07月山 山スキー;山のもの ;海のものとも山のものとも
2007/05/14 up 
月山
姥沢〜月山〜南西斜面〜姥ヶ岳〜姥沢
残雪期・単独・山スキー・1Day
2007年 4月30日(月)
行程;5時間25分  移動;2時間45分
月の雪砂漠
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまで参考としてください

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前日は→  山のもの ;07鳥海山 山スキー 矢島口;往復
月山&姥ヶ岳 平面略図 月山&姥ヶ岳 高低略図
てっきり国道から月山に登って行く道:県道月山志津線は夜間通行止めと思い、旧;朝日村にある道の駅・月山で車泊した
明るくなってから姥沢に車を走らせると、「今年は夜間通行止めは解除」のメッセージ
 『これなら夕べ駐車場に入ればよかったカナ』
到着した500台分の駐車スペース;姥沢駐車場はガラガラだった
姥沢駐車場 1165m 06:30出立 気象;快晴 西微風 気温;(05:00;2℃) Foma ×
月山夏スキー場 名前の通り、夏(4月)になるとOPENするスキー場だ
丁度、湯殿山や姥ヶ岳の頂に朝日の灯りが点される ここから月山の頂は見えないが、やはり朝の山は素敵な表情を魅せてくれる
雪いっぱい
朝日連峰
On click!
出羽三山の一角 湯殿山
ナチュラルゲレンデ
姥ヶ岳
GWなので、もっと混雑するかと思ったが、二度寝から目覚めても車の台数は到着時と大差なかった
中途半端な二度寝のせいで〔ボ〜っ〕としたまま朝食&入山準備を済ませた
『よっこいしょ』 スキーを肩担ぎでトボトボとリフト乗り場に向かって歩きだす
15分 アプローチ道 ツボ足
リフト下 1240m 06:45〜07:00 気象;快晴 気温;7℃
朝一のリフト乗り場は、さらにガラガラだ ゲレンデ施設で働く方の方が遙かに多い
リフトが動き出すの待っているのは、自分とフリートレックのおじさん、
そして登山スタイルのアベックの方々だけでした
GWは7:00にリフトが動き出す 登山届けを提出バインダーに挿みリフトに乗り込んだ
十数年ぶりに訪れた月山夏スキー場 『ちっとも変っていないや』
ガラガラリフト
15分 リフト
リフト上 1505m 07:15〜07:25入山 気象;快晴 気温;3℃
ゲレンデといってもリフトはこの一本のみで、他はTバー数本
建物もベース部にしか無い施設なので、左手に広がる姥ヶ岳の斜面ですら広大なバックカントリーエリアに思える
しかしリフトを降りるとその何倍もある“雪の砂漠”が広がっている
月山南西斜面 姥ヶ岳の稜線が大きく右に弧を描き、牛首からは急角度で月山の頂上へと続いている
その間の大きく緩やかなボウル地形を含め、この広大なフィールドには樹が一本も無い
月の雪砂漠を遙々と
『月の雪砂漠』  -勝手ながら“月山ボウル”と呼びます-
今日はシール登行だ さっそくシールを貼り、ザックを背負ってスキーを履く
『あっ。』 準備体操をしていないコトを思い出した スキー板を履いたまま柔軟体操を行なう
/ 35分 シール 硬雪・トレース
柴灯森 1729m 08:00〜08:05 気象;快晴 北西風 気温;2℃
最初は月山ボウル;姥ヶ岳東の脇腹を水平に進む GW3日目なので、トレースは沢山付いている
先行のフリートレックのおじさんがポツンと見える 先行者がいなければ、スケールが判らなくなりそうな世界だ
今現在、雪の状態は昨日の鳥海山ほどではないが、硬めの雪で悪くない
が、月山ボウルは南側だけ開いた地形で無風状態 水平に近い進行なのだが、熱気で大汗をかいている
『降りてくる頃はベチャベチャかな?』
ポチッがおじさんです
おじさん、達者です
威嚇して、また駆け上っていった
姥ヶ岳からキツネが駆け下る
On click!
柴灯森からの月山
姥ヶ岳のトラバース後半は、小さい尾根谷を横断するので夏道よりも早めに標高を稼いで柴灯森に出る
稜線に出れば、風が抜けるなので気持ちよい
フリートレックのおじさんと一緒に休憩しながらお話する おじさんも関東からのお越しで、やはり昨日は鳥海山を滑ったそうだ
自分もそうだが、GWの時期に遠征してくる方は月山・鳥海山のバリューセットで行動するのが常らしい
山形高速道路も延び、時間・距離的にも北アルプスと、あまり違いは無くなったのだが、やはりまだ『遠路はるばる_』と言う気がする
20分 シール 硬雪・トレース
牛首 1715m 08:25〜08:30 気象;快晴 無風 気温;4℃
頂上台地まで標高差で250m ここから急激に斜度が増す 直登ルートには、頂直下に結構な斜面の箇所もある
『あそこを直登り出来ますかね?』 「う〜ん まだ少し凍っている箇所もあるね もう少し日が昇れば、いいんだけど」
おじさんとルートを検討する
クトー出さなきゃ
頂直下の急斜面
On click!
一気に登りました
緩むまで頂上に居ましょう
まだテカテカの箇所もある
『こういった箇所は若い者順で。』
大きく右に捲こうと思いながら取り付くが、意外とシールが利く 『これなら行けそうだ』
考えを改め、直登ルートに板を向ける 最大斜度は昨日の鳥海山:舎利坂よりキツそうだ
頂上が近づくとさすがに氷質となる 途中でクトーを引き出して、なんとか登りきれた
30分 シール+クトー 硬雪→アイス
月山 1984m 09:00〜10:00 気象;快晴 西烈風 気温;4℃ Foma ×
1950mで頂上台地の淵に至る この辺りはブッシュが所々出ている 避けながら登り詰めればガチガチの氷原に出た
月山は昨日の鳥海山より内陸だが、やはり独立峰なので、今日も日本海越風の洗礼を受けるコトになる
写真では烈風は伝わりませんネ
頂上が近づくにつれ風圧が増し、氷に埋まった小屋の屋根だけが強風をしのげる安全地帯となってきた
安全地帯である三角屋根から30mほど先に神社と思われる屋根が飛び出ている どうやらあそこが頂上の月山神社ようだ
一段と西風が暴れだす 昨日の鳥海山よりも強く、弱まるタイミングもない
板を脱ぎ捨て、安全地帯である三角屋根を出る とたん風圧で頬が凹む 身体も風上に傾きながらの進行だ
 なんとかツクヨミに“すがりつく”
この先が三角点らしいが、風を遮る物が何も無いので、もう進めない 後から到着したお兄さん御二人も、凶暴な風に襲われた

