07月山 山スキー;山のもの ;海のものとも山のものとも
2008/09/17 up 
磐梯山 南東沢 山スキー
猪苗代スキー場〜赤埴山〜東尾根〜磐梯山 ;往復
単独・山スキー・前泊+1Day
2008年 3月12日(水)
行程;6時間25分  移動;4時間30分
春直前の会津 快晴の磐梯山での山スキー
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまで参考としてください
省略記号
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  磐梯山高低略図
ミネロ駐車場 700m 08:30出立 気象;快晴 無風 気温;6℃ Foma ○
 前夜は隣の猪苗代リゾートに宿泊していたので、早朝ゲレンデオープンに合わせて猪苗代スキー場に移動する。
平日なのでミネロゲレンデ・ベース前に車を乗り付けられた。
 すでに青い空が一面に広がり、赤埴山(あかはにやま)の尾根越しに磐梯山の白い頂が観得る。 雲ひとつ無い。
『今日は一日天気が持ちそうだ。』 春近いとはいえ、会津でこれだけの快晴日は幸運であろう。
山に入る準備を終えても、まだ時間が有る。 ベース内の無料モーニングコーヒーをありがたく頂く。
猪苗代ミネロゲレンデ・ベース 無料でドリップされたコーヒーをいただけます 車に貼って行くと、特典があるそうです
駐車場、コーヒー、ステッカーも無料の大盤振舞
リフトx2 15分 リフト運航/平日 08:30〜16:30  リフト券2枚(¥400*2)
ミネロ・リフト上 1250m 08:45〜09:55  入山 気象;快晴 南西微風 気温;4℃
パトロール小屋  リフトを二本乗継いで赤埴大回転ゲレンデ最上部へ。
パトロール小屋に登山届けを提出する。
一緒に上がってきたローカル風のおじさんは、沼ノ平方面に入山するそうだ。
自分も板にシールを貼り、パトロール小屋の直裏から登り始める。
正式な赤埴大回転コースは、ゲレンデより少し上部からスタートするそうだが、その
境は良く解らない。
 まだ雪が凍っていて傾斜も強く、直登りではシールが利かない。
すぐにクトーをひきだし、赤埴大回転コースにジグザグを刻みながら登る。
25分 シール+クトー 硬雪
赤埴山乗っ越し 1400m 〜09:20〜 気象;快晴 南西微風 気温;5℃
 赤埴山の西をトラバース気味に進行。 できるだけ無駄な登りは避けたい_が、予想以上にブッシュが濃いので、
結局 尾根沿いの夏道を進んで赤埴山の頂上近くで乗っ越すコトとなった。
 左手には、谷を挟んでどっしりと磐梯山が居る。
南の表磐梯側は、なだらかに尾根が伸びているが、北側は繰り返し発生した山体崩壊が荒々しい姿だ。
そして、その二面性の境目が今日のハイクアップルートの東尾根だ。 白く直線的に延びる尾根は、
谷を回り込んで取付くので地図よりも遠い場所に感じる。
赤埴山頂上付近はゴツゴツ岩だらけだし、反対側の下りも幅がせまい。 ここは板を両手にして行こう。
『結構遠いな〜』
磐梯山
雪が多ければ覆われる?
赤埴山の西はブッシュが多かった
尾根沿いの夏道
結局、頂上まで登るのかぁ〜

