山のもの ;海のものとも山のものとも
2006/01/10 up    
霧ヶ峰(ブランシュたかやま〜彦尾根〜車山 :往復)
2006/01/07 (sat.)
単独・1day(前車泊+)・山スキー 行程7時間50分
 [5時間45分]
山スキーと言うよりスキーツアーです
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください
前日は根子岳で雪山&山スキーデビュー
車内0℃ ウインドが呼気で凍っている 寝袋の中は天国だ
天気の良い朝 スキー場の駐車場は独特の雰囲気がある
ピシッとした冷たい空気がキラキラしている中 〔がぼっがぼっ〕とスキー靴の足音が響き、笑い声や子供たちのはしゃぐ声が駐車場のいたる所で白く立ち登る
最近オキニの山での【おめざ】 ピーナツクリームのクラッカー →
ブランシュ駐車場 1470m 気象;晴/曇り 気温;-8℃
8:25入山
DoCoMo
足に昨日の疲れが溜まっている 今日はリフトで連れてってもらおう
添い寝したスキーシールを張る 接着性は問題無い
みなさんが一度リフトに乗った頃合で1回券〈¥520〉を買い求め出立

第二リフト乗り場までコースの端をツボ足で五分 板を履きリフト上の人となる
← 幾度も滑ったブランシュたかやまスキー場
 針葉樹に囲まれた美しいゲレンデだ 自分のレベルでは滑り応えもナカナカヨイ
 最近は穴場では無いのかもしれないが、周囲に比べればまだ混雑度も低い
ツボ足
リフト  20分
大笹峰 1807m 気象;曇り→雪晴 気温;-10℃ 雪;表面クラスト
8:45〜8:50
リフトを降りればそこはもう稜線部の大笹峰 稜線は広くなだらか すべり落ちることは無い 
積雪は思った以上に少ない 所々で草や低木が頭を出している 『やはり太平洋側の気候帯』
雪質も表面が軽くクラスト 板を置くと周囲にヒビが入る 板も見えなくなるほどは沈まない
人が入った跡はまったく無いが、ゲレンデから少し離れると、いたるところにウサギやテンの宴会跡がある
『寒いのに元気なやつらだ』

大笹峰の避難小屋

積雪で40〜50cmといったトコロか

隣のエコーバレーと車山
山スキー
 35分
北の耳 1829m 気象;雪晴→曇り 気温;-10℃ 雪;表面クラスト
9:25
『少しは雪山登山ぽいかな』 粉雪が舞う小ピークを登りきる

雪晴れ 粉雪がキラキラ輝く 

北の耳
四方の山々は黒い雪雲に覆われている 向かいの蓼科山すら見えない 荒れ気味であろう
今ここでも粉雪が強めに舞ってはいるが基本的に雪晴れだ
感覚に頼りすぎるのはいけないコトだが、今日は夕方まで大荒れになることはないだろう 雲を見ながら思う
北の耳から下る側は斜度が少し急だ 石も出ている 仕方なく板を外しツボ足で降りる
『この先の南の耳の登りはさらに急だぞ』 板を履き何となく夏道が解る稜線をゆっくり進む

下はエコーバレーのゲレンデだ

とうせんぼする南の耳
ツボ足
山スキー→ツボ足

 25分
南の耳 1838m 気象;晴 北風 気温;-10℃ 雪;クラストの上に粉雪
9:50〜10:05
DoCoMo
雪が無ければ なんでもない小コブが雪壁となり立ちふさがる 板を履いたまま登れるところまで直登する
さすがのスキーシールもクライミングサポートMAX.以上の斜度になるとこらえきれずに後ずさり
あと5m 『ここが限界か』 板を外しつま先を雪斜面に蹴りこみ突き刺しながら登る 雪は安定し登りやすい
『これがキックステップね』 南の耳を登りきる ここは北風が少し強い 車山が近づいた

