07北アルプス ジャンダルム Day1 ;山のもの
2008/03/19 up    
北アルプス ジャンダルム
旧中ノ湯〜中ノ湯ルート〜焼岳〜西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳
〜北穂高岳〜涸沢〜横尾〜上高地
2007年 8月14日(火) 〜16日(木)
単独 ・ 縦走 ・ テント ・ 前泊 + 二泊三日
時間・数値・装備及び感想は、この山行時・個人のモノです あくまでも参考としてください
省略記号
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 自宅→【松本/中央HW】→沢渡駐車場
新島々のコンビニで朝食を仕入れ、いつものように沢渡の駐車場に車を入れようとすると…
 『自動ゲートになっている! おまけに、足湯まで出来ている!』 ちょっと驚きデス。
今夜は、もう遅いので足湯にも浸からず、すぐに車泊体制をとる。

1日目 2007/08/14 (tue)
旧中ノ湯〜中ノ湯ルート〜焼岳〜割谷山〜西穂高山荘
行程;7時間45分 移動;6時間20分
クラシックルートで狼煙立つ焼岳、そして西穂へ
沢渡駐車場 1005m 06:05 出立 気象;晴 無風 気温;16℃
05:00起床
昨夜の時流ショックはまだ続く。 ALPICOバスも自動券売機が備わり、乗り込めばワンマン化されていた。
『ちょっと寂しいが、今の御時勢、致し方ない_か。』 お盆休み期間だが、朝二番のバスのシートの半分は空いていた。
沢渡→中ノ湯 ALPICOバス 10分・\780
旧中ノ湯 1315m 06:15〜06:25 入山 気象;晴 無風 気温;18℃
自分のためだけに、釜トンネルの手前、中ノ湯でバスを停めてもらう。
登山届けをポケットから取り出すより早く、バスは釜トンネルの闇に消えていった。
現在、焼岳を登られる方の多くは、上高地から登られるか、安房峠途中から入れる新中ノ湯ルートを利用される方が多い。
しかし自分は、上高地に下山する事と、穂高が目的のため、ここから前時代の旧ルートで入山することを選んだのだ。
無関心なゲートの守衛さんを横目に国道脇を歩き、安房トンネル方向に向かう。
2分も歩くと水が湧き出ている箇所がある(1325m)。 ここが中ノ湯ルートの登山口。
小さな看板が紐で縛り付けてあるが、車からでは見落としそうなほど目立たない登山口だ
釜トンネルは上高地の玄関
釜トンネル手前でバスを降りる
焼岳登山口
どうやら、ここらしい
旧中ノ湯ルート
ブナ林の中を登り始める
35分
第一ベンチ 1600m 07:00〜07:05 気象;晴 無風 気温;17℃
登山道は最初から細かくジグザグを切りながら、みるみる標高を稼いでゆく。
予想以上に、しっかりとした登山道 エグレた溝など無く登り易い。
国道を走る大型トラックの音もやがて消え、静かな広葉樹の森中を独り行く。
艶やかな新緑
山紫陽花
朝日を喜ぶ【ヤマアジサイ】
第一ベンチの看板
ここから頂上まで約3時間と刻んである
短い水平な道を行けば第一ベンチの看板が在る。 ベンチは無く、丸太が転がっているだけなので、ここで立ち休み。
40分
りんどう平 1900m 07:45 気象;快晴 無風 気温;18℃
梢の焼岳〜 ブナの森をぐいぐい上り続けると、少し開けた平坦地に出た。
この辺りを、りんどう平と呼ぶそうだ。
ここで今日初めて焼岳の頂が拝めるが、すぐに背の高い木々
に隠れてしまう。
Please click
25分
新道出合 2040m 08:10〜08:20 気象;快晴 東微風 気温;21℃
ルンゼの右岸を登ります りんどう平の平坦をそのまま進めば、再び緩い斜度がついてくる。
やがて、木の背が少し低くなる頃に新中ノ湯ルートの道が出会う。
入山後、ここまで誰にも出会わなかったが、出合の先は他の登山者とポツポツと挨拶を
交わすようになった。
日陰が無くなり、気温も上昇するが、風が抜けるようになり、生命力溢れる緑と大きな
青空が組合さり_気持ちいい。
無木立斜面 冬はどうなるのかしら?
トンデモナイ青空日
Please click
滑りたい〜
乗鞍と御嶽
登山道は、火口の鞍部を源頭とする緩やかな浅い溝の右岸を沿うようにつけられている。
土留めの段が奢られた登山道を登りながら、気持ちは焼岳南峰から南東に伸びる尾根に
気を取られる。
無木立でササに覆われた斜面に雪を載せ、シュプールを描く事をイメージする…
火口の鞍部
まだ、硫黄の匂いは微か
