07蓼科山U ;山のもの
2007/06/25 up    
北八ツ・蓼科山
御泉水自然園七合目〜将軍平〜蓼科山 ;往復
2007年 6月16日(土)
ペア登山・1Day
行程;6時間40分 移動;3時間25分
快晴! 登山初心者の女性と行く蓼科山
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください
省略記号
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蓼科山 平面略図 蓼科山 高低略図
 →【諏訪/中央HW】→御泉水自然園七合目登山口
今回は、登山初心者の女性の方をパートナーとしてのペア登山 自分が行き慣れた蓼科山をフィールドに選んだ
前々日に関東は入梅を迎えたのだが、この日は朝から快晴に恵まれた
中央高速を下って行くと、富士山・南アルプス・八ヶ岳が朝日を受け始め、残雪の稜線が輝く 『素敵な日になりそうじゃん!』 ガイドする自分が
興奮気味です
七合目登山口 1910m 10:05 入山 気象;快晴 北西微風 気温;19℃
蓼科牧場から舗装された夢の平線をクネクネとを登って行き、蓼科山が正面に見えてくれば七合目登山口だ
とりあえず鳥居の前まで車を進めるが、すでにそこは満車 『やはり今日は土曜日なのだ』 と実感
50mほど手前の広い駐車場に車を停める
蓼科山は、女神山の別名に相応しく、これ以上ない青空の下で今年の緑を輝かせながら、円錐の美しい
山姿を広げている 登山ルートでは無いが、ほんの僅かに残雪も見え得る
蓼科山七合目駐車場
この梅雨前の好天に誘われて車が次々と到着し、みなさんは早々と山に向かう
しかし自分達は早朝出発だったため、睡眠不足を解消しようと車で仮眠を試みる
が、元気なカッコウに邪魔され、それも間々ならない
あきらめて入山の準備を進める   -七合目登山口にはトイレがあります-
七合目は丁度花盛り 鳥居の袂では、見事にまんまるなタンポポが咲いていた
Dandelion ツツジの芽 シロバナノヘビイチゴ
山が御神体 鳥居横のポストに登山届けを投函し、いよいよ入山だ
最初はハイキング気分の緩やかな道&天候が崩れる心配も無いので、ノンビリと歩き出す
今日は本当にいい天気  この辺りは新緑がギラギラ太陽を遮ってくれているが、蓼科山は森林限界下でも
登山道の幅が広い箇所が多いため、特に女性の方はUV対策が必要です
Sunshade Climb-ON!
35分
ザンゲ坂・下 2030m 10:40 気象;快晴 北西微風 気温;18℃
馬返しから、斜度が少し付く登りが“ザンゲ坂” ザレ気味な箇所だ
彼女が蹴りだすような足の運びだったので、山での足の運び方をアドバイスすると、
だいぶスムーズになり、本人も「この方が楽〜」と言う
苔の翠が美しい道をしばらく行くと、右手に天狗の路地がある
森のハートマーク
苔の森 ザンゲ坂
25分
天狗の路地 2175m 11:05〜11:20 気象;快晴 北西微風 気温;18℃
天狗の路地は、蓼科山の頂上付近を源としたゴーロ斜面の中腹だ
北アルプスの展望がすばらしい 北寄りの風のため湿度がかなり低いので、まるで秋の大気のようだ
残雪の稜線がクッキリとしていて、且つ適度に雲があるのが好い。 少なくても彼女よりは山に来ている自分が感動するほどの好望でした
北アルプスの展望台 槍穂 後立山 登りずらいyo〜
二人でしばし山見に葺けっていると、
自力でここまで登った男の子が、お父さんとやってきた
「あれが槍ヶ岳だぞ」 子供に説明するお父さんは、ちょっとカッコイイ
この先は、丸太で土留めした登山道になる
浮石や倒木が多く荒れ気味 彼女は登りにくそうだ
小まめに立ち休みしながら登って行く
ここを登りきり、斜度が緩めば、すぐに蓼科山荘の建つ将軍平だ
30分
将軍平 2345m 11:50〜12:10 気象;快晴 気温;20℃
あと、こんだけ! 小屋前では予想どうりに大勢の方々が休憩している
若いグループの方や、親子で登山されている方がとても多く、
中には幼子を背負ったお父さんもいらっしゃる
『今の休日の山って、こんな風なんだ』
自分がいつも見る様子と、あまりにも違うので興味津々・面白い