蝶々深山と車山 ポチッとしているのが車山の気象レーダー
山彦尾根 ****m 気象;晴 北風 気温;-10℃ 雪;クラストの上に粉雪
『この尾根から蝶々深山への道は無いのかしら』 だれもいない雪の稜線散歩 悩みながら進む
この辺は天然記念物地帯のため、
雪が乗っていても遊歩道以外は立ち入り禁止 うかつに入り込めない
先には保護柵があるのだが、稜線を結ぶこの辺りでも夏道を感じる跡さえ無い

美ヶ原方面 『王ヶ頭? 何という山だろう』

氷結アザミ

かなり広い八島湿原  頼朝が狩を催した場所も今はシミひとつない雪肌
結局よくわからないまま北風に押されながらの大回りで車山乗越についてしまう
山スキー
45分
車山乗越 1832m 気象;晴/曇り 北風 気温;-10℃ 雪;クラストの上に粉雪
10:50〜10:55
車山乗越に向かう殿城分岐の角あたりからからサビた鉄条網が出てくる 『自然保護にはに合わないよ』
乗越の入り口あたりになるとさすがに新しいグリーンのロープ張りになるのだが...

天然記念物の碑


スノーシューの跡を追う
車山を見上げる ゲレンデを登るのは無理そうだ トップバーンは滑走禁止 例によって氷ついているのだろう
コースは細いエスケープコースだけだ
『結局、ここからゲレンデの裏側に大回りか』 あきらめ蝶々深山に向っていったん下る
ここからスノーシューの踏み跡がある 
ワイドにストックをつくと〔スコッ〕と下に抜けバランスをくずす
雪下は木道なのか、足もとだけ踏み固められたのか解らない
最近、車山スキー場はスノーシュートレッキングをうたっている
注意が必要です
蝶々深山の下のY字路路を左に進む
丘の上に建つ【コロボックルヒュッテ】がかわいい
『あそこに着いたら、暖炉があって紅茶とケーキが用意されていないかな』妄想する
山スキー
30分
車山肩 1825m 気象;晴/曇り 北風 気温;-12℃ 雪;ザクザク雪
11:25〜11:50
所詮、夢物語 やや強い北風が当たり前のように吹き抜ける
観光看板の下 吹き溜まりの風裏で休憩 ネオプレーンで包んだハイドロレーションシステムの水も凍りだしている
アルペン靴の限界か』 ブーツの当たるスネが痛い
靴のバックルはユルユルにしてある
昨日の根子岳は登り中心でベロでこすれることは無かったが、今日は水平道中心 スネが靴擦れ状態なのか
肩からの登り道 シールが付いていれば楽々登れる斜度の稜線 直登の夏道があるはずだが、またも雪に覆われはっきりしない
『何処は歩いてヨイの?』
 雪に隠れた天然記念物エリアは厄介だ
『無雪時に来た事がナイものナ』
しょうがなくスノーシューの跡をトレース ビーナスライン沿いに大きく巻きながら頂上をめざす
路はザク雪の蛇行道 南斜面で風裏になる スノーシュー向きの登り坂だ 山スキーでは重過ぎる
南の展望が開ける 南アルプスが大きく目の前に広がる 『雄大』 ここから見ても南アルプスの厚みを理解する
この山々が太平洋まで連なっているのだ
ひときわ、夏に登った甲斐駒に注目 雪化粧で一段と精悍の山姿 まるで手前の鋸岳を剣とした武者姿のようだ
『今頃、山頂部はどうなっているのだろう?』
1〜2mの距離でさほど展望が変わるはずも無いのだが、なるべく近づきたい衝動 歩道の際まで板をだす

左; 甲斐駒ヶ岳  右; 鋸岳
車山頂上までもう少しだ
山スキー→ツボ足
 50分
車山 1925m 気象;晴/曇り 気温;-11℃ 雪;氷
12:40〜13:00
DoCoMo
車山頂上部は露岩がごろごろ、木道はツルツル 早々に板を外して歩く
頂上には富士山レーダーの仕事を受け継いだロボット気象観測所と りっぱな祠がある

