山のもの ;海のものとも山のものとも
2005/10/16 up    
北八ヶ岳
蓼科山(蓼科山登山口〜蓼科山〜蓼科牧場)
2005/10/15(sat.)
単独 (前車泊+)半日  工程6時間20分[歩行時間 4時間30分]
知人旅行の運転手 合間の山行 闇のアプローチ
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください

 前日16:30 知人を女神湖畔の宿に送る 明日の10:00に迎えに行く手ハズ
【縄文のビーナス】
女神湖から蓼科山を見る 今年の紅葉最盛期はまだのようだ
今日は青天だったが、山には嫌な雲がかかってくる
駐車スペースと登山口までのアプローチを下見する
寝場所、駐車スペースは良いが、アプローチが無灯の舗装路で7kmある
【白樺湖・スズランの湯】〈¥700〉 ;硫酸塩温泉 加温
スズランの湯ってこんなに透明だっかしら?? サビ茶色だったような記憶が〜

大浴場 スキーシーズンでない平日の夜なのでガラガラ
露天→サウナ→露天と1時間ぐらい浸かっていた
 白樺湖畔で食事を済ませ女神湖の(無料)で車泊

  
02:30起床  寝袋を出さずとも、毛布一枚で寝れるほど暖かかった
蓼科牧場駐車場 1550m 気象;曇り 気温;12℃
03:00出
DoCoMo
車を蓼科牧場駐車場に停める(無料) この広い駐車場での車泊は禁止されている
昨日下見した登山口までのアプローチを歩き出す すぐに街灯は無くなる 車が通る時間では無い
真闇の中、ヘッデンだけが頼り
風のリズムで森が〔ザー ザワザワザワ〕 森の奥からは〔ケーン〕 〔ギャッギャッ〕と鹿や猿の声
45分
夕陽の丘 1670m 気象;小雨 気温;8℃
03:45 風が強くなり小雨が降りだしてきた ワインディングロードを早足で進む
聞いた事も無い野生の声が周囲の森から聞こえる 『ヘンデルとグレーテルの気分』
南平のT字路を左折 スズラン峠(1750m)から少し下った左側に蓼科山登山口の駐車場(無料)がある
35分
登山口駐車場 1725m 気象;曇り・小雨 気温;10℃
04:20〜05:10
DoCoMo
1時間20分 長く感じたアプローチ
人が居ない人工物と自然の境界 槍ヶ岳ナイトトアタックよりよっぽど怖いぞ
予定の時間より早く着いたが、夜の森 登山道に入るのは腰が引ける
駐車場といっても照明も屋根も無い砂利の広場 道路反対の乙女茶屋も真暗
周囲数kmに人は居ないであろう 相変わらず森から野生の声が響き渡る
時々通り雨が降る ツエルトシートに包まり木にもたれ、Coffeeを点て気を紛らわす
空腹でもないし、獣が寄ってきても嫌なので食べ物は出さない
1分
蓼科山登山口 1715m 気象;曇り
05:10入山 まだ暗いが、今日は下山の時間が指定されているのでナイトトレールで入山
登山口は駐車場から僅かに下ったバス停の所 (は本数少なく要確認
登山道は最初、ササ原を斜度無く進むが、大きく左に曲がるあたりから
ブラックホールのような森に飲み込まれてゆく
森中 時折、茂みが大きく動く 何かは解からないが動物が居るのだろう 
しかし、アプローチの舗装路を歩いている時のような怖さはない
大石の急登りを10分ほど標高1850mまで進む
20分
1920m地点 1920m 気象;曇り・小雨 気温;10℃
05:30 1850〜1920m間は、森の中をユルリと進む 時折小雨が降る まだ日の光は感じない
1920m地点からは唐突に大岩の 岩間を縫うように急斜度な登りが始まる
25分
2113mの頭 2113m 気象;小雨 気温;9℃
05:55

南八ヶ岳の夜明け
八ヶ岳の裏側からオレンジ色に染まりだしてきた
『ありがたや』 息を切らしながらも闇から開放され緊張が和らぐ

2113mの頭からは八ヶ岳や南アルプスの展望が良い
山々が夜明け色をバックに浮き上がる
蓼科山の主頂部も見えてきた
頭の先、登山道の斜度はいったん緩み2160mコルまでは少し下る

横岳

南アルプス
15分
2160mコル 2160m 気象;曇り 気温;10℃
06:10〜06:15
2160mコル二股のふみ跡あり 右が登山道 左はガレ帯

蓼科山の主頂部

森の新陳代謝

窪の急登

縞枯れ現象のシラビソ
ここから登山道は再び急登り
山頂に向かって岩の窪がまっすぐ続く
斜度は徐々に増しMAX32°に達するそうだ
完璧な曲線の登り道
所々に縞枯れ現象の林を見る事ができる
25分
山頂下 2530m 気象;曇り
06:40
もうすぐ山頂で振り返る