頂上への急登に供え、しっかり休憩する
 -小屋には有料トイレがあります-
将軍平の春はこれから
ここからは急登 将軍平からは急斜面 岩が積み重なる窪を登る“登山”となる
『大丈夫カナ?』と診ていると、ヒョイヒョイと大岩をぬいながら登って行く
「こういった場所の方が楽しい」と彼女
これなら頂上に辿り着けそうだ

森林限界を越えると風が強くなる 帽子キーパーが無いと飛ばされそうだ
ひょいひょいと登って行く
40分
蓼科山 2530m 13:00〜14:30 気象;快晴 北西風 気温;20℃
頂上はもうすぐだ
南八ツが見えてきた
とても広い山頂です
蓼科山の頂は岩ノ杜 
ミネズオウ 頂上では、カラスに注意しましょう
登山道が左へトラバースしだし、先に南八ツのギザギザ稜線が見えてくれば蓼科山頂ヒュッテ&頂上も近い
山頂ヒュッテは北西風の風裏なので、風も弱まる ヒュッテのコーヒーとココアで登頂の乾杯だ
今日の頂(最高標高地点)は沢山の登山者で混みあっている
しかし、蓼科山は独特の岩原台地が広がる頂きなので、それ以外の
場所には人もまばらだ 先に蓼科神社奥社へ
祠の裏側にザックををデポし、反対側の方位盤で展望を楽しむコトにした
南八ツは男神の山
南八ツ →同じ場所の冬の景色は...
南アルプス
南アルプス
箱庭のような白樺高原
ビーナスの眺め
デポした場所にもどってみると 『やられた!』 カラスがザックのファスナーを開け(!)行動食をさらってしまった
標高2500mでカラスって初めてだ 古くは鷹居山とも呼ばれていた蓼科山だが、もう天敵は居ないのであろう 頂の上空を悠々飛んでいる
『それにしてもカラスって頭いいな〜』 大事にはいたらなかったので、頭にくるより感心しきり
蓼科山は火山成りの山 山頂は火口跡の名残で中央が凹んでいる 丁度風を避けられ、あんばいがいい
お昼寝したり、山や雲を「ぼ〜ッ」と眺めたり_ いつもと違う、のんびりとした頂での時間が過ぎてゆく。。。
ほぼ単独峰の蓼科山の頂上に居ると、見渡せる山々が、まるで此処をを中心に成り立っているようであり、ゴツゴツした灰色岩塊だらけの
頂上台地とは正反対の、澄み切った青の世界さえも手を伸ばせ届きそうな気がする不思議な場所だ
彼女は竜笛(横笛)の奏者でもある
今日は笛を持ってきたので、奥社の横で奉納演奏を行なう
パチ☆パチ☆パチ
山頂に幽玄な笛音が響き渡ると、
『自然と人の祈りが調和するって、こういうコトなんだろうな』 そう感じずにはいられない。
やってくる他の方々も、サプライズな調べに賛辞を贈ってくれる
コイワカガミ
岩だらけの山頂だが、良く視れば岩々の間に
小さな高山植物が咲いていて可愛らしい

浅間の狼煙を見ながら
下山開始〜
25分
将軍平 2345m 14:55〜15:45 気象;快晴 気温;17℃
すたこらさっさっ 普通、登りより苦労する急斜面での下りだが、やはり彼女は、こういった場所が得意のようだ
大岩の急斜面をスムーズに下って行く
タカラダニ
蛍光色の怪しいやつ
ダケカンバとアオイソラ
 