前方に焼岳の南峰と北峰の稜線の間にある火口の鞍が見えてきた。 狼煙が上がっている
焼岳は活動中の火山 -大正4年の噴火の際、流出物が梓川を堰き止め大正池を形成したり、
近年でも水蒸気爆発や火山性群発地震を、たびたび観測されている-
1990年までは、登山規制で頂に立てない山だった。
気象庁は平成19年より、火山活動の危険性を促すうながすアナウンスとして“噴火警戒レベル”
なるものを導入しました。
焼岳は未導入の火山ですが、噴火警戒レベルは里の居住者のための警戒であり、登山者を
対象とはしていません。
 『今、噴火してもおかしくないノダ』
〔ドンドコ,ドンドコ,ドンドコ…〕 近づくにつれ、身体の中でナニカが響きだす。
山を登ってきたので脈が速いのは当然だが、それ以上に呼吸が深くなる。
45分
火口の鞍部 2330m 09:05 気象;快晴 東微風 気温;21℃
ちょっとパノラマ失敗
焼岳南峰(2455m)
Dangerous is beautiful.
噴気孔
火口の鞍部に到着。 旧火口のカルデラ湖を従える主頂の南峰(2455m)は立ち入り禁止となっている。
現在登頂可能な北峰に向かうルートに目を向ければ、先ほどから狼煙を上げ続ける噴気孔が登山道のすぐ脇にあって、周囲の大岩は
硫黄色に変色している。 他にも登山道の周囲には小さな噴気孔が点在している
『南峰より、こっちのほうが危険なんじゃない?』と思いながら、噴気孔の間を進む。
各噴気孔からは〔ゴウゴウ〕と結構な噴出音がし、硫黄のニオイが強くなるが、今日のニオイは突くほどの刺激は無かった。
15分
焼岳 北峰 2444m 09:20〜09:45 気象;快晴 東微風 気温;19℃
北峰を東側からトラバースし、北側に回り込む。 ここから頂上へは、短いピストンだが、めんどくさいので荷は背負ったまま登る。
こちら側には、さきほどの噴気孔より活動が盛んな大きな孔が在る。 近づくと台地の鳴動が登山靴越しに伝わってきた。
大地のビートに、身体の中のナニカ_が揺さぶられ共鳴し、覚醒する。
噴気孔にはロープ等は張られていませんが、噴出しているのは有毒性な硫化水素が含まれています
先行の登山者が判るカナ?
北側から登ります
手を伸ばせば火傷しそう
大地の息吹
今日は真ん中の緑の尾根を行く
笠ヶ岳〜穂高〜梓川〜霞沢岳
最高デス! 『わぁ〜お!』
野生の血が騒ぎだした所で、このパノラマ!
『今回の山行、もう充分!』と思える北アルプスの
大展望でした。
お天道様 アリガト!
左;奥穂 右;前穂
吊尾根〜岳沢
Please click 望遠で
まだ遥かな高み 槍ヶ岳
30分
中尾峠 2090m 10:15〜10:20 気象;快晴 東微風 気温;21℃
まだ頂に達した登山者は少なく、静か雰囲気なので Coffeeでも点てたい気分だったが、今日は先が長いので中尾峠に向かって下り始める。
丁度、下からは沢山の人が登ってくる。 ここの下りはザレとても滑りやすい 慎重に降りて行く。
こちら側にも、透明な狼煙を上げる噴気孔がある。 噴気孔上空は大気が揺らいでいた。
登って来る時間帯のようだ
見下ろす中尾峠
中尾峠にて
ササ原の先に笠ヶ岳
樹木枯死
枯木が野外彫刻のようでした
長そうだな〜
今日はこの緑の尾根を歩き続ける
展望台から望む焼岳北斜面
1962年、中尾峠側の山腹に新火口が生じ、多量の噴石で、負傷者が出たそうです
10分
焼岳小屋 2080m 10:30〜10:40 気象;快晴 無風 気温;23℃ Foma不通
焼岳小屋 上高地側から登ってくる方々で、小さな小屋は結構な賑わいだ。
『さすがお盆休みの好天日』
自分もジュースを買って水分補給する。
ダレモイナイ…
さて、出発だ。 しかし自分が向かう穂高方向には誰も来ない。。
50分
割谷山 1410m 11:30〜11:40 気象;快晴 無風 気温;22℃
荒れた箇所も多い 上高地帝国ホテル辺り 道は何処?
最初の2159mピークは、飛騨側を捲きながら登って行く。 ある意味,スペシャルな登山道だ。
斜度はきつくは無いのだが、ササが登山道を覆い隠していたり、倒木が道を塞いでいたりと、多く人が歩く道ではないようでした。
先路は飛騨側、上高地側を交互に行く。 上高地側では、新緑の底を蛇行する梓川の白が美しい。
しかし、焼岳小屋周辺の賑いは何処へやら、やはり誰も居ない路_ おっと、今日の連れ合いは蝶や蜻蛉のようだ。
【ベニヒカゲ】 【シモツケソウ】 お前なら、この尾根ひとっ飛びか?
2194mピークの下りで、やっと対行のお兄さん二人とすれ違う。 お互い、『やっと半分…』 の苦笑いだ。