ロボット気象観測所

縄文から続く山岳信仰

怪しい〜
何度か、ゲレンデスキーの際にここまで登り、晴れた日には北アルプスなどのすばらしい展望を鑑賞した
今日は周囲の山々は雪雲に覆われ、最高の視界とはいえないが 『登ってきた』達成感が何より大きい
スノーシューのご夫妻が上がってこられた
「スノーシューでもゲレンデトップは入ってはいけないと言われ、途中からリフトで上がらざるをえなかった」と残念そうだ  ご夫婦は車山肩に向かわれた
ツボ足山スキー
 2分
車山ゲレンデ ****m 気象;晴/曇り 気温;**℃ 雪;氷
休憩10分
山頂のすぐ下にはトップゲレンデのリフト降り場と堅固な避難小屋がある
やはりトップ部の直降りコースはクローズされている 迂回コースをスキーシールを張ったまま滑りはじめる
曲がらない あわてて壁側に乗り上げ止まる 『ふぅ〜』 面はガチガチのバーン エッジが利かないのだ
ボーゲーン それもギンギンに板を立てゆる斜面まで降りてゆく
 『もう少しスキーシールを切ったほうがいいのかな』
スネの痛みをこらえながら思う 〔ガッガッガッ〜〕ボーダーが激しく氷を削りながら横を滑り降りてゆく

避難小屋 
山スキー
20分
車山乗越 1832m 気象;晴/曇り 気温;-9℃ 雪;クラストの上に粉雪
13:30
上から見て目印にしたポールから左の斜面を登る
これで先ほどの車山乗越しに戻った 今日の踏み跡はまだ自分のものしかない『予定より遅くなってしまった 帰りは少し急ごう』
自分のつけた二本の線 逆描きでトレースしはじめる

秋に登った蓼科山
山スキー
 50分 
南の耳 1838m 気象;晴/曇り 気温;-8℃ 雪;クラストの上に粉雪
14:20〜14:25
帰りの南の耳 登りは問題ないが下り側は朝、キックステップで登った斜度
『距離も短く、ここは雪も軟らかい 転んでも問題なし』半凍水を飲みながら思う
Let’sら Go! 左 右 空中で半ひねり 2回のジャンプターンで終わる
 『なんか楽しいぞ』
山スキーツボ足
 20分
北の耳 1829m 気象;晴/曇り→晴 気温;-9℃ 雪;クラストの上に粉雪
14:45〜14:50
戻りの北の耳は登りが急 アルペン靴では岩部はツルツルで危ない 
しょうがなく雪側をツボ足で登るがちゃんと縛らなかったスキー板が途中でばらけて無駄な体力を使ってしまう
板にブレーキは無いのだ 何とか這い上がる 夕方の晴れ間がひろがる すがすがしい ここまで戻れば一安心

朝自分がつけたスキー跡に
小動物の足跡がついている
 『すこし うれしい』

足ナガッ
山スキー
 30分
大笹峰 1807m 気象;晴→雪晴 気温;-9℃ 雪;クラストの上に粉雪
15:20〜15:50
もうすぐ大笹峰で青空が広がる 今日歩いた稜線が一望だ
『戻ってきたよ』 来る時にチェックしておいた避難小屋
自動販売機完備 缶ビールだってある
しかし今は食べ物だ
『おっと』 コンロのGSボンベのキャップが凍りついている
ライターで融解し外す 正月らしく【おしるこ】を作る 二人前ペロリだ
屋根があるってありがたい 『ほっ』とする
一息入れてから滑る準備をする
ブランシュ ゲレンデ ****m 気象;雪晴→晴 気温;**℃ 雪;硬いコブ
ブランシュたかやまスキー場はスノーボード禁止のためか子供連れファミリーの方々が多い
コブ斜面のチャレンジコース まだ雪が少ないが一応ラインはできている
スネの痛みをこらえて硬いコブに入るが途中で我慢できずescape 『イタイヨー』
スキー
 15分
ブランシュ駐車場 1470m 気象;晴 気温;-6℃
16:15下山
日は傾いた 低い雲が夕焼け色に彩られる
『夕焼けや、朝焼けに染まる雪山を頂からみたら、きっときれいだろうな』 そう思える今の自分がいることに感謝
靴下を下げるとやはり両スネの皮膚がペロッと剥けていた
約25km/1時間
片倉館
諏訪湖に降りて大好きな【片倉館〈\550〉】で温泉
大正モダンの歴史ある建物 「あぁ野麦峠」(若い方は知らないかも
!?)の女工さん達が歩きながら浸かった胸深さの千人浴槽 敷詰められたた玉石の刺激 ちょっと熱めの湯
駐車場から玄関までロボット歩きだった足取りも湯上りにはちゃんと戻る
約10km/30分
小作
『こんなときにはほうとうだ〜』 双葉まで行くつもりで国道20号上り車線
諏訪ICの先【小作】の看板を発見 あわてて引き返す
茅野にもチェーン店ができていたのだ 知らなかった
店内は本店より狭いが、同じように囲炉裏を囲んだ掘り座敷の民芸風
掘りの足下には床(?)暖房
【鴨肉ほうとう&オニギリ2個】をいただく ほうとうには色とりどりのゴロッとした野菜が入っていて、ごった煮のおいしさを熱々で頂戴する
 満腹×満腹
【中央HW.】諏訪→自宅 5時間/約300km〈計¥5,350〉
  帰路 がまんせずに双葉のパーキングで3時間ほど寝る
13:00下山