磐梯山頂部 (ポインタをのせると今日のルートを表示)
15分 シール+クトー  → ツボ足 硬雪・トレース
鞍部 1360m 09:35〜09:45 気象;快晴 無風 気温;6℃ Foma ×
雪はまだ硬い
赤埴山北面
 赤埴山の北側は平坦となり、無雪期であれば道は沼ノ平へと続く。
硬雪につけられたトレースも、全て沼ノ平へと向かっている
しかし自分は、この路から外れ東尾根に向かうのだ。
   南東尾根は無雪期は登山道ではありません
 夏ならば細長い池を横断。
この時間になると、快晴の日差しを強く感じ、白い池はレフ板状態で日焼けマシーンのようだ。
 汗をぬぐいながら先を視る。
ここから東尾根に取り付くには、小山を越えなければ
ならないようだ…
夏なら池です
20分 ツボ足 硬雪→ヒザラッセル
東尾根取付き 1400m 10:05 気象;快晴 無風 気温;4℃
 短い急な斜面の小山を、無理やりツボ足で登り降りして東尾根に取りつく。
見上げる南東尾根は、踏跡の無い真白な廊下で、青空に向かって、真直ぐ延びて発射台のようだ。
再びシール登行 雪はまだ硬い。
東尾根は幅せまく、特に北側は急峻なのだが、登るにつれて沼ノ平を見下ろす好展望を得られる。
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見上げる東尾根
沼ノ平と櫛ヶ岳
沼ノ平
沼ノ平は1888年の大爆発によって造られた直径約2kmの馬蹄形の爆発カルデラ湖。
この爆発の泥流が裏磐梯の裾に流れ、堰止によって生じたのが檜原湖,小野川湖,秋元湖などだそうだ。
爆発から、まだ百二十年余_ 当時の景色は現在とは、まったく異なったのだろう。
25分 シール 硬雪
廊下上 1580m 10:30 気象;快晴 北微風 気温;5℃ Foma ○
 東尾根の白廊下を詰めて行くと、次第に大きなウネリやシュカラブ、 南側にはセッピと、シール登行がキツクなってきた。
そして先を見ると、一ヵ所ぜったい板を履いては登れないであろう急斜面も視える。
『板をデポするのも一つの手_ 』
が、しかし その急斜面の横には、そこを登らなければ滑れない良い斜面が在るではないか!
ここは頑張ってシールで越えたが。。
待ち受ける手強いシュカラブ
コンニチハ オジャマシマス
板をザックにくくりつけ、アイゼンを装着していると
カモシカが覗きに来た
25分 アイゼン 硬雪
急斜面下 1650m 10:55〜11:00  気象;快晴 北微風 気温;4℃
 直線的だった東尾根が、一旦蛇行し平坦気味になる。 そのまま尾根上を進むと、さきほど見えた急斜面の真下に立つ。
距離は短いが、離れた場所から視るよりも一段と急な斜面だ。
『やっぱり板をデポしょうか』 とも思ったが、時間的に余裕があるし、なにより左手側を並行する南東沢源頭斜面が
魅力的すぎ。 ストックをピッケルに持ち変えただけで、板担ぎのまま直登する。
硬いアイスの上に柔らかく軽い雪が覆っている状態なので、一歩一歩慎重にキックステップで進む。
左側には滑走予定の南東沢が幅広く寄り添う。 状態を観察しながら、 『まってろよ!』

箕輪〜安達太良
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南東沢源頭部

『登るぞ!』
30分 アイゼン 硬雪
南東尾根出合 1720m 11:30〜11:35 気象;快晴 南東微風 気温;4℃
 急斜面を登り切ると、高い樹は消えて青と白の世界が広がる。
風の抜け方が違うのか、東尾根の取り付き尾根では南に発達していたセッピが、ここでは急峻な北の沼ノ平側に成っていて
所々で崩落していた。
南東尾根出合へ
青と白
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Please click !
南東尾根の出合はすぐそこだ。 思った以上に頂も近い。
しかしここにきて急に深雪となる。
股下ラッセルを強いられ、やっと到った南東尾根出合。
ここからは雪もアイスのようで、 『いい感じ〜』
頂部は雪が飛んでしまうのであろう、ゴマ塩のようにブッシュが出ている。
板だけをデポして、もう手が届きそうな頂上に急ぐ。
Please click ! ノボレ!ノボレ!
モウチョット
Please click !
20分 アイゼン 股下ラッセル→硬雪
磐梯山 1819m 11:55〜12:40 気象;快晴 南微風 気温;6℃ Foma ○
 峰だけが白く浮かぶ朝日連峰、足下には、今噴火してもおかしくないと思えるほど荒らしい山の姿。
頂を挟んで氷結した湖と雲に溶け込んだような湖を比べ、そのすぐ側にあるヒトの暮らしを感じる。
磐梯山 頂上
手長足長を封じ込めた祠も
凍りついていた

朝日連峰
Please click !
櫛ヶ峰(1638m)
看板は、頂の少し下にありました
此処では、凍りついた頂上を輝かせる太陽と、
成層の濃さに近づいた青ノ空だけが遥かなモノだ。
“色即是空 空即是色” そんな情景と時間を独り
Please click !
猪苗代湖
磐梯山をで
裏磐梯 檜原湖
ありがたいことに、気持ち好い微風の頂なので
穏やかに情景を楽しめました。

