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ハーフ&ハーフの空模様
仙丈ヶ岳の真上だけ青空広がり、周囲はぐるっと雲に取り囲まれている
白峰三山には雲がかかり、北岳と間ノ岳までしかカメラに写らない状態なのは残念だが、
小仙丈カールを抱く仙丈ヶ岳まで稜線;小仙丈尾根は、まるで“雪のティアラ”だ 南アルプスの女王に相応しい冠がきらめく |
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しかし、この美しい稜線も、いざ自分が進む路となると見方が変る
無雪期なら さほど苦労しないであろうが、今はトレース無く、自分のレベルでは “うかつ”に入っていけない領域だ
『ここまでにしようカナ』 そんな気持ちが湧いてくるほど難易度の高い道が頂上へと続いている…
『この美しい女王の誘いを断るのは無礼であろう』 ルートとアイゼンを再確認 意を決し頂上を目指す
小仙丈から、すぐに10mほどの急な岩場の降りが待ち受けていた
セッピの発達した岩ミックスの部分を避け、北側を捲くようにして降りて行く やはりこちら側は固めのアイスだ
『集中〜!』 ステップを切りながら慎重にトラバースする |
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この稜線、小仙丈ヶ岳と仙丈ヶ岳の標高差は150mほどなのだが、数値以上に登る気がする
稜線のセンター寄りには軟らかい雪が溜まっているが、南側は視たとおり大小のセッピがある急峻な崖;小仙丈カール
北側も無木立氷結斜面で、斜度が強くなると表層で滑り落ちそうな薮沢カール
雪の状態を確認しながら、焦らず慎重に足を踏み出す
やがて、ティアラのセンターのように尖った小ピークを越える頃には、この緊張感が楽しくなってきた
『やば 雪山ジャンキーになっちゃたカモ !?』 |
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仙丈ヶ岳の頂は三つのカールに準じる地形に囲まれている
南アルプスでのカール地形は珍しい
しかし、今の自分にとっては、
そんな氷河期のロマンではなく、直面するアリ地獄の淵だ
そのアリ地獄の淵が集まる頂上直下広場までやって来た
『あとはこの壁を登るだけだ』 |
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