天気図  この山行時の天気図 ;株式会社ウェザーマップ/気象人 のページへリンクさせていただいております
装 備 各日 水タンク:1.5L 1食+行動食1日分
    コンロ(中カートリッジ*1)、ツエルトシート、スコップ
    30Lザック(6kg)
    足元 ;山スキーセット+アルペン靴
    手元 ;Wストック
反 省 水けは凍る 雪山登りの体温調節で一番大切なのは、保温ではなく発汗の処理ということを理解
ゴアテックスでも追いつかない 隙間があればすぐに雪が入ってくる

飲料水もザック内の背中近くに置かないと凍る 一度凍りついたモノは、夏の濡れモノのように、ほおって置けば自然に乾くコトは無い 溶かすには安定した場所と大量の燃料が必要になる
無精はだめ メモや写真 細かい指仕事をグローブ越しで行うのは雪山では大仕事
グローブを外すと再装着がめんどくさいし、外したグローブはすぐに凍りだす
ポケットのボタンはスナップよりマジックテープ、ファスナーも大きい摘みにするなど無精に対する考慮がいる
今回、行動中のスキーシールの脱着は無かったが、強風や大雪の中で確実に行うのは経験や慣れが必要であろう
入山前の情報 無雪期にも登ったことが無い両山 今回あまり状況を下調べをせずに入山した 冬山のルートは状況や雪の状態で夏山時とは異なる 情報は少ないがネットや本をもう少し調べれば、根子岳の頂部や霧ヶ峰の天然記念物エリアの状況など前もって解ったかもしれない
滑る体力 せっかくスキーで登ったのだから 楽しく滑る体力を残すペース配分で行かないと
感 想 根子岳から見える北アルプスは白い衣をまとった寝観音姿で雪山debutの自分を見守ってくれた 頂での胸ラッセルも経験できた
車山の尾根はスキーハイク的だったが、静かな雪稜線歩きを満喫できた
今回の両山、根子岳も車山もスキー場の延長にあるので 山スキー・冬山登山と言うにはまだ早々かもしれない
それでも夏山では観るコトができないモノをみれたし、今まで経験したことが無いコトが沢山あった
雪山を登るひとつの方法として山スキーの道具はすばらしい機動力を魅せてくれた 今回はアルペン靴だったが、兼用靴になればさらにフィールドは広げられるだろう
オフピステを滑り降りるのも魅力的だ もう少し滑りに自信がついたら根子岳で出会ったmogulerお兄さんのように山を滑ってみたい
雪山での行動は夏山とはまったく違う いくらあっても多すぎない体力と気力 桁外れに増すさまざまな要素、危険・気を配らねばならぬコト・きちんとやらなければならぬコトが増える
 『自分の行動を自分の意思を持って正す』 下界でダラケた生活の自分にはまさに行 ソコにはまりそうだ
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