確かに登って来た道はスキーの上級者コース並の斜度

南八ヶ岳 その伸びやかで美しい裾が広がる 奥には南アルプス
山頂下は積岩帯になる ここからはペイント・ロープに従い右方向に
大きく捲きながら山頂ヒュッテに向かう
岩は鮫肌で濡れていてもグリップは良いが、苔付きもあるので慎重に行く
森林限界を抜けたので南西の風が強くなる
10分
蓼科山 2530m 気象;曇り→雨 気温;4℃
06:50〜07:35
DoCoMo
蓼科山頂ヒュッテ(2515m)のすぐそばに三角点
丘のような蓼科山だが、標高2500m以上 感覚以上に標高はあるのだ
頂部は積石原が広大な円形状に拡がる
火口跡のためか中心に向かって少し凹状なっている そこに蓼科神社奥宮があり、奥宮をはさんでヒュッテの反対の淵に方位盤の見晴台がある

容も寸もバラバラな岩が無秩序にころがっている無機的なこの空間なのだが、
なぜかそこには『自然界の意識・秩序の気配』を感じた

蓼科神社奥宮

蓼科山山頂部 この向こうからモノリスが飛来してもおかしくない
【2001年宇宙の旅】のテーマが聞こえてきそう

南八ヶ岳の連峰

西上州 荒船山(1423m)
山頂からは南アルプス、八ヶ岳、浅間、車山などの山々や高原の展望は
あるが、今日は肉眼には写るが、写真にはちゃんと映らない
晴れていれば北アルプスを含め素晴らしい展望だろう 『残念』
ひととおり観終わるとまた雨が振ってきた 風も強まる
蓼科山は【女ノ神】だそうだ きっと嫌われてしまったのであろう
ヒュッテに戻る
ヒュッテから下山される方々が出立された
今日はじめての人間だ

小屋のひさし下で雨宿りさせてもらう 
Coffeeを点て行動食を食べる

前掛山(2354m)が広がる
雨はやんだ ヒュッテを後にする

山頂から蓼科山荘へは岩窪の急下りが、真直ぐ山荘の建つ将軍平に向かっている
後ろを向くほどではないが両手を使い、岩の間を降りていく
15分
蓼科山荘 2345m 気象;曇り 気温;6℃
7:50
DoCoMo
窪を下りきって、蓼科山荘前を左に折れると斜度はとたんに緩くなり、女神湖に向かう森の中に入ってゆく 岩も石になる
登って来た面よりこちらの側のほうが紅葉が進んでいるようだ
それでも[錦絵の様]とはいかない 今年の北アルプス同様、茶枯れが目立つ

幅の広いガレ斜面は丸太で崩れ止めされ、段々状になっていて滑らない
20分
天狗の露地 2170m 気象;曇り 気温;10℃
08:10 登山道からの脇道を入る天狗の露地 緩い積岩原の上部だ 女神湖周囲の高原と点在する白樺の木が見える
ザンゲ坂 気象;曇り 気温;**℃
幅広い登山道を、数グループの団体さんが登られてくる 『さすが百名山』
ザンゲ坂を降りれば七合目までは水平に近い緩い道となる
紅葉や老木 そして苔床の美しい森だ

今にも動き出しそうな老木達

ザンゲ坂上部の紅葉

素敵なベルベットグリーン

七合目が近づくとクマザサ床
25分
七合目 1910m 気象;曇り・小雨 気温;13℃
08:35〜08:45
DoCoMo
七合目には一の鳥居が建つ
夏道路が接続しており、駐車場やWCもある
団体さんが乗ってきた観光バスが数台停まっている
これから入山される団体さんも身支度中
ここからは夏道路を2度横断する登山道で、ゴンドラ頂上駅に向かう
10分
ゴンドラ頂上駅 1835m 気象;曇り→雨 気温;10℃
08:55〜09:00
【御泉水自然園】も見学したかったが9:00開園なので今回は諦める 
ゴンドラといっても長めのリフトの距離 雪が積もれば白樺高原国際スキー場になる ゴンドラ降り場の左側から草ゲレンデを下る
このスキー場を滑った事は無い 距離、斜度は望むも無いが上部はコメツガの林 自然環境はすばらしい
また雨が強くなった
20分
蓼科牧場 1580m 気象;雨 気温;15℃
09:20下山
ゲレンデの下部は開放牧場 牧場内【牛さんの落し物注意】
麓のミルクスタンドで新鮮な一杯をいただく

 再び知人を女神湖の宿に迎えに行く

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水タンク:2L 行動食1日分
 コンロ(中カートリッジ*1)、ツエルトシート
 15Lザック(5.5kg)
感 想 アプローチの夜道 本気に怖かった アルプス岩稜線のナイトトレールは月明りでも『ルンルン』気分なのに
闇の森は人間をたやすくは立ち入らせてくれない
そんな森もいったん日の光を受けると、とたんに社交的になる
深い森、鳥のさえずり、白樺や栂などの木々や苔などが優しく迎え入れてくれる
『高原リゾートの里山』というイメージの蓼科山だが、そこに残された自然は逆に豊かだと思った
今回は時間の関係で駆け足な山行だったが、次回はゆっくり森林浴気分や好天時の雪山時に入山してみたい


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登山初心者の女性と共に →07蓼科山 七合目からペア登山
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