烈風の月山頂上台地は真平ら
社の屋根 夏より標高が高い?
ツクヨミの社
On click!
板をデポした三角屋根よりも、さらに風を遮ってくれる頂上小屋の風裏に戻り休憩する
丁度、フリートレックのおじさんが滑走の準備をしていた 互いに、風は強いが青空が広がる天候に頂至出来たことを喜ぶ
おじさんは頂上台地を後にされ、滑走に移る
正面には春霞気味の葉山が大きく見える
当初は月山東側を少し滑ろうかと考えていたが、この風では登り返しがきつそうだ
ここはコンロも使える Coffeeを点て、のんびりするコトにした
しっかり寛いだ頃、リフト乗り場で一緒だったアベックご両人も烈風の洗礼を受け、この風裏に逃げ込んできた
『ここは天国ですよ!』 笑いながら団らんする
お兄さんは -やはり- 実家が山形だそうで、GWに里帰りしたのを期に 二人で雪の月山を登られたそうだ
すっかり長居してしまった 『そろそろ滑るか』 シールを剥して頂上台地の淵に向かう
月山南西斜面・滑走
ひゃっほ〜
『ここを滑っていいのね〜』
牛首までは捩れなしの一枚バーン
 姥ヶ岳の先には春霞の朝日連峰
『ほんと山形のバックカントリーは素晴しいナァ〜』
雪質は登った頃より緩み、アイスとザラメ質の中間ぐらい 安全かつ楽しい雪質だ
しかし、これから頂上を目指す方々の視線がプレッシャーだ
 『ヘッピリ姿は見せられぬ。』
 飛び込む感じでスキーをフォールラインへ向ける
15分 スキー アイス〜ザラメ
牛首 1715m 10:15〜10:30 気象;快晴 無風 気温;6℃
短いが楽しい斜面 『最高〜でした!』
頂上で団らんしたアベックが休憩しているのを見つけ滑り込む
お兄さんはテレマークをやった事があるそうで、
山スキーの道具に興味津々。
おねいさんは、今夏は北アの山小屋勤めをするそうで、
 『これまた、うらやましい』
あれこれお話しながら、また一服する
月山頂上台地から牛首までの標高差は250m
平均斜度は25°ぐらいだ
『もう一回登ろうかな?』そんな気も起きたが、
今度は月山ボールの底に向かって滑り出る
月山ボウル・滑走
登り時に懸念した月山ボウルの雪質は、まだザラメ質
縦方向は、ほとんどノートラック 十二分に滑る価値がある状態だ。 姥ヶ岳に登り返すつもりなので、本来は右寄りに滑った方が
後々楽なのだが、『もうチョイ もうチョイ』でスキーを
月山ボールの底に向けてしまう
どこまで滑ろう?
比較物が無い雪景色なので、スケールが伝わりにくいが
滅茶苦茶広い月山ボール
視界の谷口まで1km以上あります
On click!
牛首下からの月山南西斜面
10分 スキー 硬雪〜ザラメ
ボールの底 1480m 10:40〜10:55 気象;快晴 無風 気温;10℃
姥ヶ岳の頂が丁度、東にくる辺り1500m地点  『あっつ〜』月山ボウルの底は日焼けマシーンだ
下からの照り返しは当たり前としても、此処は横からも〔ギラギラ〕照り返しビームを浴びる
月山は名前の通りツクヨミの山だが、今はアマテラスが暴走している
しかも稜線と違い、まったくの無風状態 『ヤッパリ雪砂漠だ』上着を脱ぎ水をガブ飲みする 
そんなボールの底でシールを再貼し、今度は姥ヶ岳に向って登りだす
On click!
姥ヶ岳山頂を目指します
ココハ雪サバク
またシール登行
On click!
月の器
雪砂漠からの直登を続けると、今朝 月山を目指したトラバース道と垂直に交差する 雪が朝より大分軟らかくなったのが良く分かる
人間塩田状態で登り続けるとポニー終点よりも上部に出た
ボウルの中と違い風がある 生き返った気分だ ここからは斜度も緩み姥ヶ岳の頂上も近い
25分 シール ザラメ→クリーム
姥ヶ岳 1688m 11:20〜11:40 気象;快晴 西微風 気温;8℃ Foma ×
月山は春スキーのエリアとして全国的に有名
現在でもTバーがメインであり、流行のリゾートゲレンデとは まったく異なるゲレンデだ
 《雲の峰いくつ崩れて月の山》 芭蕉は月山を そう詠んだ
オシャレ感や快適さよりも、昔ながらの、自然をそのまま楽しむ姿勢は現代の若者にも
受け入れられているようだ
姥ヶ岳山頂には、ゲレンデからも大勢の方々が登り、展望を楽しみながら休憩している
スキー場から僅かな登りで頂に立てるので、手軽にバックカントリー気分が味わえるのも
好まれるのであろう
  -もちろん、月山本峰はゲレンデ管理外 自己責任のフィールドです-