2194mピークの下り
どんどん濃くなりました
夏の午後のガスがかかりだす
もうすぐだ
きぬがさの池
2181mピーク辺りでは、周囲はすっかり霧に包まれる。
しかし一本道だし、2194mピークを過ぎてからは、道幅も広くなったので先ほどまでより歩き易し。
焼岳小屋と西穂山荘の標高差が約300m。 森林限界下なので展望は期待できない稜線だが、意外と変化が有り、適度なup&downも
加わり飽きなかった。
2時間
分岐 2240m 13:40〜13:50 気象;キリ 無風 気温;20℃
蛍光色の標識が木の高い箇所で目立ってくると、上高地からの登山道との出会が近い。
ここから今日の宿泊地 西穂山荘はわずかな距離だ。
合流後は、今まで誰も会わなかったのが嘘のように登山者が列を成す。
分岐の看板
小花が集まって筒状を成す
【モミジコウモリ】
薬なら“ぶし” 毒なら“ぶす”
【トリカブト】
Please click
【シシウド】
西穂山荘までの道は亜高帯の花畑でした
Please click
【オタカラコウ】
郡内は山梨県桂川流域の古名
【グンナイフクロウ】
Please click
【キンレイカ】
10分
\500/幕 西穂山荘 2370m 14:00 着 気象;キリ 無風 気温;22℃  丸山で○

大賑いの西穂山荘 今日の幕営地=西穂山荘に予定よりだいぶ早く到着した。
自分のテントを張った後は、明日の下見と携帯の電波を探して、先の丸山を登る。
西穂山荘が丁度森林限界点のようだ。 急に足元が岩となる。
しかしガスで真っ白け 明日の朝に期待しよう。

小屋に戻ると宿泊者が益々到着していて、テント場は溢れ、小屋前の広場も幕営地に開放している。
ここは、新穂高からロープウェー利用で割と気軽に至れる場所なのだ。
日没後はガスも去り、宝石箱の夜空となる。
そして今夜は新月+ペルセウス座流星群 こういったサプライズには、皆さん詳しいようで、
夜遅くまで小屋前で「流れた!」 「こっち!」と声が響く。
自分はテント泊の特権で、シュラフに包まったままテントから首を出し願掛けする。
流れ星では無く、ブレです。。

2日目 〜西穂高岳〜間ノ岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜穂高岳山荘
3日目 〜涸沢岳〜北穂高岳〜涸沢〜横尾〜上高地

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