さあ、次はスキーだ!
10分 スキー  柔雪
滑走 1730m 〜       12:50〜 気象;快晴 無風
南東沢へドロップイン!
雪は硬めで安定していました
 ブーツを締め板を履く。
南東尾根出合の南を回り込み、谷源頭口までは慎重にゆっくりと滑る。
  興奮のドロップイン! ノートラックの南東沢に滑りこめば、
仏の悟りよりも心躍る喜びだ。
上部は無木の大斜面 出だしは、かなりの急斜度だが幅が50m以上の浅い凹みなので、
実際の斜度より緊張感なく滑れた。
雪質も白輝の硬雪と点在するアイスの部分が、はっきりしているので滑りやすい。
 『板を担いだ甲斐があるもんだ。』 斜度が緩めば大廻りで滑れる。
15分 スキー 硬雪
南東沢1250m 1250m 13:05  気象;快晴 無風
漏斗状の地形なので、徐々に谷が狭く深くなってくる。
雪もかなり柔らかな感触に変った。
谷が南に向きを変える少し上部で、左に谷を抜け出る。 標高約1250m。
Please click !
 標高が下がり緩んだ雪に囲まれた谷底は居心地が悪い。
興奮余印に浸る間もなく、あわただしくシールを貼り赤埴山へ登り返す。
赤埴山北側の鞍部まで標高差150m。
凹み抜け出て、まばらに樹が生えている高地で一息つく。
滑った南東沢を見る。 谷は雪さえ安定していれば、まだ快適な滑走可能な
姿で続いている。
地図を見ると山麓の磐梯山牧場に出るようだが、上から見ると麓は樹木がだいぶ
増すようだ。
 30分 シール 柔雪
鞍部 1360m 13:35〜13:45  気象;快晴 無風 気温;8℃
Please click !  こちらも登るにつれ樹が多くなるが、幸いブッシュは出ていないので
スムーズに鞍部まで登り返せました。
15分 ツボ足 硬雪
赤埴山 1430m 14:00〜14:15 気象;快晴 無風 気温;8℃ Foma ○
 板を両手にノーアイゼンで登りました
赤埴山 頂
帰りはちゃんと赤埴山の頂を踏もう。 赤埴山頂上碑
赤埴山は二合目だそうです
赤埴山(あかはに山)の“埴”は埴輪を
意味する赤土の事だそうだが、今日は火山性の
ごつごつした黒岩だらけの頂をブーツで歩く。

磐梯山〜沼ノ平〜櫛ヶ峰
 
滑走 1420m 気象;快晴 無風
Dive into lake.  頂の岩帯を抜ければ再び滑走だ。
先ほど滑った南東沢源頭部に比べれば、赤埴山の南斜面は距離も短く、
チャレンジとは言えないバーンだが、此処は疎らな樹々と猪苗代湖に向かって
滑るようなロケーションが好い雰囲気を作っている。

赤埴山 南斜面
ご機嫌なクルージングを楽しめる
15分 スキー ザラメ
猪苗代スキー場 1250m 14:30〜14:40  気象;快晴 無風 気温;9℃
 迷うこともなく、朝登山届を出したパトロール小屋に滑り出る。
暇そうなパトロールのお兄さんに下山報告&山話。
今年は山の雪は多いそうで、パトロールのお兄さん方は、
もう少し季節が進んでから山を滑るそうだ。
赤埴大回転コースは、手強いコブでした
『まだ、オフピステ!?』 と思えるほど、人が居ないゲレンデ
20分 スキー ゲレンデ
ミネロ駐車場 700m 16:00 下山 気象;快晴 無風 気温;11℃ Foma ○
今日も宿泊する猪苗代リゾートへ車を走らせながら、今降りてきた磐梯山を眺める。
猪苗代側から望む磐梯山は、自分が観てきた北側の別顔を持っているとは思えない優しい山姿だ。
会津富士
こんな雪景色でも、桜は硬い芽を吹いていた。 会津の春も間近い

山のもの 08猪苗代リゾート ゲレンデスキー 翌日は、猪苗代リゾートスキー場で、
ゲレンデスキー
楽しきもの 08会津ぶらり  いなか暮らしを始めた恩師を訪ねた
今回の旅
春直前の会津を、ぶらりとしました
山のもの
08猪苗代リゾート ゲレンデスキー
楽しきもの 08会津ぶらり


天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水:1.5L ハイドロレーションシステム 1食+行動食1日分  (食は未使用)
  ツエルト、コンロ(中カートリッジ*1)
  30Lザック(6.5kg)
  手元 ; Wストック   ピッケル
  足元 ;山スキー   アイゼン
反 省 ルート見極 赤埴山のトラバースや、東尾根取りつきなど、あまり先を見ないでツボ足になってしまった。
もっとよく見定めれば、シールのまま行けるルートがあったかもしれない。
good 南東沢滑走 雪質が落ち付いていたおかげで、南東沢源頭部では、今までの山スキー中で、
一番の急斜面を滑れました。
天候 なかなか晴れない会津で、この晴天無風 出来すぎのバックカントリーでした。
感 想  旅立ち前にネットで調べると、「山を滑る距離が短い」「ゲレンデや人の生活が近すぎる」と
磐梯山は山スキーヤーには人気がないようでした。
 でも、自分は想像以上に楽しかった。
雪山登山的に登って、快晴の頂にも立てたし、チャレンジングな南東沢源頭部も滑走できた。
1Dayでこれだけ楽しめたのだから、文句の付けようが無いじゃないですか!

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