姥ヶ岳はゲレンデのすぐ上だ

皆さんはこれからのようです
姥ヶ岳山頂からの月山
朝日連峰も目の高サになり、頂上で見たよりもパノラマ風景だ
滑り降りてきた月山に転じれば、ヒトが増え、登っている方&滑っている方の姿も良く観える。 『う〜ん いいね』 しばらく山&ヒト観しながら休憩しよう
居心地のいい姥ヶ岳山頂
姥ヶ岳南西斜面
三角点が埋まっているピークを越え、南西方向に滑り出す
『休憩が長すぎたか』 もう雪はクリーム状で、大勢の人が削った雪屑が溜っていて滑りにくい。 すでに快適なオフピステを望める時間ではないようだ
今シーズン最後の滑りになるかもしれないが、怪我をしてはつまらない
あきらめて、1400m辺りで南東に向きを変えてゲレンデエリアに戻る
もうビチョビチョになってしまった
15分 スキー クリーム
姥沢駐車場 1165m 11:55下山 気象;快晴 無風 気温;18℃ Foma ×
ゲレンデもまだ余裕がある 姥沢の谷に滑りこむ 帰りはリフト乗り場の前を抜け駐車場まで滑って行ける
今日の月山は“崩れる雲”がひとつも無い快晴なので、
アスファルト敷きの駐車場の気温は18℃ 車内はACをかける必要がある
  -下界の山形市街は25℃!だった-
駐車場はほぼ満車のようだが、今日は溢れるほどではナイ様だ
15分
月山志津温泉
駐車場のおじさんから聞き出した“お勧めの”に立ち寄る
旅館;仙台屋さんは露天は無いが、まだ新しい浴槽がとても気持ちいい
お昼なので貸切状態で湯に浸かれた
ヒバの香りがする浴室
詳細は→ 楽しきもの:07庄内
鳥海山・月山のバリューセットに満足し帰路につく
GW前半最終日なのだが、道は意外とスムーズ
ETC夜間割引を適用させるため、途中のSA.で仮眠したほどだ
その気になれば、お昼過ぎに月山を出発し、温泉や米沢牛を味わっても、
その日の内に自宅に戻れそうだ
  →【寒河江/山形HW.】→自宅

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水:1.5L ハイドロレーションシステム 1食+行動食1日分  (食は未使用)
  ツエルト、コンロ(中カートリッジ*1)
  30Lザック(6.5kg)
  手元 ; Wストック   ピッケル(未使用)
  足元 ;山スキー   アイゼン (未使用)
反 省 順路 めちゃくちゃ気温が上がった
先に姥ヶ岳を登り -少し滑走し- 月山頂上に登り返し、月山ボールを一気に滑って
駐車場に戻る順路の方が、気分・雪質的に良かったかもしれない
good スキー場 地方のスキー場も、どんどんオシャレになってゆく昨今だが、月山夏スキー場はこのままがいい。
『まず、自然ありき』 久しぶりに昔のスキー場気分を味わった
感 想
  『眺めて好し、滑って良し』
前日に滑った鳥海山を含めて、庄内平野の南北でそびえる両山は、素敵なフィールドでした
無木立の長く&広い斜面は、自分の技量でも安全に楽しく滑れました
そうは言っても、月山にも四方八方にルートが在る
総長20kmを越すルートは“ざら”で、中には驚きの45km/3Dayルートまで存在するそうだ
『昨日の鳥海山と言い、なんというスケール! 最近流行の、お手軽山スキーとは楽しみ方が
まるで違うゾ』
ついつい鳥海山+月山のセットで遠征してしまったが、次回はどちらか一山でよいから、もう少し長いルートを滑ってみたい

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