枇杷
山で食べる枇杷は旨かった
帰りも小屋前で荷を降ろし、遅い昼食を取る この時間でも小屋前にはまだ多くの人が居る
小屋番のおじさんが曰く 「今日は特に若い人が多かったな」
今日一日で、飲物などの商品が売り切れてしまったため、おじさんも今から仕入れに里に下りるそうだ
20分
天狗の路地 2175m 16:05〜16:15 気象;快晴 無風 気温;16℃
将軍平の先も、順調に下りて行く 登り時は苦労した土留め階段の道もアッという間だ
彼女曰く「先が解ると、ペースを掴みやすい」 『なるほど』
どうやら、同じルートを往復するピストン登山にして正解のようだ。
帰りも天狗の路地に入り休憩する 今日は一日快晴だ 午後になり、北アルプスは逆光に成りつつあるが、
まだその姿を雲に隠すことなく披露してくれる、
天狗の路地から見上げる
5分
ザンゲ坂・上 2130m 16:20 気象;快晴 無風 気温;16℃
夏至の午後 日は傾き始めたが、夏至が近いため日没までは、時間がある
今日の最後尾に近いようだが、焦る事無くゆっくり下山しましょう

登山時の怪我は、疲労が出始める下山時に多いとドコかで聞いた
『ザンゲ坂はザレで、浮石も多いよ…』 ズルっ! ってアドバイスしようとした途端、自分が滑る
そう言えば、小屋番のおじさんが 「蓼科山の神は女神様だから、アベックで登ると焼きもちをやくゾ」と
言っていたっけ

蓼科山の神は“女ノ神”と言うこと意外、名が出てこない
富士山と同じ木花咲耶姫や甲賀三郎;春日姫の名も上げられるが、おそろく遙か太古、八ヶ岳の山麓で
暮らした人々が、ギザギザ頭の南八ツを“男ノ神” ナダラカな北八ツを“女ノ神”と称したのであろう
25分
七合目登山口 1910m 16:45 気象;気象;快晴 無風 気温;16℃
無事下山!
怪我も無く、一日中最高の天気 よかったよかった

諏訪に降りるべく車を大門街道に走らせる
途中、白樺湖越しの蓼科山がカッコイイので車をとめ〔パチリ〕
白樺湖から望む蓼科山
諏訪
黄昏の諏訪湖 神長官守矢史料館も計画していたが今回は時間切れ (次回持ち越し!)
まず上諏訪の片倉館
湯から上がると空が素敵色に染まり、
諏訪湖がそれを受け止めている
涼みながら湖畔を散歩
〆は小作でほうとうを頂き、帰路に着く
ほうとう
 【諏訪/中央HW】

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備   水:1.5Lハイドロレーションシステム + 2.0L   各:1食+行動食1日分
  ツエルト、コンロ(中カートリッジ*1)
  ♂;30Lザック(7.0kg) ♀;15Lザック
反 省 登山靴劣化 彼女の登山靴は数年前に富士登山に使用した物だったのだが、以来、仕舞われたままだった。
噂どうり、靴底が劣化し剥れてしまった 幸い、細引での応急処置で事なきを得たが、
こういったコトはガイドするこちらが注意すべきだ
good 梅雨の晴間 前々日に入梅が発表され、『だめかな〜』と思っていたが、蓋を開ければ年に何回も遭遇しないほどの
好天に恵まれた しかも湿度が低く、素晴しい展望を楽しめた
頂での笛 『この頂きに雅楽の音色はマッチするであろう...』 予想はしていたが、想像以上に素敵でした
めったに、いや、初めてのシチェーションだが、今日のこの頂に相応しい感動的な演奏でした。
ゲリラライブではないが、携帯できる楽器を演奏できる方が羨ましい
感 想 『山の面白さを解っていただけたかしら?』
平日単独入山ばかりの自分なので、初心者・女性の方をパートナーとしての土曜ノ山と言うことで、
普段は味わえない新鮮・発見がイロイロあって楽しかったです。

個人的な意見だが、蓼科山は“お試し”に向いている山だ
行きなれているせいもあるが、山技量の様子を見るのも、新しい山道具を試すにも、何かと都合が良い
2500mの標高でありながら関東から1Day圏内で、樹林帯〜岩の急斜面とさまざまな要素があり、
冬も太平洋側気候でありながら、そこそこ雪も積もり、おまけに天気が良ければアルプス展望のご褒美もある
今回の七合目からのコースは、天候が良ければ、登山ビギナーの方にも安心して登山の魅力を知ってもらえる
良いコースだと思います

他の時期の蓼科山はこちらから↓
2007/02  蓼科山で スノーシューイング
2005/10  雨に濡れる紅葉

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