も凍っていないので助かりました
帰りは登り返す信濃坂
一昨日の樹々の雪は溶けてしまい、今にも
降り出しそうな空と相まって寒々しい情景だ。
所々にある排気口から湯気が出ている
この林道の地下には麓の宿に引いて
いる温泉の管が埋設されているそうだ。
林道を歩きながら考える。
このぐらいの雪ならMTBでも走れそう_
『でも、往路の登りを雪靴で漕ぎきれるか!?』
アプローチ下り 45分 舗装路 Wストック
観音峠 1046m 11:45 気象;曇り 無風 気温;9℃
これは力水より信濃坂寄りの湧水
常念山脈からの恵水
来るときに、信濃坂と観音峠の間で何箇所か水が湧いていたのを覚えていた。
昨日作った水は中房温泉で大分飲んでしまったので、湧き水で喉を潤す。
力水と札の架かった水場は一番宮城ゲート寄りのスノーシェッド出口で湧いていた。
燕岳の名は、春に出来る雪形が燕に似ていることからついた山名だそうだが、
スノーシェッドの天井や支柱には、たくさん燕の巣が見られた。
主達は留守だが、まもなくリフォームが始まるであろう。
ちゃんと風向きを考えている場所だ
アプローチ下り  1時間15分 舗装路 Wストック
駐車場 宮城ゲート 750m 13:00 下山 気象;曇り→小雨 無風 気温;11℃ 携帯(FOMA);良好
帰ってきました まだ宮城ゲートまで距離があるが、谷が開け安曇野の町が見えると
携帯の電波が通り、溜まっていたメールが入る。
メールを打ちながらの林道歩きとなる。
宮城ゲートに到着すると同時に小雨がパラパラ
『ギリギリセーフ よかったよかった。』

安曇野
中房温泉に浸かれなかったので、麓の温泉に入ります。
近くには中房温泉の湯を引いているしゃくなげ荘等などもがあるが、それは次回中房温泉本家に浸かってからにいたしましょう。
サラダ街道;山麓線沿いの常念坊へ 源泉を持つ小奇麗な温泉宿で、立ち寄り湯も食事もOKだった。
特徴の無い湯と悪い評価を受けやすい穂高温泉 たしかに透明無臭の湯は温泉ぽくないが、浸かってみれば、やはり温泉。
肌がスベスベに磨かれるのが感じられる。 特に日焼けした顔は気持ちいい。
畳の休憩処で、折角なので安曇野蕎麦を頂く。 つゆは甘ったるくて好みでないが、蕎麦は深い香りがしてナカナカ美味しかった。
もう少し暖かったら、ざるを御代りするトコロだ。
道の駅;安曇野松川で長野野菜やお菓子を買って、すっかり雨降りとなった安曇野をあとにする。
源泉だが循環式のようです
露天もあったが、内湯の奥側が気持ちよかった
ちょっと寒かったので温かい蕎麦を頂きました
安曇野蕎麦
上品でいて濃厚!美味しかった
お土産のあずみ野バーム
自家用車 休日¥1,000となった高速道路 いつもの休日より変な運転をしている人が多い。 談合坂から渋滞する。
 安曇野・有明→【豊科/中央HW】→自宅


参考タイム
宮城ゲート〜中房温泉 中房温泉〜燕山荘 燕山荘〜燕岳 燕山荘〜蛙岩
登り(往路) 4時間10分 9時間25分 35分 30分
下り(復路) 2時間50分 2時間50分 25分 40分
日ノ出05:30頃 日ノ入18:10頃
天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水:1.5Lハイドロレーションシステム   5食+行動食4日分  (残:1食+行動食1日分)
  ツエルト、コンロ(中カートリッジ*2)  60L+5Lザック(18kg)
  Wストック  ピッケル アイゼン スノーシュー  
反 省 スノーシュー 2100m地点までツボ足で登ったが、もっと早くスノーシューを履くべきだったようだ。
急登の合戦尾根だが、雪道ショートカットしなければ、スノーシューでも確実に登れそうなので
中房温泉登山口からでも行けた_だろう。
短時間ならばツボ足でもOKだが、時間が長くなると、やはりスノーシューの方が体力的に
楽なので、結果時間も短縮できたはずだ。
good 燕山荘冬季小屋 冬季(避難)小屋と言うと、氷室のような部屋で『暗い・狭い・寒い』と言ったイメージを
懐いていたのだが、燕山荘の冬季小屋は登山者にとってはリゾートホテルのようでした。
厳冬期ではないので断言はできないが、其処に居るならば、燃料と食料が続く限り生きていけそうだ。
感 想 『ついに雪の北アルプスへの第一歩!?』
いえいえ、今シーズンは暖冬だったので、冬の終り・春の始まりといった季節だったようです。
それでもこんなに沢山雪がついた北アルプスを間近で観ることができて嬉しかった!

【 雪燕】
【 Magic hour 】

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